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『週刊ダイヤモンド』の今週号(09/02号)に次のようなコラムが載っている。安倍晋三氏が出版した『美しい国へ』(文春新書)のデタラメさを批判するものだ。
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不勉強か曲解か次期首相にほぼ確定した安倍晋三官房長官は、政権公約の柱に教育改革を掲げた。近著『美しい国へ』(文春新書)でも一章を割き、英国サッチャー政権のラディカルな改革をモデルとして讃えている。彼は、「サッチャーは、植民地政策が生んだ自虐史観の偏向教育を是正し、また、現場の自主性尊重を転換、国定カリキュラムを作り、全国共通学力テストを実施、さらに女王直結の学校査察機関を設立、学校別の評価を公表した。この改革をブレアが引き継ぎ、自らの成果とまで自負している」と書く。
愛国教育に加え、中央集権と競争原理の改革を志向する安倍氏らしい。だが、間違っている。サッチャー改革では基礎学力は向上せず、教育機会格差は拡大し、放校、退学処分者が続出、彼らによる犯罪も増加した。教育の荒廃を止めたのはブレアで、教育機会の地域間格差、階層間格差の是正、いわば「落ちこぼれを出さない施策」に注力し、社会保障費を削ってまで教育予算を三割増やした。その成果は失業率の劇的改善に表れた。じつは、世界最高の教育先進国のフィンランドも同様の政策を先んじて徹底した。カネをかけた全国的教育水準向上が、最高の国力強化、社会保障政策なのだ。翻って、日本は社会保障費の手当てに追われ、義務教育の国庫負担を削減、教育機会格差は拡大に向かう。
これらの事実を安倍氏は書かない。不勉強か曲解か。その底の浅さが悲しい。(辻広雅文)
朝日新聞 2006/08/26 朝刊より
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なぜこういうところで「週刊ダイヤモンド」が書いたようなことが書けないのだろうか。これでは読者に資料や情報を提供しているというより、読者を騙していることになりはしないか。まるで両氏のCMを請け負っているだけの機関だ。
朝日新聞はこの日に限れば他に良い記事が2、3あるだけに残念なことだ。
話は変わるが、この「週刊ダイヤモンド」の今週号は他に“リストラ父さん フリーター息子 悲惨世代”という「格差:正社員 vs. 非正社員」の特集をやっており、政府や新聞が報じないびっくりするようなデータを列挙している。また、“規制緩和の「功」と「罪」”という特集もやっており、今の日本を知る資料の一つとして是非一読をおすすめしたい。
参考:
・日本でもテレビや冷蔵庫を持てない「年収180万円」社員が激増する (森永卓郎)
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