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"「幻の自民分裂構想」の徘徊?
政治部・藤田哲哉(6月12日)
左目から光を失ったのは9歳のとき。戦後の荒廃が残る疎開先で友人と戯れていた際、割れた窓ガラスの破片を浴びた。以来、遠近感が失われた隻眼(せきがん)のハンディを背負った人生を歩む。学生時代から柔道を始めたのは「臆病になった自分の心を鼓舞するため」だった。自民党の山崎拓前副総裁――国防族のボスながら「タカ派」的な思想・信条を忌み嫌うのは、この幼少期の体験によるところが大きい。
「片目を失ってから『戦っちゃいかん、危険だ。命を取られない限り、戦わず、平和裏に話をつけた方がいい』との哲学を身につけた」。こう語る山崎氏が9月の自民党総裁選に向けて、水面下で様々な工作を仕掛けている。山崎氏は本命の安倍晋三官房長官とは距離を置き、アジア外交を重視する福田康夫元官房長官への支持をにじませるが、自民党の三役経験者の1人は「山崎氏が担ごうとする候補は福田氏以外にいる」と解説する。
だが、皮肉にもおひざ元の山崎派が「非安倍」勢力でまとまる気配はない。むしろ「安倍支持」が広がりを見せ、山崎派は分裂含みの様相すら呈している。他派閥からは「安倍支持を固める甘利明政調会長代理が山崎氏の後目をうかがう」との声も聞こえる。甘利氏はこうした見方を否定するが、51歳の安倍総裁が誕生すれば派閥の再編や若返りが進むのは間違いない。
総裁選でアジア外交を争点に据えたい山崎氏は中国や韓国へ積極的に足を運ぶ。今月下旬には北朝鮮を訪問することも一時検討。党内には「小泉純一郎首相が9月の退陣前の再々訪朝を検討しているのではないか」との噂もあり、北朝鮮への経済制裁に慎重な山崎氏が地ならしを担っているとの見方も出ている。
そんな山崎氏の周囲で最近、2001年4月の総裁選での「幻の自民分裂構想」にまつわる後日談が語られている。当時、民主党の代表だった鳩山由紀夫氏はこの時、「何か(自民党に)異変が起きそうだ」と記者団に語っている。その筋書きはこうだ。同年の総裁選で橋本龍太郎元首相が小泉氏に勝利した場合、山崎、小泉、加藤紘一の三氏によるYKKトリオが自民党内の「反橋本」勢力を結集し、民主党と連立を組む――。2000年暮れの「加藤の乱」から半年弱。加藤、山崎両氏にとって、本会議での首相指名選挙で自民党執行部の方針に逆らい、今度こそ民主党と手を握って政権を取るという奇策だった。
実行へのハードルはあまりにも高く、現実味の薄い構想であることは明らかだ。この後、自民党内からも「荒唐無稽(こうとうむけい)な後日談だ」と揶揄(やゆ)する声が漏れたが、鳩山氏や菅直人氏は「加藤氏らとは色々と相談はしていた」と述懐している。
それから5年――。山崎氏が国立追悼施設の新設に向けた議員連盟をつくり、民主党を抱き込む戦略に走る背景には、この「幻の自民分裂構想」を意識しているのではないか、と勘ぐる向きがある。「非安倍」勢力が総裁選に敗れたなら、民主党との連携という「禁じ手」を使ってでも政権樹立の主導権を握るつもりだ、という見立てである。しかも、民主党の代表には数々の政界再編劇を仕掛けてきた小沢一郎氏が就任した。
5月上旬。韓国を訪問した山崎氏に歩調を合わせるように、民主党の鳩山幹事長も訪韓し、ソウル市内の同じホテルに宿泊した。極秘会談の噂(うわさ)もあったが、ホテル内の廊下ですれ違った際に握手を交わしただけで、双方とも「接触」は否定している。
「後の先」(ごのせん)。圧倒的な劣勢下にありながらの逆転劇を指す表現で、柔道では相手の攻勢に対し、直ちに反撃に出ることを意味するという。山崎氏が最近、この言葉を好んで口にするようになった。"
http://www.nikkei.co.jp/seiji/20060610e3s1000e10.html
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コメント:
そういや、ヤマタクも「ハト派はなぜか失脚する」の法則が適用されたな。
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