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◇もっと知ってもらいたい「沖縄の実態」
「米軍基地について考えたことはありますか?」 NHK総合テレビで、6月10日午後7時半から放映された『日本の、これから 米軍基地』の番組は、沖縄の基地負担の実情を全国に知らせた番組として評価が高く、沖縄でも話題になっている。
・日本の、これから(番組ホームページ)
友人・知人たちに電話で意見を聞くと、「NHKとしてはよくやった」という答えがほとんどだった。この番組は8日から2夜連続のNHKスペシャル『変貌する日米同盟』に続く番組で、「額賀福志郎防衛庁長官・小林よしのり・東ちづるが市民50人とナマ大激論」とのテレビ番組の案内文。
この討論番組には、沖縄側から、米海兵隊基地・普天間飛行場の名護市辺野古への移設に反対する住民や、浅瀬案を提示した名護市商工会の荻堂会長らが参加していた。少女暴行事件について発言した女性はノートを買いに出かけた小学生の少女が車のなかで米兵3人にガムテープで口をふさがれ、目隠しもされて暴行されたことを述べると、東ちづるさんは涙を流していた。敗戦直後の米軍占領から59年間、「軍紀は世界中の他の米駐屯軍のどれよりもわるく」(小熊英二・著『「日本人」の境界』新曜社)、米兵による事件事故は後を絶たない。2004年8月、普天間飛行場の米軍ヘリコプターが沖縄国際大学に墜落したが、日常の訓練を繰り返している米軍ヘリコプターからの落下物も多く、市民の日常生活を脅かしているのが現実だ。
番組は、事件事故や騒音などを知ってもらう機会にはなったが、沖縄側から参加した人々の発言が弱いように感じられた。米国は1972年5月15日の日本復帰に際して、普天間飛行場の危険性を認識してその対策の必要性を指摘している。しかし、日本政府側には住民に対する危険性の認識がなかった。番組の討論に参加した市民は、そうしたことを指摘すべきだった。
また、辺野古へのヘリポートの移設は「海兵隊の訓練に必要不可欠なものである」との額賀防衛庁長官の発言に対して、「海兵隊を全部グアムに移転させれば、普天間飛行場の代替基地は要らない。今の計画とおり基地が返還されても、まだ全国の70%の基地が沖縄に残る。国民が等しく国の安全保障を分担するのが当然だ」と反論できなかったのが惜しい。
漫画家の小林よしのりさんが「他の国では防衛長官がこうした市民との討論会に出席できない」との趣旨を述べていたが、多分中国や北朝鮮を念頭においてのことだろうが、体制が違う国と比べる必要はまったくないと私は思う。同じ民主主義体制のアメリカと比べるべきだ。
米国では、米軍機が民間上空を通過し、住民から訴えられた場合には基地の担当官が騒音被害を受けた住宅に出向き、調査をする。その結果、騒音被害があったときには米軍機のパイロットを被害住宅に連れて行き、2度と民家上空を飛ばさないようにしている。そのことを比較すべきだ。日本は民主主義国なのだから、ほかの民主主義国と比べるのが筋である。
また、比較するならば、復帰時に普天間飛行場の危険性について公文書を公開しているアメリカにならって、日本はもっと安全保障、防衛などの公文書を公開し、国民と共に“日本の、これから”を考えるべきだった。その点について日本は、中国や北朝鮮並であることを、ここであえて改めて指摘しておく。
しかし番組全体については、読谷村に住む元沖縄タイムス記者の池原善福さんが「全国放送で沖縄の実情を知らせることができた。それは良かったと思う」と話している。沖縄に住む私の知己は、ほとんどの人たちが池原さんと同じ評価だった。
(比嘉康文)
http://www.janjan.jp/column/0606/0606180262/1.php
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