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http://blog.goo.ne.jp/hiroura3993/e/47a75ec0da59775711ba5dd4871a5622 から転載。
憲法9条を世界遺産に
『すばる』という雑誌がある。文芸誌というんだろう。PC関連の雑誌の隣が文芸誌で、何気なく見ていたら、本の表紙に中沢新一―太田光 憲法9条を世界遺産に というタイトルがある。8月号です。少し立ち読みしてみたらこれは面白いと買ってしまった
爆笑問題の太田光である。大まじめである。中沢新一とは何物かは知らない。ふたりの対談であるが中沢新一という人物、大変な博識のようだが、そのひけらかしに終始して辟易するし、胡散臭い。この人のしゃべったことは一切無視して太田光の部分だけ、印象に残ったところを紹介したい。
太田光はただ者ではない。
「『太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中』という番組が今年から始まったんです。ぼくがいろんなマニフェストを出して、それについて自民党・民主党の若手議員、政治評論家、タレントなどと討論するという番組です。そのマニフェストの一つに僕は「憲法九条を世界遺産にする」という。テーマを出した。… この憲法を世界遺産にすること、僕は結構本気で考えているんです。」
「最初はジョン・ダワーの『敗北を抱きしめて』(岩波書店)を読んだときですね。この本で、日本国憲法ができたときの詳しい状況を知って、ああこの憲法はちょっとやそっとでは起こりえない偶然が重なって生まれたのだなと思ったんです。戦争していた日本とアメリカが戦争が終わったとたん、日米合作であの無垢な理想憲法を作った。時代の流れからして、日本もアメリカもあの無垢な理想に向かい合えたのはあの瞬間しかなかったんじゃないか。日本人の十五年も続いた戦争に嫌気がさしているピーク感情と、この国を二度と戦争をさせない国にしようというアメリカの思惑が重なった瞬間に、ぽっとできた。これはもう誰が作ったとかいう次元をこえたものだし、国の境すら超越した合作だし、奇跡的な成立の仕方だなと感じたんです。アメリカはまた五年後の朝鮮戦争でまた振り出しにもどっていきますしね。僕は日本国憲法の誕生というのはあの血塗られた時代に人類が行った一つの軌跡だと思っているんです。この憲法は、アメリカによって押しつけられたもので、日本人自身のものではないというけれど僕はそうは思わない。この憲法は敗戦後の日本人が自ら選んだ思想であり生き方なんだと思います。」
「改憲すべきだと言う人が、自分の国の憲法は自分の国で作るべきだと、よく言います。でも僕は、日本人だけがつくったものでないからこそ価値があると思う。あのときやってきたGHQと、あのときの日本の合作だから価値があると。アメリカとしては、あの憲法を日本に与えて実験的な国をつくってみようという意図があったのかも知れない。だから、あそこまで無邪気な理想論が生まれたのでしょう。アメリカのああいう無邪気なセンス、僕は大好きなんです。僕はふだん反米的なことも言ってるけれど、日本国憲法を見ると、改めてアメリカっていいなと思うんですね。
といって、あの憲法をアメリカが持ち帰って、自国の憲法にしようとしてもアメリカ人が守れるわけがない。価値があるのは、日本人が曲がりなりにも、いろんな拡大解釈をしながらも、この平和憲法を維持してきたことです。あの憲法を見ると日本人もいいなと思えるしアメリカ人もいいなと思える。すごくいいことじゃないですか。
その奇跡の憲法を、自分の国の憲法は自分でつくりましょうという程度の理由で変えたくない。少なくとも僕は、この憲法を変えてしまう時代の一員でありたくない。」
「もう一つ素晴らしいのは、憲法九条って読んでみると、本当にわかりやすいですね。あの文言は中学一年生が読んでもわかる。
誤解しようがないし、わかりにくかったり難しいところがない。それに加えて、戦後六十年、ずっと維持してきた実績もあると思います。日本がこの憲法をずっと持ち続けてきたことが歴史なんです。戦前世代人間は、あの憲法はアメリカがつくったから違和感があると言う。でも僕は、生まれたときから四十一年間、あの憲法の中で生きてきたわけです。それを簡単に変えるな。俺の生きてきた歴史でもあるんだぞと。」
「僕らお笑いの人間は、面白いか、つまらないかを一つの判断基準にしています。漫才で、芸人がどれだけ頑張ってみせても、人が笑わなければ何の価値もない。面白のかつまらないのか、その笑いの判断基準でいえば憲法九条を持っている日本の方が絶対面白いとおもうんです。これは確信できます。
無茶な憲法だといわれるけれど、無茶なとところへ進んでいくほうが、面白いんです。そんな世界は成立しない、現実的じゃないといわれようと、あきらめずに無茶に挑戦していく方が生きてておもしろいじゃって思う。
憲法九条というのは、ある意味人間の限界越える挑戦でしょう。たぶん、人間の限界は九条の下にあるのかも知れない。それでも挑戦していく意味はあるんじゃないか。今この時点では絵空事かも知れないけれど、世界中が、この平和憲法を持てば、一歩進んだ人間になる可能性もある。それならこの憲法を持って生きていくのは、なかなかいいもんだと思うんです。
僕らが闘うべき相手がなになのかはわからない。人間のつくり出した神という存在なのかもしれないし、人の心に住む何かなのかも知れない。その何かが、いつも人間に突きつけてくるわけです。人間はしょせん死んでいくものだ。文明は崩壊していくものだと。たとえそうであっても、自分が生まれて、死ぬまでは、挑戦していくほうにベクトルが向いていないと面白くないと思うんですよ」
すごいやないですか!
少なくとも僕は、この憲法を変えてしまう時代の一員でありたくない。
生まれたときから四十一年間、あの憲法の中で生きてきたわけです。それを簡単に変えるな。俺の生きてきた歴史でもあるんだぞと。
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