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□「三位一体改革」大失敗で自治体破産が始まる [ゲンダイ]
http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=27297
【金子勝の天下の逆襲】
2006年7月11日掲載
「三位一体改革」大失敗で自治体破産が始まる
夕張市は黒字のまま破綻
先月、夕張市が「財政再建団体」に移行することを表明した。これは一種の自治体「破産宣言」である。05年の決算で288億円の一時借入金を抱え、それが返済不能になった。この一時借入金は銀行からの借り入れで、予算上は存在しない隠れ借金だった。
夕張市のケースは、決して特殊な事例ではない。この先、過疎地帯の市町村が次々に潰れていく恐れがある。例えば北海道では、道庁の調査によると、全179市町村のうち小樽市をはじめ53市町村が「財政再建団体」に転落する恐れがあるといい、すでに30の市町村が財政の非常事態宣言を出している。北海道だけでなく島根、鳥取、広島、岡山、長崎、高知など人口減少が続く県のなかには、かなり危険な市町村がある。
地方財政の最大の問題は、銀行の「不良債権問題」と同じ構造になっていることだ。表面の決算は黒字に見えても、隠れた所で借金が膨らんでいる。土地開発公社のような特殊法人や、工業団地のような特別会計、病院などの現業部門などで、巨額の赤字が“別会計”で累積しているのである。それが持たなくなり、突然、表面化する。表面化した時は、ニッチもサッチもいかなくなり、自治体が「破産」するという構図である。
しかも、そこへ地方交付税のカットが加わっている。これまで国は、地方自治体に対して、あとで地方交付税で借金の面倒を見てやると言って、自治体単独の公共事業をやらせてきた。それが手のヒラを返すように、地方交付税のカットに走り出したから、自治体の財政が圧迫されるのも当然である。
それもこれも、本来の「三位一体改革」が実現されていないためだ。大幅な税源移譲もしないまま、地方交付税の削減ばかりを優先する。また中央官庁は、国庫補助金そのものを残して補助率削減に明け暮れる。これでは、中央官庁の権限はますます強まり、地方財政が苦しくなっていく。このまま進めば、破産団体が続出しかねない。なのに、米国帰りの学者は「地方交付税を削れ」の大合唱である。一方、与党政治家は相変わらずの新幹線誘致だ。これでは、地方が持つわけがない。
住民はそれほど愚かではない。滋賀県知事選では「新幹線の駅建設反対」を訴えた新人が現職を破って当選し、東大阪市でも共産党候補が現職を破ったのも当然の成り行きだろう。自民党の皆さん、地元の市町村を次々潰そうとして当選すると思いますか?【金子勝・慶大教授】
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