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プール事故にも小泉“改革”の影 [観劇レビュー&旅行記と日記]
http://www.asyura2.com/0601/senkyo25/msg/174.html
投稿者 white 日時 2006 年 8 月 03 日 22:21:29: QYBiAyr6jr5Ac
 

□プール事故にも小泉“改革”の影 [観劇レビュー&旅行記と日記]

 http://blog.goo.ne.jp/junsky/d/20060803

プール事故にも小泉“改革”の影
2006-08-03/事件・事故

 埼玉県ふじみ野市の市営プールで、小学2年戸丸瑛梨香さん(7)が、吸水口に吸い込まれて死亡した事故について、安産管理を市から指定管理業者に丸投げしたうえ、その業者もさらに下請けに丸投げし、そのうえアルバイトに訓練を施すことも無く、安全マニュアルさへ渡さずに使っていた ことが判明した。

プール事故、監視員の大半が高校生 13人中11人 (朝日新聞) - goo ニュース
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/shakai/20060803/K2006080302410.html?C=S

 小泉内閣で、公共施設の運営管理を「指定管理者」という民間業者が行えるようになったが、その悪い側面がそのまま出てしまったという感じである。

 西日本新聞は、事故直後の8月1日に社説を出し、【指定管理者制度の趣旨広めたい】 と題して、
【 これまで自治体や外郭団体などが独占してきた公共的施設の運用管理を、民間事業者や民間非営利団体(NPO)など民間人の手法に委ねる「指定管理者制度」がそれです。
 この制度は、小泉改革が目指す「小さな政府」の柱となる施策の1つで、2003年9月の地方自治体法の改正でスタートしました。
 指定管理者制度を導入することで、経験豊富な民間人の知恵とノウハウを活用し、多様化する住民のニーズに対応し、より一層サービスを向上することができるでしょう。
 同時に、指定管理者制度にいち早く取り組み、約十数億円の削減効果を生んだ北九州市のように、経費の節減を図ることが期待されます。】

と、あからさまにコスト削減を謳っている。
 事故は、前日の昼過ぎに起きており、この社説には、充分この事態を反映できる時間があったにも関わらず、民間“ノウハウ”の活用とコスト削減を率先して「主張」するとは、何と言う感覚であろうか! 
西日本新聞の常識を疑わざるを得ない。

 何か、民間に任せれば全てバラ色かのような言い方である。

 しかし、ここで言う【経験豊富な民間人の知恵とノウハウ】というものが、たいていの場合において、労働を非正規雇用(パート・アルバイト・派遣・短期契約社員)に置き換えてコストを削減することであることは、これまでの実態から明らかである。

 その民間の“ノウハウ”というものが、冒頭に挙げた事態であり、プールと言う一つ間違えれば危険を伴う施設の監視を訓練も受けていないアルバイト(13人のうち11人が高校生の『夏休みバイト』)にやらせるというヒドイのものである。

 上のリンクからasahi.comの記事を読んでいただければよいのだが、安全に対してこんなにズサンであったのかと思わせる事態である。
 この結果も小泉“改革”がもたらした負の遺産である。
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▽関連記事

□プール事故、監視員の大半が高校生 13人中11人 [朝日新聞]

 http://news.goo.ne.jp/news/asahi/shakai/20060803/K2006080302410.html?C=S

プール事故、監視員の大半が高校生 13人中11人
2006年 8月 3日 (木) 15:03

 埼玉県ふじみ野市の市営プールで小学2年戸丸瑛梨香さん(7)が吸水口に吸い込まれて死亡した事故で、当時プールにいたアルバイトの監視員13人のうち11人が高校生で、大半は吸水口の危険性を認識していなかったことが埼玉県警の調べでわかった。また、管理会社と市の契約で求められていた監視員への講習会についても、受けていないと複数の元監視員が証言しており、ずさんな管理運営の実態が浮かび上がった。

 県警の調べでは、事故当日の7月31日、プール施設内にはプールを実質的に管理運営していた「京明プランニング」(さいたま市)が採用した高校生11人と20代2人の計13人のアルバイト監視員と社員(36)がいた。午後1時半ごろ、流水プールの吸水口のさくが外れていたのが見つかった後、アルバイトの監視員数人が社員に連絡などをしている間に瑛梨香さんは吸い込まれた。

 同社の説明によると、A4判8枚の管理マニュアルを現場責任者に配布し、責任者がアルバイトの監視員に口頭で説明していたが、吸水口など流水プールの構造に関する項目はなかった。

 また、市との契約では監視員は日本赤十字社などの講習会を終了したものや、経験者を適切に配置することが求められていた。市は昨年から業者側に講習会の受講を証明する書類の提出を求めていたが、いまだ提出されていないという。

 昨年まで3年間、事故のあったプールで監視員のアルバイトをしていたふじみ野市の女性会社員(18)によると講習会は受けたことがなかったという。採用面接の際、水泳経験や救助の知識を尋ねられることはなかったといい、女性に「私は泳げない」などと話す監視員もいたという。

 業務について、飛び込んだり、プールサイドを走ったりする客を指導するように言われたが、問題が起きた際の対応については「とりあえず監視棟に連絡しなさい」と指導されていたという。

 県内の別のプールで監視員をしていた同社の元契約社員は「管理マニュアルはもらっておらず、私が個人的に作ってアルバイトに教えた」と説明する。


□指定管理者制度の趣旨広めたい 月のはじめに考える [西日本新聞]

 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/column/syasetu/20060801/20060801_001.shtml

社説

指定管理者制度の趣旨広めたい 月のはじめに考える

 「もう少し遅くまで開いていれば、仕事帰りに立ち寄れるのに」「興味をそそられる催しが少ない」
 あなたは、プールや図書館、公民館など「公の施設」の運用面で、こうした不満を抱いたことはありませんか。
 公共的な施設は、住民にとって必要な物と言えるでしょう。しかしどの施設も画一的な運用がなされがちで、価値観が多様化する利用者のニーズをくみ取っているとは言えないようです。
 そこで、公共的な施設をもっと利用者の望む視点から「改革」していこうという流れが、いま全国の自治体で起こっています。
 これまで自治体や外郭団体などが独占してきた公共的施設の運用管理を、民間事業者や民間非営利団体(NPO)など民間人の手法に委ねる「指定管理者制度」がそれです。
 この制度は、小泉改革が目指す「小さな政府」の柱となる施策の1つで、2003年9月の地方自治体法の改正でスタートしました。
 指定管理者制度を導入することで、経験豊富な民間人の知恵とノウハウを活用し、多様化する住民のニーズに対応し、より一層サービスを向上することができるでしょう。
 同時に、指定管理者制度にいち早く取り組み、約十数億円の削減効果を生んだ北九州市のように、経費の節減を図ることが期待されます。
柔軟な催しを展開
 「官から民」への流れを加速させる指定管理者制度の導入は、施行から3年間の経過措置が設けてあります。そのため、9月1日までに自治体の直営とするか、指定管理者制度に移行する必要があるのです。
 9月の完全移行を控え、指定管理者の選定がヤマ場を迎えている自治体もあるこの時期に、あらためて制度について考えてみたいと思います。
 自治体の大半は今年4月から導入したばかりでまさに過渡期と言え、現段階で効果の程を尋ねるのは酷と言えるでしょう。
 しかし、早くも柔軟な発想で事業を展開しているところがあるのです。
 毎年8月1日に行われる福岡の夏の風物詩「西日本大濠花火大会」に併せてユニークな催しを企画したのが、福岡市の大濠公園能楽堂です。
 花火が打ち上げられる直前まで能を堪能してもらい、その後にお弁当を食べながら、庭園などで花火を楽しんでもらうという心憎い催しなのです。
 国指定重要文化財である近代遺構に親子で親しんでもらえるような企画を打ち出しているのが、「万田炭鉱館」(熊本県)を任されたNPO「大牟田・荒尾炭鉱のまちファンクラブ」です。万田坑を熟知するガイドの説明が来場者の好評を博しています。
 一方で、残念ながら管理者の選定をやり直す再公募や追加公募が各地で頻発しています。採算面などを理由に応募団体が辞退しているのです。
 背景には、拙速に民間へ移管している自治体側の姿勢にあるでしょう。移管の準備期間が短く、内容が不十分なまま民間へ移管しているのではないでしょうか。
 また委託された民間側には、公共的施設の運用管理の経験やノウハウが乏しいようです。公共サービスを担うという自覚と責任が求められます。
 これから民間に委託する際は、部分委託などの方法を検討したいものです。民間人が順当な運営ができるまでの経験を得るまでじっくり時間をかけても良いのではないでしょうか。
 「文化の拠点」である図書館で、制度の問題点が浮き彫りとなっているようです。全国的に図書館は民営化が進んでいますが、利用者から「人件費削減で経験豊かな司書が少なくなった」「人気作家の本ばかりが並んでいる」といった声が漏れています。
 せっかく民間の能力をフルに活用する制度がスタートしたのです。官民が対等な立場で制度を軌道に乗せるために何が求められているのでしょうか。
透明性を確保したい
 住民サービスと密接にかかわる公共的な施設の運用管理先の選定は、透明性や公平さが厳正に求められるのは言うまでもありません。
 公平な選定が実施されるよう制度導入時のチェックリストを作成し、選定委員会に外部委員を含めることや公募の周知期間、選定結果の公表などを細かく定めることが不可欠です。
 さらに、指定管理者の「指定期間」の設定については、一律に施設を同様に扱うことなく、施設の特性を踏まえ、施設のミッションや役割などを十分に検討した上で設定することが求められます。
 数年後に委託先となる団体が変更した場合、前任団体との円滑な引き継ぎや施設運営の継続性などの問題も出てくるでしょう。
 指定管理者制度の成否は自治体の取り組みが鍵を握っています。経済効率ばかりが重視され、公共サービスの質が損なわれては本末転倒となりかねません。
 サービスの質を維持するためにも、行政側がどう監視していくのかが、今後問われています。情報公開や第三者機関などの仕組みを早急に確立したいものです。
 =2006/08/01付 西日本新聞朝刊=
2006年08月01日10時32分

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