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岩波書店発売の『世界』7月号に、『「監視国家」はどこまで進むのか――改正入管法・共謀罪のもたらす電子政府と監視社会(海渡雄一・斎藤貴男・保坂展人)』と題する鼎談が掲載されている。激動の06年前半を、それぞれ弁護士・ジャーナリストとして鋭い識見を持つおふたりを相手に、「入管法」と「共謀罪」をつないで見えてくるものを思う存分語った。13ページに及ぶものだが、本ブログ読者にはぜひ目を通していただきたい。
少し前になるが、連休中にインターネットに寄せられた「入管法」や「共謀罪」に関するブログやサイトを覗いていて、「アッ」と声をあげそうになった。法務省が、アクセンチュア社に発注していた「システム最適化計画」が出来上がり、同省のサイトマップの「電子政府」のとこPDFファイルで貼り付けてあるのを紹介しているブログを見つけたからだ。
私はおそるおそる法務省入管局にアクセンチュア社が提出したファイルを開いてみた。その分量は、少ないもので30ページ前後、多いものでは1300ページにものぼる。「将来計画」のところでは、日本人から「指紋」のみならず「静脈情報」を採取する計画になっているし、これから始まる「到着前の旅客乗員情報提供システム」(APIS)では離陸時(出国時)の情報も受け取るような記載があった。法務省が衆議院法務委員会に情報を示したのはHPに公開された1%以下であり、3月29日に与党の多数で可決・成立すると2日後にア社による報告者が提出されていた。(入管局によると、この情報をHPに出したのは4月23日だったとのこと)
私が愕然としたのは、議員に対して「隠蔽」を続け、膨大なデータをHPに公表して素知らぬ顔をしている体質である。法務省では、検察庁の検察事務処理に関する全データを統合運用するための新システム「検察総合情報システム」も、ア社が受注しすでに10億円を投じて開発中であることは知っていたが、細かい作業手順やシステムの解説が公表されている。犯罪捜査から死刑囚への執行命令にいたる検察情報とは究極のセンシティブな個人情報である。「いくら官から民へ」と言っても丸投げでいいのか。(明日の午前中、法務委員会の一般質疑で聞く予定だ)
監視社会は青少年バッシングを呼ぶ。「教育基本法はすでに46時間審議した」と時間数を誇示して、与党側は秋の特別国会での成立をはかろうとしている。この委員会で長時間、与党(時として野党も)の質問の中で「ニート攻撃」が耳についた。「若者が仕事をしないで、学校にもいかないで、何もしないでいることを『ニート』などと呼んで半ば認めるような風潮に自分は危機感を覚える」という具合いの主張だ。私も、「ニート」という言葉には違和感があり、なるべく使わないようにしているが正反対の理由からだ。巨大与党で「教育基本法」を押し切ることが出来れば、彼らの次のプログラムは「青少年基本法」である。
東京都をはじめとした自治体は、「青少年健全育成条例」を毎年のように「過激に管理」することを競うような改正作業をしている。自治体の条例ではなくて、親玉である国の基本法がほしいという要求で、ウソや冗談でなく真面目な話である。次期国会に先送りになった改正少年法は、「ぐ犯の疑いのある少年」(犯罪や非行を犯すかもしれないという疑いのある少年)とその保護者に「警察の調査権限」を付与するものだ。
共謀罪と似ていて、「既に行われた犯罪」ではなく「未来の犯罪・非行」防止に焦点が絞られている。
今日は国会での議論を踏まえて、各種の報告会・講演会のお知らせを末尾につけておく。
6月16日(金)19時 第3回国政報告会『若者たち・子どもたちの今と未来』 教育基本法・少年法・認定子ども園などを中心に 講師・保坂展人 世田谷区烏山区民会館)
6月22日(木)18時30分 社民党憲法学校(5回)『国家が心を支配する日』斎藤貴男(ジャーナリスト)※会場は、この日のみ星陵会館
7月7日(金)19時開場・19時30分開始 「若者たち・わたしたちと『監視・管理社会』」 本田由紀・後藤和智・宮台真司・神保哲夫・司会進行・保坂展人 ロフトプラス1 スペシャル企画
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