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【政治面】2006年06月09日(金曜日)付
「防衛省」法案、表舞台に きょう国会提出
政府は8日、安全保障会議を開き、防衛庁を省に昇格させる法案を決定した。防衛庁設置法、自衛隊法など関連法改正を一括して「省昇格法案」とするもので、9日に閣議決定し、国会に提出する。ここ10年間浮かんでは消えてきた防衛庁の「悲願」が初めて国会審議の舞台に乗る。だが、政府・与党は省昇格法案を今国会では継続審議とし、「ポスト小泉」政権に委ねる方針。国会終盤での「駆け込み提出」には、公明党が来年の統一地方選や参院選への影響を考慮し、了承に転じたことが背景にある。(喜多克尚、鶴岡正寛)
安全保障会議に臨む額賀防衛庁長官=8日午後、首相官邸で
●公明、容認へ急転換
「省になると自衛隊をコントロールしにくくなるんじゃないか」「周辺国の理解は得られるのか」。公明党は8日の政調全体会議で省昇格法案を審議したが、反対意見が相次いだ。「多数決で決めろ」との声も出た。
党執行部は結局、法案の了承にこぎ着けた。だが、神崎代表は(1)自衛隊の活動はあくまで憲法9条の枠内(2)集団的自衛権の行使は認めない(3)防衛予算拡大に政治の責任で歯止めをかける――という異例のコメントを発表した。党内に根強い不安や不満への配慮だった。
97年の政府の行政改革会議最終報告で「政治の場で議論すべき課題」とされて以来、防衛庁は省昇格を悲願としてきた。
自民党は昨年11月、法案の今国会提出を打ち出し、神崎代表らも省昇格を容認する路線に転換した。しかし、公明党内では反対論が噴出。今年1月に防衛施設庁の官製談合事件が発覚し、党内議論はストップした。
だが、6月に入ると党執行部は提出に傾いた。党幹部は「来年は統一地方選と参院選がある決戦の年。党内外で異論のある面倒な法案の処理はできない。今国会に提出し、秋の臨時国会で最優先課題として審議するしかない」と語る。
別の幹部は民主党の小沢代表の手法への懸念を指摘する。「公明党が省昇格法案をつぶしたら、小沢民主党は公明党が絶対にのめない『国防省法案』を出し、与党に亀裂を入れようと狙ってくる。自公連立にヒビを入れることは避けたい」
●海外活動、格上げも狙う
防衛庁は現在、内閣府の外局に位置づけられている。「防衛省」になれば、法案提出などの閣議開催の要求や、予算の財務相への要求などを直接行える。
ただ、政府内には「省庁の内部の話。国民には何も変わらない」(政府高官)との指摘もある。組織の「格上げ」には、職員の士気を高めるなどの象徴的な意味合いが強いとされる。
省昇格法案には、自衛隊の海外活動を「付随的任務」から「本来任務」に格上げする自衛隊法改正案も含まれる。自衛隊法の付則などで規定されていた任務に、本則で規定されている国土防衛や災害派遣などと同等の重みを持たせる。
公明党は、国際緊急援助活動や国連平和維持活動(PKO)の本来任務化には賛成の立場。ただ、周辺事態での後方支援に加え、イラク派遣など特別措置法で対応してきた海外活動まで本来任務にすることには「国民の理解を得にくい」などと慎重な姿勢だった。
このため、政府は「シビリアンコントロール(文民統制)がおろそかになってはならない」(神崎公明党代表)とする同党の懸念に配慮。首相が安全保障会議に諮問する事項に、自衛隊の海外活動を追加するよう法改正をめざす。
http://www.asahi.com/paper/politics.html
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