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(回答先: 国家公務員法の違憲性(ペガサス・ブログ版) 投稿者 gataro 日時 2006 年 7 月 01 日 23:33:09)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20060630/col_____sha_____003.shtmlより転載。
ビラ配布有罪 自由が委縮せぬように
国家公務員が政党ビラを配った行為に有罪判決が出た。昨年暮れの市民運動家に続く「ビラ配布有罪」だ。政治的主張がこういう形で次々と封じられていくと、自由な言論は委縮してしまわないか。
十万円の罰金刑に「執行猶予二年」が付いた、異例な東京地裁の判決だった。
つまり被告人が二年間、違法行為をしなければ、罰金は払わなくて済む。無罪を主張した被告・弁護団側は有罪とされたことに反発しているものの、実質的に“無罪”に近い判断だったといえる。
二〇〇三年の総選挙の際、社会保険庁の職員が東京都中央区のマンションで、日本共産党の機関紙号外などのビラを配った。勤務時間外であったものの、国家公務員法では公務員の「政治的行為」を制限しており、同法違反で起訴された。
その罪で国家公務員が起訴されたのは、三十七年ぶりだった。北海道の郵便局員が旧社会党の候補者ポスターを張るなどしたため起訴された事件である。一審、二審は無罪だったが、最高裁で「公務員の政治的中立性が損なわれる」として、逆転有罪になった。
今回の判断は、この判例をそのまま“引用”した。約三十年前の最高裁判断に従っての有罪判決だったが、実質無罪に近い中身には、裁判官のためらい、苦渋の選択がうかがえる。
三十七年という時間は、政治的中立性と、憲法で保障された「表現の自由」とのバランスを考え、抑制の効いた期間だったといっていい。だが、今回の事件で、捜査当局は“古道具”のような法律をわざわざ振りかざした。法を守る建前は分かるにしても、果たして起訴するほどの重大事件だったのか。
そもそも公務員の政治活動を禁じた法の条文は、学者らの間で、「違憲」ではないかと論議されているものなのである。公務員がある程度、制約を受けるにしても、その制約は必要最小限であるべきだという考え方もある。国際的にも、公務員の政治活動を幅広く禁じ、一般刑罰を加えるのは日本だけとされる。
昨年暮れには、「反戦ビラ」を配っただけで、住居侵入の罪に問われた市民運動家に、東京高裁は「逆転有罪」の判決を出している。
ささいな“違反”に「有罪」が積み重なると、世の中が息苦しくなる。問題のビラには「憲法を守ろう」という趣旨が書かれてあった。表現の自由が安易に損なわれてはいけない。民主主義で最も大切なものとは何かを問い直すきっかけにしたい。
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