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臨時国会成立へ『法案先出し』
過去3回いずれも不発
18日に閉会日を迎えた今国会は、教育基本法改正案などの重要法案が軒並み継続審議となり、成立が先送りとなった。そんな中、自民党は、会期内成立は無理を承知で法案を提出する戦術を取った。次期国会での成立を見込み、提出だけを「先出し」するという戦術だが、従来の国会対策からは「奇策」といえる。過去の例をひもとくと、今後の展開には波乱が予想される。(新開浩)
政府が今国会に提出した法案九十一本のうち、成立を見送ったのは九本で、成立率は90・1%。ただし、教育基本法改正案など、国会終盤に出した三法案の提出を見送っていれば、成立率は93・2%にアップしていた。
それでも、政府・与党が提出に踏み切った動機は二つある。
一つは、会期延長を前提にした提出だ。教育基本法改正案を提出した四月二十八日は、昨年の郵政民営化関連法案の提出日からわずか一日遅いだけ。与党が昨年並みの大幅延長をし、成立にこぎ着けたいと期待していたことをうかがわせる。ただ、この考えは、小泉純一郎首相が延長に難色を示したためにかなわなかった。
もう一つの理由が、自民党の武部勤幹事長が唱える「先出し」論。次期国会での早期成立を見込んだ法案で、閉会日の一カ月前に提出した北海道道州制特区推進法案や、残り会期わずか十日間で提出した防衛省昇格関連法案が典型だ。
これらの法案は、提出段階で通常国会での成立は絶望的だった。しかし、武部氏は「提出することで国民の関心が巻き起こり、次の国会で実りある審議をする」と、「先出し」の狙いを説明。「決して課題の先送りではない」と主張する。
政府が、通常国会の閉会日まで残り一カ月足らずで法案を提出し、継続審議となった例は、過去十年間に三回ある。
だが、これらの法案はいずれも次の臨時国会でも継続審議となり、翌年の通常国会まで成立を持ち越した経緯がある。
一九九九年七月に提出した年金制度改正関連法案は、十二月の臨時国会の衆院厚生委員会で、与党が強行採決したことに野党が反発し、国会が空転。参院で継続審議となった後、翌年三月に衆院で再度可決した。
また、九七年六月提出の公選法改正案は、在外邦人の投票を衆参両院選挙の比例代表に限って認める政府案と、衆院小選挙区と参院選挙区にも認める野党案との折り合いが付かず、成立を翌年四月に持ち越した。
民主党が対決姿勢を強めていることを踏まえると、こうした先例が繰り返される可能性は高い。
仮に防衛省法案などの成立が、来年の通常国会まで持ち越されれば、来春の統一地方選や夏の参院選の争点に影響を及ぼす事態も予想される。
「先出し」戦術の成否は、秋の臨時国会が終わるまで分からない。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sei/20060619/mng_____sei_____002.shtml
*国会閉会を待っての記事に思います。朝から元気が出る内容です。
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