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(回答先: 巡視船供与の署名式延期 インドネシアが疑義 投稿者 張良 日時 2006 年 6 月 15 日 11:31:52)
今日、考えたこと(http://tu-ta.at.webry.info/200606/article_15.html)からの転載。
ODA武器供与一日遅れで調印 << 作成日時 : 2006/06/16 05:54
いくつかのMLに流した文章を転載
==以下、転載==
すでにいくつかのMLでは延期についてのコメントが流れていましたが、ODAによる武器供与、極めて異例と報道される事態の中で1日延期されましたが、15日に調印されてしまいました。
14日の読売新聞報道によると
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関係者によると、両国政府は巡視船艇の用途について、日本の武器輸出3原則への配慮から「海上テロ」や「海賊対策」などに限定することで合意していた。
しかし、14日にジャカルタで開かれた署名式の席上、インドネシア外務省幹部海老原紳大使に対し、同文言を「海上の安全に関する活動」など、より一般的な表現に変えるよう要求。日本側はこれを拒否し、両国間で再調整に入ったが、日本としては3原則に抵触しかねない微妙な問題だけに譲歩は難しく、合意の見通しは立っていない。
==
この段階で読売新聞の特派員は見通しは立っていないと判断したものの、翌15日は「インドネシアの主権を侵さないという」付属文書がつけられた上で調印されてたと報道されています。
この延期の背景に何があるのか、精査が必要な部分はあると思いますが、
共同通信の配信では
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詳しい理由は明らかにされていないが、両国政府筋によると、インドネシア側にはマラッカ海峡のテロ対策などに米国や日本が関与を強めることに警戒感があり、政府内で供与受け入れの調整がもつれているもようだ
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と書かれていました。
日経新聞には
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14日の署名式直前にインドネシア側が、巡視船の用途について海賊や海上テロ対策に限るとした日本政府の要請は納得できないと署名を拒んだが、武器輸出3原則への配慮という日本側の意図を理解したとして署名に応じた。
署名式に臨んだインドネシア外務省のプリモ・アジア太平洋局長は用途制限について「主権上の問題があると考えたが、日本側が主権を尊重するとの付属文書を作成したため問題ないと判断した」と語った。当初、署名を拒否した理由についてインドネシア政府高官は「最近の日本の政府開発援助(ODA)に関して両国間の信頼関係が欠如していることが背景にある」としている。(ジャカルタ=代慶達也)
(23:00)
==
と報道されています。
日本が「主権を尊重する」ということは、インドネシア政府が「これはテロ対策だ」と判断したものには、日本政府は口出しできないということになった、少なくともインドネシア政府はそう考えているのではないでしょうか?
また、14日の日経新聞の報道では
===
インドネシアへ巡視船供与、武器輸出3原則の例外適用
政府が13日の閣議で決めたインドネシアへの巡視船艇の供与の背景には、2004年の武器輸出3原則の緩和がある。「厳格な管理」を条件に例外を容認。今回は海賊対策への協力であり、武器拡散を助長する可能性はないとの判断から禁止してきた「軍用船舶」輸出を初めて認めた。
ただ、3原則がなし崩しになると懸念する声もある。相手国が非軍事使用を守るかどうか監視することが大事になる。 (07:02)
===
この延期をめぐるやりとりの中で、まさにこの「監視」が問題になったということが想像できます。監視なんかされたくないインドネシア政府、他方、武器輸出三原則の建前から監視を外せない日本政府、この妥協の産物として、使用目的を限定した調印文書と国家主権を犯さないという付属文書の組み合わせになったと解釈して大きな間違いはないと思います。
「武器輸出三原則」の見直し関連の新聞報道に関しては、
見直すべきだという立場の人が以下のサイトにまとめてくれていて、
http://www.rosenet.ne.jp/~nbrhoshu/Bukiyushutu3gensoku.html
これを読むと、見直しをしたいという意図はよくわかります。
やはり、これが儲かるわけです。
とにかく、武器輸出をめぐるやりとりは1段階進められてしまったので、次はインドネシア政府が調達するために、どのような手続きを始めるかということが注目されます。どこの日本企業が調達するか、すでに話がついているかもしれないとも想像されますが、この19億円というお金の使われ方、しっかり監視を続けていく必要がありそうです。受注した企業が受け取る19億円からインドネシア政府の誰かへのキックバックがあっても不思議はないようにも感じます。
価格があってないような武器のODAには、こういう疑惑もつきまとうわけですね。
まずは入札という風になるのか、随意契約になるのかが注目されるところです。入札になるのであれば、この巡視艇を作る技術のある日本の企業は何社ぐらいあるのでしょうか?どれくらいの数の企業が応札することになるのかも注目したいところです。また、このあたりの透明性がどれだけ確保されるかという問題もあります。
、
ともあれ、調印されて、これを止めるのは、困難さを増したわけですが、これがすんなり進んでしまうと、次はフィリピン、あるいはイラクというように進むことが予想されます。
いわゆる「先進国」であるにもかかわらず、武器輸出をここまで抑えてきたというのは、憲法9条や全文の精神によるところも少なくないと考えます。これがまた、なし崩しにされることを認めるわけにはいきません。
軍事に頼らない世界こそが21世紀に問われているはずです。そこに逆行する日本政府の動きをアジアの人々とともに止めていくことが問われています。どの段階になっても、あきらめるわけにはいかないのですが、武器はまだ送られていません。
少なくとも日本からの武器がテロ対策とかいう名目のもと、インドネシアで公正な社会を求めている人々に対して使われるというようなことを許すわけにはいかないはずです。今は送られる前に止める手立てを考えなければなりません。
==転載ここまで==
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060615id21.htm
インドネシアへ巡視船供与、1日遅れで署名式
【ジャカルタ=黒瀬悦成】インドネシア政府からの異議により延期された、日本政府からインドネシアに対する巡視船艇3隻の無償供与に関する合意文書の署名式が15日、ジャカルタで当初予定より1日遅れて行われた。
両国政府筋によると、巡視船艇の使途が「海上テロ」や「海賊対策」などに限定されたことをインドネシア側が問題視したことについて、両国は、合意文書自体は変更せず、代わりにインドネシアの主張に配慮した付属文書を作成し、署名することで妥協が成立した。
インドネシア外務省当局者によると付属文書は、巡視船艇が、インドネシアとマレーシア、シンガポールが2005年8月に交わしたマラッカ海峡の治安維持を巡る枠組みや、国連海洋法条約に従い、インドネシアの主権下で「包括的に運用される」ことを確認した。
海老原紳駐インドネシア大使は、「付属文書は、巡視船艇の使途を限定した合意文書とは矛盾しない」と強調。
一方、インドネシア外務省当局者は、「マラッカ海峡の安全保障には、航路の安全確保や環境保護なども含まれ、多面的に取り組む必要がある」として巡視船艇の使途拡大に含みを持たせており、今後、使途を巡る問題が再燃する恐れもある。
(2006年6月15日23時58分 読売新聞)
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20060615AT3S1501315062006.html
日本とインドネシア、巡視船供与で署名
インドネシア、日本両政府は15日、ジャカルタで予定より1日遅れてインドネシアへの巡視船3隻の無償供与の署名式を開いた。14日の署名式直前にインドネシア側が、巡視船の用途について海賊や海上テロ対策に限るとした日本政府の要請は納得できないと署名を拒んだが、武器輸出3原則への配慮という日本側の意図を理解したとして署名に応じた。
署名式に臨んだインドネシア外務省のプリモ・アジア太平洋局長は用途制限について「主権上の問題があると考えたが、日本側が主権を尊重するとの付属文書を作成したため問題ないと判断した」と語った。当初、署名を拒否した理由についてインドネシア政府高官は「最近の日本の政府開発援助(ODA)に関して両国間の信頼関係が欠如していることが背景にある」としている。(ジャカルタ=代慶達也) (23:00)
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