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忍び寄る警察国家の影(白川勝彦)
http://www.asyura2.com/0601/senkyo26/msg/154.html
投稿者 heart 日時 2006 年 8 月 31 日 00:12:24: QS3iy8SiOaheU
 

(回答先: 小さな政府について国民が誤解していることが問題でしょうね。 投稿者 heart 日時 2006 年 8 月 31 日 00:07:53)

http://www.liberal-shirakawa.net/idea/policestate.html#readingより一部抜粋。

(前略)
★Due Process Of Law の精神

警察官というのは、名刺を出さないんですね。私が会った全部で8人の警察官の中で、私に名刺をくれたのは副署長さんだけでした。彼が私にくれた名刺にある標語が「好きだから 正義で守る この街を」でした。警視庁全体のものか、渋谷署だけの標語かは知りませんが、おおいに結構なことです。

しかし、正義とは何か。ここで問題になるのは、Due Process Of Law という考え方なのです。法の適正手続きなどと訳されますが、本来の意味はちょっと違うような気がします。国民の生命・身体・財産などに対する強制力の行使は、法が定める正当な手続きと方法に基づいて行なわれなければならないという、かなりポヂィティブな意味をもっている概念で、アメリカ法のもっとも基本的な理念のひとつです。

勝てば官軍とか、結果良ければすべて良しとか、長いものには巻かれろなどという言葉がある日本では、これはなかなか理解されない理念です。しかし、わが国が自由主義の国であるならば、絶対にないがしろにしてはならない理念なのです。今回私が遭遇した警察官には、この理念に対する理解がまったくないと断ぜざるを得ません。だからこそ、私は空恐ろしいと思ったのです。

Due Process Of Law は、正義です。特に警察権力の行使は、絶対的にDue Prcess Of Law の精神に基づいて行なわれなければなりません。わが国の警察権力や国家権力には、彼らが思っている程の信用はないのです。ですから、殊のほか Due Process Of Law が求められるのです。しかし、その自覚がもっともないのが警察官であり、検察官であり、官僚です。ですから、ちょっと油断するとわが国は、警察国家になり、官僚王国になってしまうのです。「権利のための闘争」…ドイツの法哲学者イェーリングの有名な言葉です。この“権利のための闘争"というビヘイビィアこそ、自由主義者としての私の発想と行動の原点です。

全体的国家では、人権など保障されません。国家は神聖かつ絶対な存在であり、国家の犯罪などという概念は、最初からありません。こういう社会では、国家の人権に対する犯罪は一般的であり、日常的に行なわれます。しかし、最低限の生存すら保障しえない北朝鮮は国民から見放されて、“脱北者"を多数生み出しています。こうした北朝鮮の現状を私たちは、不幸な他国のことといえるのか? といいたいのが、今回私が受けた職務質問なのです。

私が受けたような職務質問が公然と許されるようになれば、わが国は早晩警察国家となるでしょう。犯罪は現在よりも摘発が楽になるでしょう。治安も多少は良くなるでしょう。だが、私たちの人権は確実に侵され、私たちは国家に対して従順に生きていかなければなりません。テロとの戦争ということで、イラク国民を十数万人も殺したアメリカを公然と支持する小泉首相が率いる国家に、私たちはどうして従順に従わなければならないのでしょうか。私に対してあのような石頭的対応しかできなかった警察官のやることを、私たちはどうして素直に受け入れなければならないのでしょうか。少なくとも私はそういう社会には住みたくありません。日本をそんな国にはしたくないのです。
(以下略)

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