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元首相で社民党名誉党首の村山富市さんの「桐花大綬章」受章祝賀会に先日、お誘いを受けた。発起人は知事、県議会議長はじめ市長会や県商工会議所連合会、県商工会連合会の会長と、どちらかと言えば保守系の方々がズラリ。300人近い出席者も多くは自民党の支持者だろう。
あいさつでは自民党衆院議員の岩屋毅さんの話が印象に残った。村山さんに会うたびに「自民党がしっかりしてくれなくては」と激励されたというのだ。後日、村山さんに聞くと「あれは自社連立時代の話。軸になる自民党がしっかりせにゃと言ったまで。今の自民党はつまらん。外交はダメにするわ、規制緩和で格差は広げるわ」と切って捨てた。
安倍晋三さんの圧勝確実と言われる来月の自民党総裁選。「毅然(きぜん)とした」言動で人気は断トツの安倍さんだが、改憲を明言するタカ派ぶり、格差社会を招いた現政権の構造改革路線を踏襲する姿勢を危惧(きぐ)する人も多い。
折しも広島、長崎の惨禍に思いをはせる季節。しかし安倍さん、4年前にこんな発言をした。「大陸間弾道弾を持つことは憲法上、問題ではない」「1960年の首相答弁で、戦術核も憲法違反ではないとなっている」。国会で追及されると「政策としては持たない。法解釈としては持てる、と言っただけ」と釈明した。
先日のテレビ番組で前民主党衆院議員の藤井裕久さんがこの時の安倍さんの発言を捕らえ、首相としての資質に疑問を呈していた。日本は今では核拡散防止条約や核実験全面禁止条約を批准しており法解釈としても核は持てないはず、と。
この藤井さんは元自民党議員。74歳。村山さんと同じく戦争や戦後の窮乏を知る世代だ。かつての自民党はさまざまな派閥が政策を競い合い、憲法を意識して安保防衛政策は極端に走らず、それなりに弱者への目配りもあった。しかし今では戦争も貧しさも知らない「小泉チルドレン」が跋扈(ばっこ)、バランス感覚のある政治家が減ってしまった、というのが村山さんの嘆きではなかろうか。
自民党総裁選の選挙権は一般人にはない。党の国会議員と党員が「新首相」を選ぶ。平和と人権を政治理念に掲げてきた村山さんの受章を祝った県内の自民党関係者の方々には村山さんの言葉を心の片隅に、安易に勝ち馬に乗ることのない政策論議をお願いしたい。
<大分支局長・藤井和人>
8月8日朝刊
(毎日新聞) - 8月8日18時1分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060808-00000230-mailo-l44
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