★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK24 > 234.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
皆さん、こんにちは。木村剛です。「貞子ちゃんの連れ連れ日記」さんが、「橋本龍太郎氏が亡くなられた。享年六十八。橋本龍太郎氏の経済政策は間違っていなかった。いや『正しかった』と私は今でも信じている」と述べて、長文のトラックバックを送ってくれました。
///////
橋本氏は、ポピュリズム政治の日本で、『国民から嫌われ者になっても「ただしい」政策を断行する覚悟』のあった最後の日本の政治家の一人だったと私は思う。彼は、公共投資削減、大幅な新規国債発行の削減という、当時の日本にしては、かなり思い切った歳出削減を断行した。さらに橋本氏は、消費税を三%から五%に引き上げ、二兆円の所得減税も打ち切り、医療保険制度改革で国民の医療費負担を一割負担から三割負担へと切り上げた。合計年間九兆円の国民負担。・・・アメリカのレーガノミックス・イギリスの鉄の女サッチャーの行財政改革に遅れること10数年、やっと日本の保守政権も、行財政改革に本腰を入れた瞬間だった。歳出削減と増税は、時の経済に一時的なデフレ要因として強く働く。翌年の1997年に経済成長が落ち込むのは当たり前の話であった。 あの頃は、倒れるはずの無い大手都市銀行や証券会社がばたばたと倒れた。・・・あの頃、経済オンチのマスメディア自身がパニックになった。メディアは、あたかも『日本発の金融恐慌』が起きるのではないかとの根拠の無いデマゴーグを、大同団結して報道し、一斉に、時の橋本政権をパッシングした。マスメディアは、行財政改革を断行すれば、何処の国だって起きる『世界共通の当たり前の行財政改革リセッション』と、日本特有の旧態依然とした金融システムの中で発生する『民間の不良債権処理を断行しないことによって発生している日本特有のリセッション』とをまるっきり混同した。マスメディアは この二つリセッションの違いを全く峻別することができなかった。経済オンチのマスメディアは 峻別する能力に全く欠けたまま 時の『世論』の不安を煽ったのである。 マスメディアは、@行財政改革(公共投資削減 国債発行の削減による『歳出削減』と、社会保障費の削減と消費税の値上げなどを伴う『増税』)を断行すれば、当然覚悟すべき普遍的な経済失速と、A日本独特の金融制度改革の遅れを放置したままの日本経済の経済失速、この二つを混同し、すべて『橋本政権の失政』のせいにするという『捏造』で、時の政権に一点集中砲火したのである。そして橋本政権は倒れた。・・・時の政権が倒れたという現実は、その後の自民党政権に大変なトラウマを残すことになる。彼ら政治家にとっては、お腹の底で、『マスメディアは、ここまで近視眼的な報道能力しか無かったなのか???日本の有権者は、今もってこんなにお粗末な意識しかなかったのか???』と強く肝に銘じたかもしれない。・・・ 1998年あたりに、『日本の行財政改革』は 取り返しの付かない間違った方向へと 大きくカーブを曲げざるを得なかった。・・・『日本の行財政改革』は・・・森総理大臣時代には完全に棚上げされた。小泉政権においては、のろのろ&まやかし程度の行革にとどめられました。日本経済の『膿』を出し切るなら、橋本政権時代にもっともっともっと『膿』を出し切っていればよかったのだ。すべからく、『全うな機動力のある橋本政権の経済政策』が橋本政権を短命に終わらせたことが、その後の日本経済の超超超長期不景気の始まりだったと言っても過言ではない。・・・ 誰か再び、橋本龍太郎並みの気骨ある政治家が登場するでしょうか。・・・アマチュア集団・マスメディアがまっとうな報道をしてくれることは、まるっきりもって期待薄です。・・・そもそも、機動力のある行財政改革を、私たち有権者は、耐えられるでしょうか。・・・もし貧乏が嫌なら、フェアなルールを再構築して、生産性を上げて、移民を増やして日本の人口を増やし、日本人一人ひとりが頑張って働くしかない。21世紀の社会保障(SafetyNet)を国家や地方自治体に頼るのはもう時代錯誤である。SafetyNetの大部分においては 国家や地方自治体には退場願って、民間人の手によって再構築するしかない。そういう頭の切り替えに、私たちは耐えられるでしょうか。・・・『経済復活のための厳しい行財政改革による一時的なリセッション』という選択は、アメリカ国民もイギリス国民も、1980年代前半に耐え忍んで選び取ってきた道です。しかしながら、同じ道の選択を、今の日本人が耐えられるでしょうか。
///////
私もほぼ同じ見解を持っています。ただ、政策の専門家として申し上げれば、「耐えて、そういう決断をすべきだ」と思ってはいますが、残念ながら「日本人は耐えられない」と予測してもいます。不良債権処理という「単純な」政策の評価すら正確に行えない国が、自らの痛みを伴う「行財政改革」を理性的に評価できるとは思われないからです。
そういう意味で、「日本の国富が日本人の手によって消尽される前に、私たち働き盛りの人間は、個々人の判断で、自分の富を少しずつでもとりあえず外貨に逃避させて、長期に国際分散投資してゆくのが懸命な選択である」という「貞子ちゃんの連れ連れ日記」さんの結論に賛成せざるを得ないと思っています。悲しいことですが・・・。"
http://kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/blog/2006/07/post_7964.html#more
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK24掲示板