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[暴政]「美人局国家・日本」を創った政府・日銀ぐるみのインサイダー取引
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投稿者 鷹眼乃見物 日時 2006 年 6 月 22 日 20:21:14: YqqS.BdzuYk56
 

[暴政]「美人局国家・日本」を創った政府・日銀ぐるみのインサイダー取引

【画像説明】ブロンツィーノ 『愛のアレゴリー』 Angiolo Bronzino(1503-1572)「An Allegory - Venus, Cupid」 Oil on Wood  Completed in 1545 116.0cm x 146.0cm   National Gallery London 、England
・・・お手数ですが画像は下記URLをクリックしてご覧ください。
http://www.classicartrepro.com/artistsc.iml?painting=3089

  ブロンツィーノ は、ジョルジョ・ヴァザーリ(Giorgio Vasari/1511-1574)らとともにメディチ家の分家筋にあたるトスカーナ大公国のコジモ1世(Cosimo I de' Medici/1519−1574/スペイン皇帝の妹エレアノーラ・デ・トレド を后として迎えハプスブルグ家の支援を受けながらトスカーナ大公国の絶対君主制を確立した人物/現在のウフィツィ美術館や、ヴァザーリの回廊などを建設した)の宮廷画家を務めた人物で、博学な知識人でもありました。

  そのスケールは小ぶりながらもコジモ1世には、神聖ローマ帝国(ハプスブルグ家)のカール5世やフェリペ2世らと同様の精神的に偏ったフェティッシュかつパラノイア的な側面がありました。それは、マニエリスム時代(反宗教改革の時代)に特有の擬似宗教体験に呪縛されたアンバランスで異様な観念の存在であったということもできます。言い換えれば、それは「絶対王制時代の権力者」たちに共通する傾向であり、社会の底辺層や弱者層の人々に対する冷酷な“錯誤のリアリズム感覚”と洗練された極上の美意識との共存が深い断絶の影を落としているということです。もはや、これらの権力者たちは多層社会化しつつ近代への一歩を歩み始めた社会的な現実を見る能力を失っていたのかも知れません。

  ブロンツィーノの 『愛のアレゴリー』は、数多くの寓意的図像と洗練されたエロティシズムがモチーフですが、その解釈には様々なものがあります。その上これはやはりマニエリスム時代の絵画であり、一定の精神的な高みと理想を極めた盛期ルネサンス絵画などとは異質なものであることが分かります。そして、この頃から絵画を学術的に解釈する方法として、従来の宗教図像学的なイコノグラフィー(Iconography)に代わりイコノロジー(Iconology/絵画と社会背景や時代精神を結びつけて解釈する手法)が意識されるようになってきたのです。

  個々の図像の象徴的な意味などの詳細は省きますが、現代におけるイコノロジー理論の大成者であるパノフスキー(Erwin Panofsky/1892-1968)の解釈によれば、この絵画は「欺瞞・虚偽・嫉妬」などに囲まれ、「権力者が嵌ったの甘美な悦楽の世界」を「時間と真理」が罰するという倫理的な教訓を描いているとうことになっています。しかし、近年の様々な研究によって異なった解釈が行われるようになりました。「真理」の象徴は左上端に描かれた仮面を被ったようなプロフィールで、「時間」の象徴は右上端の老人です。中央に書かれた様々な図像は「エロティシズム・不倫・近親相姦・嫉妬・倒錯・快楽・陶酔・欺瞞」などを現しており、「時間」がカーテンを引いてこれらの姿を白日の下に暴こうとしますが、なぜか左上端の「真理」は、それを思い止まらせるような仕草をしているようです。つまり、コジモの宮廷(絶対的政治権力)が示してみせる「真理」(または正義)自身が曖昧で両義的なエロティシズムの罠に嵌っていたというのです。従って、これは当時の第一級の知識人でもあった画家ブロンツィーノが、堕落的な宮廷生活への批判を密かに仕込んだ絵であったという訳です。

  ともかくも、現代日本の政治権力とその周辺に巣食うセレブな人々の“爛(ただ)れ方”(ホリエモンや村上ファンドと自民党・政権中枢との妖しげな癒着関係、六本木ヒルズ族や小泉チルドレンたちの飽くなき愛欲の追及と放蕩三昧の姿など)を彷彿とさせるような、甚だ興味深いブロンツィーノの再解釈が行われているのです。

・・・以下、本論・・・

  小泉首相は、21日昼に日銀の福井俊彦・総裁が村上ファンドへの投資で1,473万円の利益を得た問題について「何か問題があればすぐに辞めるべきだという問題ではない。改善すべきは改善すべきだと思っている」(相変わらず、意味不明のトートロジー!)と記者団に述べ、福井総裁は辞任の必要がないとの認識を示したと、2006年6月21日付・毎日新聞(ネット版)が報じています。しかし、小泉首相は問題の深刻さをまったく理解していないか、あるいは意図的にお得意の論点外しをやっています。恐らく、ここでは小泉首相に限らぬ日本の寄生政治家たち(二、三代目)のコナトゥス(自己保存の本能・衝動・欲動/参照、『お金と指導層:コナトゥス(自己保存力)とシナジー強度』http://ameblo.jp/renshi/entry-10013861645.html)が作用しています。彼らの眼中には「主権在民の認識」も「健全な国益意識」も全く存在せず、“彼らが想うは己のことばかり”の餓鬼道に嵌っているのです。

  通常国会の会期が小泉首相の鶴の一声で強引に閉じられた日本は、「理念なき小泉構造改革」のおかげで、いよいよ「美人局(つつもたせ)国家・日本」と化したように思われます。今やネット上のヴァーチャル世界は「噂の六本木ヒルズ族の乱交パーティ」を窺わせるような“妖しげなSNSへのお誘い”やら“美人局(擬似売春型)アフェリエイト・ビジネス”などの花盛りですが、リアルな世界でも日本政府が率先して同じような妖しげなビジネスに手を染めたのではないかとさえ思われる近頃の風潮です。これで婦女子や青少年のみならず世のオヤジ族までもが不埒で破廉恥な犯罪に手を染める傾向が助長する一方であることが理解できるような気がします。これも「聖域なく小泉構造改革」の成果でしょうか?

  M&A(Merger&Acquitition/企業の合併・買収)やTOB(Take-Over Bid/敵対的企業買収)などを中核とする日本政府(経済産業省)による日本経済活性化策進行(ライブドア事件の発覚で実施が1年だけ先送りされたため、事実上、日本ではM&A・TOBが2007年5月から全面解禁される)、同省出身者である村上氏によるファンド・スキャンダル(及びライブドア事件と自民党の密着)、同期経産省官僚らによる同ファンドへの投資、福井日銀総裁の同ファンド・スキャンダル、「新会社法の整備」と併行したグローバルスタンダード(時価・減損会計などの導入)、米国による規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書の圧力、小泉政権による強引な規制緩和政策の導入と徹底したB層戦略の推進及びメジャーなマスメディアの同戦略への迎合、巨額の銀行不良債権問題発生と不自然な公的資金による救済(関連するモラルハザードの放置)、不自然なゼロ金利政策の導入、そして平成17年度通常国会会期の異常な短さ(小泉首相の強固な会期延長拒否の不自然さ)云々・・・。

  これらの点と線を繋ぐと、国家・関連官庁・御用学者、マスメディア及び銀行業界の過半が結託した、恐るべき「日本政府&日銀ぐるみのインサイダー取引」の臭いが漂ってきます。何も知らないのは、善良な我われ一般国民だけだったのかも知れません。ところで、まことに恐るべきことですが渦中の福井・日銀総裁は2004年9月の講演で下記のデータ(★)を発表しています。つまり、これはゼロ金利政策(銀行の事実上のゼロ金利)による預金者の不利益の総額ということです(出典:日本経済新聞、2006.6.22付記事『大機小機』)。なんと驚くべき金額ではありませんか。これに高額の送金手数料収入などを加味すれば、今期の銀行が空前の好決算となったことは当然の帰結です。見方を変えれば、一般国民はゼロ金利政策のおかげで銀行によって154兆円もの巨額のお金を収奪され続けたことになります。このようなプロセスの中で、福井・日銀総裁は村上ファンドへの投資で1,473万円の私的な利益を得ていたことになり、政権与党(自民党)は銀行業界を含めた財界から潤沢な政治資金を手に入れていたことになります。本日付のasahi.comネットニュース(http://www.asahi.com/politics/update/0622/006.html)によると、小泉首相は22日、首相官邸で日銀の福井俊彦総裁、武藤敏郎、岩田一政両副総裁と昼食をとりながら会談したそうですが、どのような“火消し策”を打ち合わせたのでしょうか?
★1993年と比べ10年間の受取利息減少額=154兆円

<注1>M&AやTOBが導入されてきた歴史的経過、及び2007年5月から全面解禁される「合併対価の柔軟化」(三角合併、現金合併など)の問題点などについては稿を改めて検討する。

  つまり、今の日本は、まさに“真実については知らぬが仏”の「美人局(つつもたせ)」(詐欺的な売春システムの一つ/参照、『美人局は恐ろしい、出会い系サイトのトラブルと被害』http://www.deai-sos.com/24.html)のような恐るべき国家(=擬似売春国家)となってしまったようです。あるいは、今の日本の姿は、落語で言えば三代目・金歯師匠の名演目である『高田の馬場』の噺(参照、下記<注>)のようなものだとも言えます。いわばペテン師たちが総掛かりで巧みに演出した“虚構の花見酒の経済”で善良な一般の国民を誑かす詐欺師国家(資本主義国家の禁じ手を破り政府と日銀が癒着・一体化して虚構の経済を演出した)です。極論すれば、今の日本は、国家的詐欺師あるいは美人局屋と化した政治権力者たちが、善良な一般国民をカモに意地汚くもシコシコと儲けている構図が透けて見えます。つまり、彼らが私腹を肥やし良い思いをするとともに、国民へ一方的に税収増(酷税)を押し付ける犯罪的な『美人局国家』ということになります。さぞかし小泉首相、福井・日銀総裁、竹中平蔵大臣、宮内・規制改革・民間開放推進会議議長、および村上世彰・村上ファンド代表と親交があった安部官房長官らは、これら国家的な詐欺師集団の頭目か若舎弟たちということになるでしょう。週間文春・2006.6.29号の記事は、六本木ヒルズの村上氏の私邸で行われていたホームパーティを通じて安倍・村上の両者は蜜月関係にあったと報じています。なお、同誌によると、村上氏の人脈は民主党も含む政界のみならず、官界・財界へ更なる広範囲な広がりを見せつつあるようです。

<注2>落語『高田の馬場』(落語の三代目・金歯師匠の名演目)
・・・浅草で蝦蟇(ガマ)の油を売っていた姉弟が老武士を「親の仇」と叫び、敵討ちを挑もうとするが、渦中の老武士は寺の境内で血は流せぬから明日「高田馬場」で勝負しようと申し入れる。翌日、「高田馬場」界隈は、仇討ちの評判が広がったため、この敵討ちを見物しようとする人々、それ相手に商売をする人々でごった返すが、定刻になっても仇を討たれるはずの当人は一向に現れない。茶屋で酒を飲んでいる老武士を見つけた、ある男がどうなってるのかとたずねる。すると“実は、私たち親子は“仇討ち屋”(仇討ちを装った詐欺師)で、この界隈の茶店に頼まれて敵討ちの振りをしてできるだけ多くの人々をかき集め、これらの人々が落とした店の売上げの2割をマージンとして貰って楽に暮らしているのだ”というオチがつく。

  週間新潮(2006,6,22号)が“佐藤ゆかり”(不倫の巣窟?)なる衆議院議員の不倫騒動を報じています。筆者は、これが不倫騒動なのかビジネスライクな男女関係なのかについて十分にその実情を把握しておりません。ただ、この記事のことを伝えた週間朝日(2006.6.30日号、p144/『佐藤ゆかり議員の絶対絶命』、横田由美子・記者の署名記事)には次のような記述があります。また、この中に出てくる“馬込”なる地名が何で有名な場所なのかについても筆者は情報を持っておりませんが、この記事は何となく妖しげで妙な書き方で終始しています。・・・6月上旬、佐藤氏は自民党の江崎洋一郎・衆議院議員(48)と東京・神楽坂のフレンチ・レストランで会食。「最近、嫌なことが一杯あるんです」とうつむく佐藤氏に、江崎氏は手をなで、顔にかかった髪を払ってあげるなど“濃厚なボディータッチ”を連発。その後、二人(萌え上がった二人?)はタクシーで馬込(東京都大田区)へ向かい、夜の闇に消えた・・・

  ところで、「新会社法」第348条第3項第4号等によると、同法が規定する新会社法における「内部統制」について次のような記述があります。・・・取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を保証するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備・・・また、「村上ファンドと日銀・福井総裁など小泉政権の中枢・周辺」及び「ホリエモンと自民党の間」には只ならぬ妖しげな空気が漂っています。一方、新会社法の理念的な強化は投資家ならぬ“投機家”に人間及びそこに所属する生命・財産のすべてを支配するという巨大な権力を与えていることになります。いわば、それは善良な人間集団(家族を抱えた善意のサラリーマンたち)の運命(生命・財産などの一切)を支配する権力である企業への強力な支配権が自由に市場で売買されても良いのかという倫理的次元の問題を考えさせられます。

  EUやアメリカの「金融サービス政策」の理念と照らしてみると、もっとリアルに今の日本の異常さが分かるのではないかと思っていますが(この問題点についても稿を改めて検討する予定)、ともかくも、これらの一連の事件やスキャンダル報道などから浮上するのは、・・・つまるところ小泉政治の5年間は、株式会社・日本を『美人局国家・日本』(詐欺的な擬似売春国家)へ作り変えただけではないのか、という“悲惨で屈辱的な暗澹たる想い”ばかりです。しかも、くだんの佐藤ゆかり衆議院議員の専門分野が“「アメリカの金融政策」方面であることは何を物語るのでしょうか? メディアが総掛かりでもて囃してきた“小泉劇場の準主役たる小泉チルドレン”たちの怪しげな素性と低劣な品性の化けの皮が剥けたのではないかと、あらぬ連想が立ち上がってきます。国会議員とは、喩えてみれば株式会社の取締役のようなものです。取締役の責務はとても重いものであり、新会社法でも取締役を中心とする「内部統制」について次のように規定しています(参照、<参考1>)。

<参考1>新会社法の「内部統制」は、1994年にアメリカの証券取引委員会の諮問機関・トレッドウエイ委員会の組織委員会(COSO委員会)が発表した「COSOフレームワーク」が原型で、新会社法はその改善案である「COSO ERM」(ERM=Enterprise Risk Management)を手本としており、それは下記の4つの点を規定している。

●戦略・・・組織の役割に関連付けられた高次元の目的
●業務・・・組織の運営資源の有効かつ効率的使用に関わる目的
●報告・・・組織内外の報告の信頼性に関わる目的
●コンプライアンス・・・組織に適用される法令規則の信頼性に関わる目的

COSO=the Committee of Spomsoring Organization of the Treadway Commission

<参考2>新会社法(参照、http://www.nakabachi.com/page037.html
・・・「商法第二編」、「商法特例法」、「有限会社法」の三法に代わり、「会社法」と「会社法整備法」(2005年6月)が成立した(施行、2006年5月〜)。この背景にあるのは、日本における企業会計の国際会計基準との整合性の確保ということ。一方、新会社法の理念的な特徴を一言で言うなら、それはグローバル市場主義の時代に相応しく株主に強大な支配権力を付与するということ。ライブドア・ホリエモン騒動、村上ファンド騒動など一連の事件ががそのような状況の上で、しかも欧米に比して弱体な規制の側面(EUの金融サービス政策に関する法制面での充実度、アメリカにおける判例の整備(1980年代以降に積み重ねられてきたTOBの合法性についての合法性の判定基準の整備)の充実度(TOBに対する防衛策についても、シャーク・リペラント(Shark-Repellant/買収の危機より前の予防策の総称)など多様な手法が準備されている)と比較すると新会社法では「投資家保護の理念と政策」に弱点が見られる/つまり新会社法では市場における弱肉強食(地獄的な人間社会の姿)の側面(株主側の強力な支配権に傾斜した部分)が強く出過ぎていると考えられる/下記の資料★を参照)がこれらの事件をもたらしたことは疑う余地がない。
★『EUの新たな金融サービス政策』http://www.jsri.or.jp/web/topics/pdf/0604_01.pdf
★『諸外国における民事・行政制裁金制度』http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/siryou/kinyu/dai1/f-20031017_sir/03_02.pdf

  『美人局国家・日本』の汚泥を浚った口直しのため、鈴木大拙著『東洋的な見方』(岩波文庫/“自由・空・只今”の章)の中から、人間精神への信頼を想起させられる文章を以下に引用しておきます。

・・・(前、略)“もの”がその本来の性分から湧き出るのを自由という。神の創造はこの意味で自由の“はたらき”である。自由は妙用(=非常にすぐれた微妙なはたらき)である。この妙用がわかるとき、自由の真義がわかる。リバティやフリーダムの中からは、創造の世界は出てこない(=利己の自由(リバティやフリーダム)は他己の排斥と嫌悪を生むばかり、との意)。・・・(中、略)・・・このゆえに、人間を他の生物に比べて見てばかりいられなくなる。弱肉強食とか適者生存とか優勝劣敗などという生物界の現象を見て、人間も生物だから、それでもよいのだなどという人がある。地獄はこのような人々のために用意せられてあるのだ。生物界の進化は、人間界に、その部分を応用するわけにゆかぬ。進化は人間に至って一転化した。・・・(後、略)

(参考URL)http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/

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