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自民防衛小委:「国際平和協力法案」(恒久法)条文案了承
自民党の防衛政策検討小委員会(委員長・石破茂元防衛庁長官)は30日、自衛隊が国際平和協力活動を行う際の派遣要件を定めた「国際平和協力法案」(恒久法)の条文案を了承した。正当防衛を超える武器使用も認めたのが特徴。党内手続きを経て国会に提出する方針で、恒久法は安倍晋三官房長官が制定に意欲を示しており、次期政権の重要テーマとなる。
警察官や海上保安官も含め政府全体の協力活動への取り組みを定めた。自衛隊は国連決議がなくても日本独自の判断で「非国際的武力紛争地域」に派遣することができ、(1)安全確保活動(2)警護活動(3)船舶検査活動−−にも任務を拡大。武器使用は正当防衛と緊急避難に限らず、任務遂行のためには「その事態に応じ合理的に必要と判断される限度」で危害射撃を認めた。【田中成之】
■国際平和協力法案の自民党案の要旨は次の通り。
1条=国および国民の安全を保ち、我が国の繁栄を維持するには国際の平和と安定の確保が不可欠であるとの認識の下、人道復興支援、停戦監視、安全確保、警護、船舶検査、後方支援活動の国際平和協力活動と物資協力に我が国として主体的に寄与する▽2条3項=国際平和協力活動は国連総会などの決議、国際機関の要請、このほか我が国が特に必要と認める事態に際して実施する▽同5項=国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は破壊する行為が行われないと認められる地域で実施する▽6条=当該国で施政を行う機関の同意がなければ実施できない▽9条=首相は活動の実施前に国会承認を得なければならない▽同3項=国連決議などに基づかない活動を国会承認から1年を超えて行う時は、首相は国会承認を求めなければいけない▽25条8項=(警護対象者の防衛や安全確保活動などでの)武器使用に際しては、刑法36条もしくは37条の規定に該当する場合又は相当の理由がある時に、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用する場合を除いては、人に危害を与えてはならない。
【憲法改正なしで他国軍並み活動】
■解説
自民党が30日にまとめた国際平和協力法案は、現行憲法を極限まで拡大解釈した結果、国際貢献のため海外に派遣する自衛隊の武器使用を緩和し、治安維持任務も可能だと結論付けている。憲法問題から政府が認めてこなかった領域に踏み込んだもので、実現すれば憲法を改正しなくても他国の軍隊並みの国際協力活動に道を開くことになる。いわば憲法9条改正に匹敵する法案といえ、自民党案の解釈が妥当なのか極めて慎重な議論が必要だ。
これまでの政府見解は、海外での武力行使を禁じる9条に違反しないよう、自衛隊の活動地域を「非戦闘地域」に限定し、「正当防衛」「緊急避難」でのみ危害射撃を認める二重の担保を設けてきた。自民党案の解釈は、活動地域を「非国際的武力紛争地域」(非戦闘地域と同義)に限れば、自衛隊が任務遂行のために武器を使っても武力行使には該当せず、警察と同じ行為にすぎないとの論理だ。
この論理を前提に、自衛隊が自ら危険に接近する行為を認め、治安維持、警護、船舶検査などにも任務を広げた。安倍晋三官房長官が疑問視する「一緒に活動している外国の軍隊が攻撃された時、我々が黙って見ていなければいけないか」との問題も解決される。自民党国防族は「憲法改正を待っていたらいつになるか分からない」と法案作成の背景を説明する。
しかし、自衛隊のイラク派遣と同様、何を根拠に「非国際的武力紛争地域」と認定できるのかは不明確。治安維持とはいえ、自衛隊の重装備で殺傷、破壊行為にいたった場合に国民の理解が得られるのかも疑問だ。拡大解釈によって憲法改正と同様の領域に踏み込む極めて重い法案といえる。【宮下正己】
毎日新聞 2006年8月30日 20時13分 (最終更新時間 8月30日 20時33分)
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20060831k0000m010092000c.html
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