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http://www.asahi.com/politics/update/0619/001.html
2006年06月19日06時01分
退職した自衛官が、市区町村の防災・危機管理担当職員に再就職する事例が全国で増えている。昨年度以降、25の自治体が新たに迎え入れて倍増、5月末現在で43市区町村に自衛官OBが在籍する。市区町村は今年度、有事に備えた国民保護計画を作成しなければならず、これに備えたところが多い。定年が若く、団塊世代が一斉退職する「2007年問題」を一足早く迎えた自衛隊側の事情もある。
防衛庁などによると、都道府県庁ではすでに9割近い41自治体に在籍しており、市区町村を合わせると84自治体。都道府県、市区町村ともに03年度ごろから増え始めた。05年度の採用が最も多く、都道府県では14、市区町村では17の自治体にのぼった。今年度に入っても千葉県、金沢市など3県8市区が採用した。
朝日新聞が各自治体に尋ねたところ、「危機管理室参与」(大阪市)や「危機管理監」(宮城県石巻市など)といった肩書で、嘱託職員が多い。陸上自衛隊幹部の元1〜2等陸佐が大半だ。
業務内容は防災や危機管理だけでなく、国民保護計画の作成で指導的役割を期待している市区町村が7割にのぼる。
04年6月に成立した国民保護法は、武力攻撃から国民を守るための国や自治体などの責務を規定し、市区町村は06年度中に国民保護計画をつくって避難や救援の手順などを決めておかなければならない(都道府県は05年度中に作成)。「ゲリラや特殊部隊による攻撃」や「弾道ミサイル攻撃」など、想定される武力攻撃事態に備えなければならず、「専門の知識と経験からアドバイスしてもらう」(福井市)という狙いが、自治体にはある。
大阪府池田市の危機管理担当監、高橋伸朗さん(56)は元2等陸佐。部隊の攻撃計画などを立案してきた経験を生かし、国民保護計画の作成にかかわる。「自衛隊は何か起きた時のために日々訓練をしている。発想の違う経験や能力を期待されている」と話す。
一方、自衛隊は部隊の精強さを保つために若年定年制をとり、大半が54〜56歳で退職する。この結果、企業よりも一足早く01年度から退職者が急増。99年度に3400人だった定年退職者は、01年度に6000人を突破し、03年度に6500人でピークを迎えた後も、毎年度6000人前後が退職している。
このため自衛隊は退職者の再就職援護に乗りだし、99年度から「退職自衛官 活用のすすめ」という自治体向けのパンフレットを配って、自衛隊との連携業務などで役立つことを宣伝してきた。近年は国民保護計画の観点からも市町村へのアピールを強化。今月1日には鹿児島県内で九州各県や市町の担当者を集めたセミナーを開き、OBの有用性を訴えた。
陸上自衛隊中部方面総監部(兵庫県伊丹市)で再就職支援を担当する村井孝彦・援護業務課長は「自治体のニーズと、退職自衛官の活用促進策が相まった結果。今後も自衛隊の知識や能力、経験を発揮できる部署での活用促進を図りたい」と話している。
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自衛官OBが在籍する自治体
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