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http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060822k0000e070062000c.html
21年前、靖国神社に初めて公式参拝した中曽根康弘元首相が、公式参拝2代目?の小泉純一郎首相を「つまみ食い外交」と手厳しく批判している。片や先輩を立てようとしない現首相。片や後輩をコテンパンにやっつける元首相。丁々発止だ。
それにしても「戦略的な体系、長期的な見通しを持たないで、好みに合ったものだけを選択する。つまり、つまみ食い」(世界週報とのインタビュー)という中曽根さんの指摘は的を射ている。小泉さんはアメリカ一辺倒。多国間外交なんて見たこともない。実に見事な悪口である。
もともと、中曽根さんはコピーの天才だった。「戦後政治の総決算」という文句で点数を稼いだ。コピーに自信があるのだろう、このインタビューでは「マスコミも貧弱。小泉以下の知的レベル」とマスコミにもけんかを売っている。「小泉以下」というセリフ。優れたコピーである。
大きな声では言えないが、確かに貧弱な新聞は小泉さんに完敗している。大部分の新聞が靖国参拝に批判的な社説を掲げたが(産経新聞だけは支持)世論調査では50%以上の日本人が小泉さんを支持している。「参拝が何故悪い。これはこころの問題だ!」というセリフに多くの人が賛同した。(A級戦犯の合祀(ごうし)、遊就館の展示など「天皇陛下のための戦いは聖戦」とする靖国原理主義に反対の僕だが)小泉さんの勝因は素直に分析すべきだろう。
勝因は幾つもある。が、最大の決め手は「こころの問題」というコピーに隠されている。「こころ」という清らかなイメージを勝手に“小泉専用”にしてしまった。あの「改革なくして前進なし」と同じような手口である。
彼は議論するつもりはなかった。「問答無用! こころの問題だ」と言い続ける。どんな批判を受けようとも、黙って男は「こころの問題」で決然と立つ。そんな小泉さんは日本人好みだった。コピー勝ち、である。
小泉さんはかつて親しい人物に「オレはこころに入れ墨を入れた」と漏らした。けんかには負けない。
この中曽根・小泉ご両所のけんか心が、果たしてひ弱なポスト小泉の候補者にあるだろうか。
いやいや、そんなことより、小泉内閣の5年間に、すっかり牙を抜かれた新聞にけんか心は戻って来るか。新聞もたまには「こころの入れ墨」をチラッと見せるべきである。
(専門編集委員)
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