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この小文の目的は、「ユダの福音書」が解読されたことにちなみ、旧約聖書創世記における所謂「原罪」について解明をこころみることにある。
本当は、
「善悪の知識の木」とは何を指すか。
「命の木」とは何を指すか。
「食べるによいものをもたらすあらゆる木」とは何を指すか。
「エデンの園」とは何を指すか。
「失楽園」とは何を指すか。
「蛇」とは何を指すか。
「アダム・イブ」は何を行ったか。
所謂『神』は追放した彼らのその後に何を期待したのか。
寓話としての原罪・失楽園の話は、どのような歴史的事実を例えたものであったのだろうか。
以上について述べたいと思う。
創世記の記述を参考として下に紹介しておくが、話のよくわかっている方は飛ばしていただいて、その下から展開する私の記述に目を向けていただいてよい。
http://www.is.seisen-u.ac.jp/~zkohta/bible/old_t/1/gen.html
主なる神は、土(アダマ)の塵で人(アダム)を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた。人はこうして生きる者となった。
GEN02:08 主なる神は、東の方のエデンに園を設け、自ら形づくった人をそこに置かれた。
GEN02:09 主なる神は、見るからに好ましく、食べるに良いものをもたらすあらゆる木を地に生えいでさせ、また園の中央には、命の木と善悪の知識の木を生えいでさせられた。
GEN02:10 エデンから一つの川が流れ出ていた。園を潤し、そこで分かれて、四つの川となっていた。
GEN02:11 第一の川の名はピションで、金を産出するハビラ地方全域を巡っていた。
GEN02:12 その金は良質であり、そこではまた、琥珀の類やラピス・ラズリも産出した。
GEN02:13 第二の川の名はギホンで、クシュ地方全域を巡っていた。
GEN02:14 第三の川の名はチグリスで、アシュルの東の方を流れており、第四の川はユーフラテスであった。
GEN02:15 主なる神は人を連れて来て、エデンの園に住まわせ、人がそこを耕し、守るようにされた。
GEN02:16 主なる神は人に命じて言われた。 「園のすべての木から取って食べなさい。
GEN02:17 ただし、善悪の知識の木からは、決して食べてはならない。食べると必ず死んでしまう。」
GEN02:18 主なる神は言われた。 「人が独りでいるのは良くない。彼に合う助ける者を造ろう。」
GEN02:19 主なる神は、野のあらゆる獣、空のあらゆる鳥を土で形づくり、人のところへ持って来て、人がそれぞれをどう呼ぶか見ておられた。人が呼ぶと、それはすべて、生き物の名となった。
GEN02:20 人はあらゆる家畜、空の鳥、野のあらゆる獣に名を付けたが、自分に合う助ける者は見つけることができなかった。
GEN02:21 主なる神はそこで、人を深い眠りに落とされた。人が眠り込むと、あばら骨の一部を抜き取り、その跡を肉でふさがれた。
GEN02:22 そして、人から抜き取ったあばら骨で女を造り上げられた。主なる神が彼女を人のところへ連れて来られると、
GEN02:23 人は言った。 「ついに、これこそ わたしの骨の骨 わたしの肉の肉。 これをこそ、女(イシャー)と呼ぼう まさに、男(イシュ)から取られたものだから。」
GEN02:24 こういうわけで、男は父母を離れて女と結ばれ、二人は一体となる。
GEN02:25 人と妻は二人とも裸であったが、恥ずかしがりはしなかった。
主なる神が造られた野の生き物のうちで、最も賢いのは蛇であった。蛇は女に言った。 「園のどの木からも食べてはいけない、などと神は言われたのか。」
GEN03:02 女は蛇に答えた。 「わたしたちは園の木の果実を食べてもよいのです。
GEN03:03 でも、園の中央に生えている木の果実だけは、食べてはいけない、触れてもいけない、死んではいけないから、と神様はおっしゃいました。」
GEN03:04 蛇は女に言った。 「決して死ぬことはない。
GEN03:05 それを食べると、目が開け、神のように善悪を知るものとなることを神はご存じなのだ。」
GEN03:06 女が見ると、その木はいかにもおいしそうで、目を引き付け、賢くなるように唆していた。女は実を取って食べ、一緒にいた男にも渡したので、彼も食べた。
GEN03:07 二人の目は開け、自分たちが裸であることを知り、二人はいちじくの葉をつづり合わせ、腰を覆うものとした。
GEN03:08 その日、風の吹くころ、主なる神が園の中を歩く音が聞こえてきた。アダムと女が、主なる神の顔を避けて、園の木の間に隠れると、
GEN03:09 主なる神はアダムを呼ばれた。 「どこにいるのか。」
GEN03:10 彼は答えた。 「あなたの足音が園の中に聞こえたので、恐ろしくなり、隠れております。わたしは裸ですから。」
GEN03:11 神は言われた。 「お前が裸であることを誰が告げたのか。取って食べるなと命じた木から食べたのか。」
GEN03:12 アダムは答えた。 「あなたがわたしと共にいるようにしてくださった女が、木から取って与えたので、食べました。」
GEN03:13 主なる神は女に向かって言われた。 「何ということをしたのか。」 女は答えた。 「蛇がだましたので、食べてしまいました。」
GEN03:14 主なる神は、蛇に向かって言われた。 「このようなことをしたお前は あらゆる家畜、あらゆる野の獣の中で 呪われるものとなった。 お前は、生涯這いまわり、塵を食らう。
GEN03:15 お前と女、お前の子孫と女の子孫の間に わたしは敵意を置く。 彼はお前の頭を砕き お前は彼のかかとを砕く。」
GEN03:16 神は女に向かって言われた。 「お前のはらみの苦しみを大きなものにする。 お前は、苦しんで子を産む。 お前は男を求め 彼はお前を支配する。」
GEN03:17 神はアダムに向かって言われた。 「お前は女の声に従い 取って食べるなと命じた木から食べた。 お前のゆえに、土は呪われるものとなった。 お前は、生涯食べ物を得ようと苦しむ。
GEN03:18 お前に対して 土は茨とあざみを生えいでさせる 野の草を食べようとするお前に。
GEN03:19 お前は顔に汗を流してパンを得る 土に返るときまで。 お前がそこから取られた土に。 塵にすぎないお前は塵に返る。」
GEN03:20 アダムは女をエバ(命)と名付けた。彼女がすべて命あるものの母となったからである。
GEN03:21 主なる神は、アダムと女に皮の衣を作って着せられた。
GEN03:22 主なる神は言われた。 「人は我々の一人のように、善悪を知る者となった。今は、手を伸ばして命の木からも取って食べ、永遠に生きる者となるおそれがある。」
GEN03:23 主なる神は、彼をエデンの園から追い出し、彼に、自分がそこから取られた土を耕させることにされた。
GEN03:24 こうしてアダムを追放し、命の木に至る道を守るために、エデンの園の東にケルビムと、きらめく剣の炎を置かれた。
(引用は以上)
始めに上げた項目ごとに語っても良いのであるが、わかり易い様に一連の物語として歴史的事実を想像し、その中で項目ごとについて触れる形をとってゆきたい。
先ず、アダム・イブ(一人の人との見解もあるが、ここでは取りあえず創世記に従って男女として扱ってゆきたい)は歴史的実在の人物達として、メソポタミヤ文明の栄えた地域において何時の時代かの特定は今のところは出来ないが、文明生活を生きるものとして統治者、指導者達として存在した人達であろう。
アダム・イブが欧州等の絵画において無花果の葉で前を覆っただけの「真っ裸の男女」として描かれている為に、物語を人間の原始的生活を語ったものして捉えられ事が多かったのであろうが、これは誤解であろうと考える。
実は、寓話として一つの文明と其処に生じた精神生活の劇的変化、それを切っ掛けとして、原因としてもたらされたところの文明秩序の崩壊、解体により生じた人々の流民化・難民化を表わしているものであろうと考える。
「エデンの園」とは当時の文明秩序である。
その秩序は神(解かりにくいから上長・神とする)により準備されていたものと考えられる。
アダム・イブが自分達で開発・発明して準備したものとは書かれていない。
「果実をもたらす様々な木」を置いたのは神・上長とされているのだ。
これらの「木」とは、作物として栽培される草・木であり、さらにその栽培技術であり、生活物資を産み出す技術の事を指していると思われる。
特別な二本の木「善悪の知識の木と生命の木」とは、
政治的統治の思想と方法に関するものであり、
「取って食べてはいけない」と神・上長が言ったのは、
その地域の統治が最終的責任と意思が神・上長によってなされていたからであろう。
つまり、「二本の木」は神・上長の領分にあって、神・上長が扱うものであったのだろう。
高度な機械は不慣れな者が扱えば事故が発生する。
ここに親がいたとする。また子供がいたとする。この両者に「明日から役割を入れ替わって生活しろ」と言っても、彼らにはそれは出来ない。これと同じ事である。
従って、神・上長は「善悪の知識の木の実」を食べるなと言ったのである。
アダム・イブには「善悪の知識の木」も「命の木」も扱う力量がなく、その事を神・上長はよく知っていた。
古代の政治は総て「神政政治」の形を採っていた。それは表面化してはいないだけで現在でも変わらない。何らかの指導的原理に従って政治はなされているのである。
アダム・イブは「蛇に象徴される神」を祀り、それに従い「善悪の知識の木の実」即ち政治統治の方法を使って統治を行おうとしたのであろう。
これは、神・上長の領分の物を勝手に使うものであったから危険極まりないものであったはずだ。恐らく、統治は暴走に走ってホコロビを生じ、破滅に至ったものと考えられる。
イブが蛇に誘惑されたとあるのは、恐らく巫女としてイブを扱っており、彼女が「蛇」を祀ったという事であろう。アダムは現実政治・統治を行ったのだろう。
さらに、「命の木」とは何かであるが、それは具体的には解り難いが、それは「権力の生命を保障するもの」であろう。「命」とは「権力の命」であろう。古今東西、王朝は消滅している。王朝の命には限りがある。しかし、この命を保障するものを得た権力は永続するであろう。神・上長はアダム・イブが思い上がってこれにまで手を出そうとすれば、しかも神・上長の部下たる「蛇」を祀る事によりそれを行おうとすれば人間社会の混乱は甚だしく、しかも原罪を悔いて戻り来ることも不可能になるつまり即破滅を招くとして、「命の木」を護ったのであろう。
創世記において、先ず蛇を誘惑者として非難し、次にイブを誘惑に従った者として非難し、アダムを非難せず責任を問う書き方が行われていないのは何故であろうか?
地位的順序としては、蛇が最も位が高く、巫女が次ぎにあり、現世的統治者は最下位にあるから、その意味では順当であるとも言えるが、アダムの責任を問わないのはおかしいと考えるべきである。
しかし、その叙述はわざとなされたものではあるまいか。
つまり、「過ちは問わない。原罪を悔い改めて本来の姿に戻れば許す事は出来るし、破滅を迎える事は無い」との意味を込めて厳しく責任を問うていないように思えるのだ。
神・上長が蛇を厳しく扱う事は無い筈だ。蛇はアダム・イブよりも神に近いところにいるものと考えられているからだ。
ところがアダムの責任を問うている書物もある、クルアーン(コーラン)では次のように語られている。
「ター・ハー」メッカ啓示、全135節に次のようにある。
『さて我ら(アッラー)はずっと以前にもアーダム(アダム)と契約を取り結んだ事がある。しかし、彼は忘れてしまった。どうもあの男にはしっかりしたところがなかった。 (中略) 二人がその(実を)食うとたちまち、自分達の陰部が見え出したので…』(井筒俊彦訳、岩波文庫版より)
この様にして、精神生活の大変化により、古代文明秩序が崩壊し住民は流民化・難民化したのであろう。
ちなみにクルアーンでは古代エジプト文明の崩壊と遠因について何度も熱く語っている。
キリストにおいては何故、ユダでなければならなかったのか? 『ユダ書』解読進む。(その2)
http://www.asyura2.com/0601/senkyo20/msg/1355.html
投稿者 新世紀人 日時 2006 年 4 月 19 日 13:30:48: uj2zhYZWUUp16
キリストにおいては何故、ユダでなければならなかったのか? 『ユダ書』解読進む。(その2)
http://www.asyura2.com/0601/senkyo20/msg/1355.html
投稿者 新世紀人 日時 2006 年 4 月 19 日 13:30:48: uj2zhYZWUUp16
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