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自衛隊海外派遣恒久法と集団的自衛権容認が生み出すもの(保坂展人のどこどこ日記)
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投稿者 天木ファン 日時 2006 年 8 月 31 日 01:16:50: 2nLReFHhGZ7P6
 

自衛隊海外派遣恒久法と集団的自衛権容認が生み出すもの

ニュース / 2006年08月31日

いよいよ、戦争の足音が聞こえてきた。安倍官房長官の独走体制下で、これまでテロ特別措置法やイラク派遣法など、個々の事態に則した派遣法を大急ぎで国会で作り、自衛隊の海外派遣をしてきた日本政府は、「いつでも、どこでも自衛隊海外派遣」が自由に出来るように恒久法を準備し始めた。まずは、この秋の臨時国会でのテロ特措法の付帯決議に盛りこむ方向だという。武器使用基準も大幅に緩和し、全世界的に「テロとの戦い」に出動するという。

 もうひとつは、現憲法下で「集団的自衛権の行使容認」へと解釈を変更するというもの。これまでの内閣法制局見解は、憲法上の制約に照らして、集団的自衛権を持っているものの行使することには慎重だった。これを、憲法9条の解釈変更でOKにしようというのだから凄い。集団的自衛権とは、軍事同盟関係にある国が攻撃を受けた時に、軍事的に加勢に出かけるというもので、アメリカ軍が攻撃を受けた場合に日本の自衛隊も戦闘に赴くというものである。

 客観的には侵略でも、およそどの国も「自衛のため」に戦争を始める。あのイラク戦争も「アメリカを大量破壊兵器でテロ攻撃する準備をしているに違いない」という事実誤認に基づいた先制攻撃の論理で開始された。集団的自衛権の論理を適用すれば、同盟国がまさに攻撃を受けようとして反撃している「自衛の戦争」に自衛隊も参加できるということになる。ベトナム戦争に韓国軍が参加したのは、まさに集団的自衛権の論理であり、自衛隊がベトナム戦争に派兵されなかったのは憲法9条の制約を超えることができなかったからである。

この歴代政府の憲法解釈を180度転換しようというのである。こうした解釈を是とするならば、朝鮮戦争であれ、ベトナム戦争であれ、近くはイラク戦争に至るまで自衛隊は血を流すべきだったということになる。自衛隊の戦力とは自衛のためのものに徹していて、日本は専守防衛に徹しているという国是は全面変更される。毎日の新聞に「今日の戦死者」が掲載される時代になる。

 大きな戦闘や攻撃を受けて多くの自衛隊員の死傷者が出ることがあるかもしれない。されば、「憲法9条などまったく実態にあっていない。現実と乖離した憲法はただちに改正せよ」と煽り立てる声が大きくなるだろう。誰のために、何のために血を流し戦うのか。今のところ、ブッシュ大統領の軽率な超軍事大国のためでしかない。

 もはやイラクは内戦状態になってしまったという声がアメリカ国内からもあがっている。多数の屍の山が、手のつけようもない宗教・宗派衝突の爆発を起こしてしまったのだ。大義もなく、自衛でもなく、憎しみと流血が絶望的に広がる「テロとの戦い」は、イスラム原理主義を膨張させ「テロリスト」を増殖する。

そこに自衛隊を送り込むわけにはいかない。


http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/012c5d0a1f833d56a05302f1e4246fd2

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