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□安倍新内閣 国益守るシステム築け 期待したい官邸の機能強化 [産経新聞・社説]
http://www.sankei.co.jp/news/060927/edi000.htm
■【主張】安倍新内閣 国益守るシステム築け 期待したい官邸の機能強化
衆参両院で安倍晋三氏が第90代首相に指名され、安倍内閣が発足した。52歳という戦後最年少で初の戦後生まれの首相の登場である。
組閣は、老壮青のバランスに配慮する一方、55歳の塩崎恭久外務副大臣を官房長官に抜擢(ばってき)するなど、戦後世代の積極登用を印象付けた。
また官僚トップである事務担当の官房副長官を政治任用とし、国家安全保障担当などの首相補佐官を創設した。首相官邸の機能を政治主導で強化しようという意欲的な試みである。
これらは安倍首相が掲げた「新たな国づくり」実現へ布石を打つと同時に強い意志を明確にしたものだ。安倍政権の前途は戦後体制見直しを訴えていることから平坦(へいたん)ではない。妥協することなく初心を大胆に貫いてほしい。
首相官邸の機能強化が求められているのは、国家戦略などの面で司令塔の存在が欠かせないためだ。
《財政再建どうする》
これまで各省から内閣官房に派遣された人たちは、出身官庁の利益代弁者的な色が濃かった。国益のために働くシステムは確立されていなかったといえる。今回、国家安全保障や教育改革などを担当する首相補佐官5人を起用したことは、官邸主導を強化する意味合いを持っている。
事務担当の官房副長官には、退官した官僚出身者が起用された。これまでは旧内務省系の旧自治、旧厚生両省、警察庁などの出身者から選ばれており、異例である。官僚の反発も予想されるが、国民の安全を守るため、司令塔を機能させることは急務だ。
小泉構造改革を継承する安倍政権の最も重要な課題である財政再建はどうか。小泉純一郎前首相は深刻なデフレ下で就任し、かつ一時的デフレ圧力となる構造改革を行った。
このため、財政赤字の拡大防止に努める一方で、増税については「任期中は消費税を上げない」と自らの手を縛った。結局、国債残高は国内総生産(GDP)を上回るまでに膨張、歳出・歳入一体による財政再建を次期政権以降に委ねざるを得なかった。
しかし、安倍氏とその周辺は自民党総裁選以前から、成長と歳出削減による財政再建を強調し、増税論議は時期尚早と封印してきた。安倍首相が「税制抜本改革の論議は来秋から」としていることから、来夏の参院選を意識しているのは間違いない。
先の「骨太の方針」は、増税なしで2011年度の基礎的財政収支黒字化目標を達成するのは困難としており、極めて残念である。せめて自ら強調する歳出削減は徹底せねばなるまい。
それには最大の歳出項目である社会保障費の抑制と2番目の地方交付税の削減が欠かせない。しかし、安倍政権は小泉改革の負の側面と指摘される格差是正と地方活性化を掲げる。
確かに格差の固定化があるとすれば好ましくないし、地方の活性化も必要だが、景気の回復でこうした矛盾はかなり吸収されつつある。下手をするとばらまきにつながり、経済社会の活性化を逆に阻害する恐れもある。
成長政策にも同じことがいえる。財政出動に頼った政策に効果がないことは、小泉政権以前の失敗が証明している。財政規律が緩めば、後で増税幅が拡大する。それを国民が知っていることを忘れてはならない。
《旧来手法に戻るな》
一方、首相は内閣・党の中枢に50代などの戦後世代を並べた。塩崎氏に加え、53歳の中川昭一政調会長、49歳の石原伸晃幹事長代理などだ。首相自らが小泉前首相に抜擢されたことを踏まえ、ポスト安倍に向けて競争させる狙いもあるのだろう。
残念だったのは、青木幹雄参院自民党議員会長が提示した参院枠2人の推薦をそのまま受け入れたことだ。安倍氏は「参院は派閥ではない」と語ったが、その前に「参院が挙げてきた人を自動的に決めることにはならない。こちらの考え方もある」と説明していただけに苦しい。年功序列や当選回数による順送りという旧来型の自民党手法をどう見直すかは今後の課題だ。
国民の多くは、北朝鮮問題への対応にみられた首相の毅然(きぜん)とした姿勢を支持している。仕事師内閣として日本が抱える懸案を処理し、構想力と気概を持って国の基礎を固めてほしい。
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