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個人のしたいことは何でも許されるという立場でやりたい放題をして、社会や公権力の干渉を否定するアナキズﾑの一種にリバータリアンの思想がある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%B3
今では副島隆彦あたりがﾞ音頭をとって自分が本家本元だと宣伝しているが、陰謀説を信じてアメリカの右翼思想にかぶれて日本に持ち込んだものにすぎない。独創性がないので日本の学問や技術が昔からほとんど舶来であるが、外国からの借りものを国内で一手販売して得意になっているのだ。
http://www.snsi-j.jp/boards/bbs.cgi?room=libertar
このリバータリアンの持つアナキー傾向に対してそれを左と右の政治的な色わけを行い、日本的なコミュータリアンを批判したのが「世に倦む日々」の筆者であり「村上世彰の新自由主義の思想1―――リバータリアニズムの動機」と題した記事を書いている。
http://critic3.exblog.jp/4952395#4952395_1
だが、借り物の思想としてのリバータリアンという新思想について、エリートぶる日本人が右だ左だと御宣託をたれるのを有難がるよりは、リバータリアンもコミュータリアンも共にアナキーで条件が変わると相互移行する存在に過ぎないのに、それが混乱していることは日本のメディアの生態を知れば明らかだ。バブル経済の崩壊までの日本のメディアは大衆がまだ批判精神を持っていたので、コミュータリアンの立場にいて大衆に迎合していた。だが、カネ儲け至上主義が支配的になり国民が拝金主義に巻き込まれてしまい、小泉や竹中のような国際資本の忠僕が民営化の美名で国家資産の叩き売りをすることが歓迎されたのを目撃したので、利にさとい日本のマスコミはリバータリアン思想に宗旨替えしたのだ。それは戦争政策に協力した戦前の日本のメディアと全く同じであり、『長いものに巻かれる』体質のマスコミの批判精神の欠如を示した。
日本のマスコミがリバータリアンにかぶれ始めたということは、いったい何を意味するのかについて考えて参考になるものがないかと探して見たときに、本場のアメリカのリバータリアンについての観察で興味深い指摘があった。それはテキサスで石油会社を経営した経験を持つ日本人で、その後ジャーナリストになったという奇妙な経歴を持つ藤原肇が、「小泉純一郎と日本の病理」という本の中に書いている石油地帯におけるリバータリアンの生態と思想である。
http://images-jp.amazon.com/images/P/4334933688.09.LZZZZZZZ.jpg
たった1000円しかしなかったこの本の中には、日本の秘密やアメリカの秘密が山のように書いてあったので読んでみて驚いてしまったが、日本人が知らない大切なことが書いてあると思うので、リバータリアンについての所を長いのでスキャンして以下に引用する。出版社にお願いだが、日本の為に著作権違反だなどとケチな事をいわないで貰いたい。
<以下貼り付け>
「全世界に石油会社の社長が２万人近くいて、その８割が中西部からテキサスTexasやルイジアナLouisianaに分布する。だが、これらの中小の石油会社small and mid-size oil companiesを経営する社長たちownersは、資産を持つ独立独歩の個人主義者individualistとして、公的な場において共和党を支持supportしても、ほとんどが心情においてリバータリアンである。ところが、彼らは自らはリバータリアンだと言わないどころか、そう名乗る人間を軽蔑視looking downすることが多い。
それは日本で公明党員だと名乗る人が少ないのに似ており、名乗らない理由の背後に創価学会があるからだ。もっと社会学的な考察を加えて言えば、こうした集団に属すかなり多くの人が、日本では社会の最下層を構成しているので、それが差別意識sense of discriminationを誘発しかねないのを恐れるためもある。
リバータリアンは公明党員と置かれた社会階層social classが違うとはいえ、名乗ることによって差別discriminateされることを嫌っている。また、リバータリアンという呼び名は彼ら自身のものではなく、民主党や共和党の側からの蔑称derogatory termに他ならない。最近の日本ではアメリカ風を好むせいか、自分がリバータリアンだと吹聴する人がいるようだが、これは言葉を文字面で理解した勇み足で、意味論に精通していないための混乱だ。儒教が封建体制を支えたのは歴史的な事実であり、「論語」や孔孟の教えを敬愛するからと言って、今の社会で「自分は封建主義者だ」と名乗れば、誤解されて終わるのが世の常なのである。
くり返して強調して置くが、中西部に根付く共和思想は自立精神に支えられており、責任感responsibilityを伴なう個人の内面の自由と結びつくので、それは自制心self-control mindに裏打ちされたエリート的な自由なのである。だから、リバータリアンは自分がエリート的な自由を持つことを隠す点で、ポピュリズムやテキサス人Texan流の粗野な放縦wild self-indulgentとも違っている。」
<貼り付け終わり>
興味深いことにこの記事がある章の題名は「賎民資本主義」と題している。この言葉がマックス・ウェーバーの学問に由来しているという説明があるが、結論として言っているらしいことは新自由主義が賎民資本主義の別名だということだ。だから、賎民資本主義を推進する小泉内閣が創価学会と組んで連立内閣を続けていて、日本中が新自由主義を謳う小泉内閣に引きずられて『一億下流民』という賎民化に熱中しているのだし、賎民資本主義に迎合した日本のマスコミがバスに乗り遅れるなとばかり、小泉政治の応援団に成り果ててしまったということなのだと解釈できるのである。
馬鹿な人間を馬鹿だというと差別したと非難の声が上がるし、賎民とか「明きめくら」と書くとこの国では差別用語だと非難されて逆差別されるが、これはマスコミを支配している言論ファシズムによる言葉の自縛さようであり、言葉という民族文化の伝統を否定する言葉の奴隷だというものだから、焚書ならぬ言葉の抹殺が日本では自由と民主主義の名の下にまかり通っているというしかない。
自民党が自由民主主義の名の下に国民を甘やかせたことで、福祉国家として過剰な依頼心を国民に植え付けてしまったし、役人と政治家は利権として税金と国家財産の食い荒らしを行い、日本中にこじき根性を日本中に植えつけたせいで、現代日本におけるビジネスはカネもうけの代名詞になってしまっている。そうした乞食や詐欺師の中から元気のいいカネの亡者として、ソフトバンクの孫正義、ライブドアーの堀江貴文、村上ファンドの村上世彰、オリックスの宮内義彦、小泉内閣の竹中平蔵のような乞食の大将が、新自由主義の名の下に賎民資本主義の英雄としてもてはやされ、政治詐欺を改革と称した小泉純一郎首相を総大将として、小泉チルドレンのイエスマン政治家共に日本のマスコミの人気を集め、その薄痴的な言行がテレビや雑誌で書きたてられてきたのであった。乞食根性による賎民資本主義の礼賛とブームが小泉内閣の支持率を集めたのだし、南無妙法蓮華経を有難がる日本という『国家の品格』の正体として国民を狂わせたのである。
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