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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060815-00000008-ryu-oki
自衛隊勧誘のダイレクトメールに保護者ら困惑
住民基本台帳の閲覧制度を利用して自衛隊が毎年、卒業予定の高校生らに送っているダイレクトメールに、保護者らから苦情が出ている。住民基本台帳の閲覧制度は、個人情報の保護意識や営利目的での利用に対する批判が高まったことを受け、原則公開から原則非公開とする住民基本台帳法の政府改正案が国会に提出されており、専門家からは「今の流れに反する」との指摘もある。
住民基本台帳法の現行法(第11条)では市町村長に対して「何人でも」閲覧請求することができ、企業などがダイレクトメールを送るために閲覧制度を利用することも可能だ。
政府改正案は台帳を閲覧できるのは国と自治体の事務のほか、統計調査など公益性が高い場合や、公的団体による住民福祉のための活動で、市町村長が認める場合に限られ、自衛官の募集業務を「国と自治体の事務」に含めるかについて議論も予想される。
那覇市は自衛隊からの住民票閲覧申請を受け「案内を送ることは違法ではない」として4月中旬、那覇市内に住む1988年4月1日から89年4月1日までに生まれた約2000人分の氏名や住所、性別などが記載された住民基本台帳の閲覧を許可した。
しかし、那覇市情報公開・個人情報保護審査会の会長として住民基本台帳ネットワーク問題にも携わった永吉盛元弁護士は「自衛隊としては公務員を採用することだからいいと考えているだろうが、(採用活動は)個人のプライバシーを侵している」と指摘する。
自衛官の採用活動を行う防衛庁自衛隊沖縄地方協力本部によると、来春卒業予定の高校生に対するダイレクトメールの送付は毎年、企業などによる採用活動の解禁日となっている7月1日から実施している。スーツ姿の広報官が住民基本台帳から割り出した高校生らの自宅を一軒一軒回り、本人に手渡したり、ポストに入れるなどしており、発送件数は「年によって異なるが、1万件を超えることもある」(同協力本部)。
那覇市内の県立高校に通う息子に、ダイレクトメールが届いたという40代の母親は「息子は資料請求もしていないのに自衛隊からのダイレクトメールが届き、赤紙が来たみたいだと話していた。親としても不愉快だ」とまゆをひそめた。
同協力本部によると、ダイレクトメール送付に対する苦情は全国的にあり、県内では7月は3件あったという。
(琉球新報) - 8月15日9時55分更新
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