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http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20060902/col_____sha_____002.shtmlより転載。
2006.09.02
自民党総裁選を独走する形の安倍晋三氏が出馬表明し、政権公約を示した。注目された割には標語の羅列で具体性に欠ける。もしタカ派色は来年の参院選後、であるならば、国民を欺くことになる。
幕が開ける前から結末の見える「総裁選劇場」は盛り上がらない。安倍氏の出馬表明で、麻生太郎、谷垣禎一両氏を含め三人の候補が出そろった。政権をとったら何をするのか、堂々と政策論争が交わされるよう期待する。
安倍氏は公約の柱として憲法改正と教育改革を繰り返し訴えてきた。
一日発表した政権公約も、憲法改正を真っ先に取り上げ「新たな時代を切り開く日本にふさわしい憲法の制定」を提唱した。だが、時期や方向に具体的な記述はなかった。これでは国民も判断に苦しむ。
教育改革は「すべての者に高い学力と規範意識を身につける機会の保障」「学校、教育の評価制度の導入」などを並べた。ただ、意欲を示してきた教育基本法改正の成立にはなぜか触れなかった。
憲法も教育基本法もどのように改めていくかで、自民党内にもさまざまな考え方がある。まして総裁選は次の首相を決める選挙だ。候補者は自ら考える基本のところをはっきりと示す責任がある。
安倍氏はいま党内の七、八割の支持を集めている。このまま圧勝したいと、肝心な部分をぼかしたのなら、本末転倒も甚だしい。
争点となっているアジア外交についても、公約は「中国、韓国等近隣諸国との信頼関係の強化」と一般論にとどまった。記者会見で「中韓両国との首脳会談を復活させるため、お互い努力しなければならない」と述べたが、具体的な手順や方法は何も示さなかった。靖国問題に至っては公約にひと言もなかった。
総裁選では、党内の派閥が雪崩を打って安倍氏の支持に回っている。中には、領袖がアジア外交や靖国問題で安倍氏の姿勢に異を唱えてきた派閥もある。せっかくの圧勝ムードに水を差すことはないと、具体論を避けたのなら「闘う政治家」といえない。
安倍氏の後見人とされる中川秀直氏は「首相指名では賛成するが、実際の政策に反対するということは許されない」と述べている。だとすれば、あいまいな公約で白紙委任を取りつけ、あとは政権のやりたい放題なのでは、と疑われても仕方ない。
自民党は幅広い意見、イデオロギーを持つ政党とされてきた。総裁選はその違いを隠さず議論し、路線を決める場でもある。国民が政策論争の行方を見ている。
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