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(回答先: WTOと日本の農業 <WTO>ジュネーブ会合は難航必至か(瀬戸智子の枕草子) 投稿者 gataro 日時 2006 年 6 月 28 日 20:46:38)
WTO農業交渉/米国は「野心」を下げろ
[2006年06月23日付]
世界貿易機関(WTO)農業交渉は今月末から来月にかけ、モダリティー(保護削減の基準)確立へ剣が峰の時を迎える。JAグループはきょう東京都内でWTO全国集会を開き、上限関税の断固阻止、重要品目の十分な確保などを目指し意思結集する。「多様な農業の共存」が願いだ。モダリティー確立は、この世界的な願いを尊重したものでなければならない。
今月末は、WTO本部があるスイス・ジュネーブで農業交渉を中心とする閣僚会合が開かれる。中川昭一農相も参加しモダリティー確立を目指すが、難航必至だろう。食料輸出大国の米国が自国に甘く、他国に厳しい「自己利益」最優先の提案にこだわり続けているからだ。
米国提案は、文字通り「野心」的過ぎる。市場開放の柱となる関税削減では一般品目で最大90%削減を掲げる。関税を根こそぎなくすような提案を取り下げない姿勢は、日本など食料輸入国の農業を壊滅させようとするものであり、横暴そのものだ。
さらに、日本が重視する関税削減の程度を小さくする「重要品目」の数でも、米国は全タリフライン(関税細目分類)のわずか1%しか認めない。一方、日本は米、麦、乳製品、砂糖、でんぷんなどの高関税品目を守るため、食料純輸入国グループ(G10)として15%の数を求めている。米国の1%提案は極端過ぎる。
しかも、米国は関税削減で、一般品目だけでなく重要品目にも「上限関税」を導入し、農産品の関税率をすべて75%以下にすることをもくろんでいる。日本の米なら、現行関税率778%を逃げ道なく「10分の1」以下にしろという無茶苦茶なものだ。
輸出国側は重要品目のいわば代償として低関税輸入枠の大幅拡大を求めている。米国はその急先鋒(せんぽう)だ。日本の米に当てはめれば現在76・7万トンのミニマムアクセス(MA=最低輸入機会)で、さらに100万〜500万トンの上積みを迫る。
農業交渉のファルコナー議長はモダリティー確立に向け、ブラジルなど有力発展途上国グループ(G20)提案を軸にした調整を促している。だが、G20提案は米国提案に極めて近く、日本が受け入れられるものでは到底ない。JAグループも「断固拒否」を表明している。
米国、ブラジル、オーストラリアなど輸出大国は、日本など多くの輸入国が望む「多様な農業の共存」を反映しない限り、モダリティーは確立できないことを知るべきだ。そして、交渉を成功させたいなら、輸入国も受け入れ可能なレベルまで大きく譲歩すべきだ。農業交渉は重大局面を迎えた。きょうのJAグループのWTO全国集会を機に「多様な農業の共存」の主張を強め、輸出国の身勝手を許さぬよう国内外の連帯を強めていこう。
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/column/0606/23.html
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