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合祀、国が仕切り役 都道府県別にノルマ(朝日新聞)【国家責任を追及し、靖国神社は解体すべきだ!】
http://www.asyura2.com/0601/senkyo24/msg/529.html
投稿者 happyblue 日時 2006 年 7 月 29 日 09:37:44: BaRfZQX6fAfSk
 

@合祀、国が仕切り役 都道府県別にノルマ(朝日新聞)
2006年07月29日08時35分

 日本が1952年に独立を回復して間もない時期に、国の管理下から一宗教法人として再出発した靖国神社の合祀(ごうし)事務は「国家プロジェクト」として動き始めた。国主導の合祀事務について旧厚生省が検討した原案のほかにも、都道府県にあてた一連の通知を朝日新聞社は入手した。そこから浮かび上がるのは、新憲法の政教分離原則との間で緊張関係をはらみながら、国と靖国神社、都道府県が共同で一大事業を進める姿だった。

 「合祀予定者の数は概(おおむ)ね20万人とし、各都道府県別の合祀予定者は別紙のとおりとする」

 独立回復から4年たった56年夏、厚生省は翌年春の靖国神社の例大祭に備え、何人を合祀するか都道府県に「ノルマ」を課した。8月8日付の引揚援護局長名の通知「援発三〇四六号」だ。

 停滞していた合祀を進めるため、この年から国と地方自治体が一体となって進めた3年計画の一環だった。10月末、11月末、12月25日と締め切りを3回設け、都道府県から年内に計20万人の合祀予定者を集める目標を掲げていた。

 この年の初め、全国戦没者遺族大会が開かれ、靖国神社を国の管理下に置く「国家護持」要求が決議されている。その後の10年にわたる運動が本格化する年でもあった。

 3年計画にあたり、新たな合祀の仕組みが編み出された。都道府県の担当者は戦没者の氏名や階級、本籍、生年月日、死亡時の所属部隊や死亡年月日などを「祭神名票」というカードに記入。それを厚生省経由で靖国神社に送り、その戦没者を例大祭の時期に「祭神」として合祀する――。

 同じ8月8日付で引揚援護局復員課長から出された通知「復員五八八号」は、「合祀予定者数は各都道府県別割当数の10%以内の増減は差し支えない」「靖国神社の作業の関係もあり、特に期限を厳守すること」と細かな注文をつけていた。

 都道府県によっては作業が停滞したところもあった。57年6月6日付の復員課長名の通知では、「示された合祀予定者の数に達するよう努力されたい」と「ハッパ」をかけた。通知は同時に靖国神社にも送られた。

 靖国神社が創立100年を迎えた69年。3月3日付の援護局調査課長名の通知は、都道府県の担当課長にこう指示した。

 「(靖国神社は)今秋創立百年記念の祭儀を実施する計画であり、終戦後24年を経過していることなどの関係からも、同社としてはこの際、戦没者の合祀については一段落したい意向である。都道府県においては祭神名票はその全部を提出するようご配慮願いたい」

 かつて陸海軍省が管轄した靖国神社は戦後、国の管理を離れたが、その意向を重視した通知だった。

 こうした合祀事務は87年3月まで続いたとされる。今も合祀は行われているが、遺族の神社への問い合わせで合祀漏れがわかったケースなどが多いという。

     ◇

 「もともと、靖国神社は軍の機関ですよ。厚生省は軍の残務整理をするところで、軍の業務を継承する私たちが戦没者の調査票を作って、靖国神社に送るのは当然でしょう。私も不肖の身をもって処理にあたりました」

 旧厚生省援護局で靖国神社に旧陸軍関係の「祭神名票」を送る仕事を担ったのは復員課(後に調査課)。その課長経験者の90代男性はこう当時を振り返った。

 敗戦後の45年11月30日に陸海軍省は廃止され、かつて軍が行ってきた靖国神社の合祀事務は、陸軍関係の「第1復員省」と海軍関係の「第2復員省」にそれぞれ引き継がれた。48年5月に厚生省に統合され、同省が担当することになる。

 この男性が調査課に配属された時には、祭神名票を使った合祀の仕組みは出来上がっていた。そして66年2月、調査課長名で靖国神社調査部長あてにA級戦犯の祭神名票が送られる。

 「どんな議論があったのか」との質問に、男性はこう答えた。「そこまでは知りません。(戦犯は)国内的には公務死として認められているから、靖国神社に名簿を送るのも事務屋として当然のこと。だれをまつるかを決めるのは、靖国神社の崇敬者総代会の判断ですから」

 海軍出身で援護局で復員業務にあたった千葉県内の男性(92)は48年に海外から引き揚げ、厚生省の呉地方復員部で仕事を始めた。未復員者の調査をし、生存、戦死、戦病死の整理をすることが担当だったという。

 「死亡が判明すると戦死公報を作り、関係都道府県に送ると同時に、靖国神社にも一緒に配っていたというのが海軍の実情。終戦前からの習慣のようなものでした」

 陸軍関係では戦没者の調査は地方自治体が担ったが、海軍関係では厚生省や出先機関の地方復員部で行っていたといい、合祀事務のシステムが違っていたとされる。

 戦後、憲法に政教分離の原則が導入された。だが、合祀事務に携わった担当者の意識は、戦前から途切れずに流れていたようにみえる。

http://www.asahi.com/national/update/0728/TKY200607280688.html

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