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出典 http://anarchist.seesaa.net/article/18791461.html#more
【特攻を美化する売国奴へ】---(反米嫌日戦線「狼」美ハ乱調ニ在リ)
海軍少尉候補生 大塚晟夫(あきお)
中央大学専門部卒業、学徒出陣で海軍横須賀海兵団に入団。昭和20年4月28日、沖縄嘉手納沖にて特攻により戦死。23歳。
俺の回りには十数人がゴロゴロ寝ている。
之が皆生神様と新聞で言われている連中だ。
俺もその一人だそうだ。
新聞なんて馬鹿なことを言うもんだ。
人間が命懸けて死なそうとするのが新聞だ。
報道班員だ、何だと言う連中こそ愧死(きし)すべきだ。
新聞紙上を賑わす様な死に方は俺は真平御免だ。
遊び半分で死ぬんじゃないからね。
俺は昔は新聞紙上で勇壮な記事を見て感動したが、今静思するにあれは驚くべき錯誤だね。
黙ってニッコリ笑って自己の本領を発揮して新聞記事に載らない人間が如何に多く、そしてそのような人等こそ本当の偉人だということを俺は知っている。
俺は新聞なんかに載せられて茶化されんのは厭だね。(略)
はっきり言うが俺は好きで死ぬんじゃない。
何の心に残る所なく死ぬんじゃない。
国の前途が心配でたまらない。
俺の抱いている爆弾は君等を守る爆弾だ。
それを俺が実行しなくて誰がする。
特攻の当日、出撃直前に書かれた日記
外では蝉が泣いている。
いろいろの蝉が。
出撃の我が行祝ふ蝉しぐれ昨日も慰問団がきたそうだ。
丁度俺たちは飛行場で整備していたが、彼らは帰る時に飛行場の端で我々の方を向いて土下座して拝んで成功を祈って行ったそうだ。
拝まれているのが俺だとはどう考えても不思議だ。
大した出世をしたものだと昨日つくづく思ったね。
そして必ず巧く命中せねば申し訳ないと思った。
「好きで死ぬんじゃない」大塚は、昭和20年4月28日午後3時に特攻に飛び立った。
大塚が「人間が命懸けて死なそうとするのが新聞だ」と批判した新聞各紙は、特攻を美化賛美し、国民感情を刺激する記事を書き綴っていった。
昭和19年11月14日東京朝日新聞の記事より
陸海の神鷲 相次ぐ必殺の体当たり
「出発の時は迫った。4名の荒鷲は参謀長に直立不動挙手の礼も凛然と『田中曹長以下4名只今出発します』の一言を後に愛機に向かって静かに歩み始めた。『おい隊長殿の仇をしっかりとるのだぞ』と言う田中曹長の声を最後に機上に上る荒鷲の胸に抱かれた白木の小箱の純白がこの還らぬ出撃行を一層神々しいものにする。『曹長殿』と走って来たY軍曹が機上の曹長に隊長の遺影を手渡した。『お前もすぐ後から来い』といわれてうなづく軍曹の頭には爆傷を蔽う白布が痛々しい。やがて爆音と共に隊長機が発進した。続いて二番機、四番機がまだ明けやらぬ基地を後に星空に昇って行った。そして上空に美しく輝く翼燈の灯りも鮮かに機は飛行場を一周すると見事な編隊を組んで東の空遠く消えて行った。手に手に泣いて帽子を振りつつ整備員たちはいつまでもその灯りを追って祈るかの如きその姿を崩さなかった」
富永恭次比島方面陸軍航空部隊指揮官の特攻隊員への挨拶
「陛下の忠勇無比なる諸子、神州日本の正義神国日本の正気発して万朶の桜となる。その名も床しき万朶の諸子である。諸子は今将に、陛下のために身命をなげうたんとす、一身は鴻毛よりも軽く敵艦船必殺の使命は富嶽よりも重い。諸子は先般敬愛する上官を失ったが、弛む撓(たゆ)むことなく上官の分まで任務達成に努力されよ。その成功を指揮官は心から祈る」
俺は、以前にもブログにて特攻隊員の手記を載せてきた。
http://ch.kitaguni.tv/u/5028/%c6%c3%b9%b6%a4%f2%c8%fe%c3%cc%a4%c8%a4%b9%a4%eb%c7%e4%b9%f1%c5%db%a4%d8
『きけわだつみのこえ』などの遺書を読むときには、必ず涙が込み上げてくる。
この記事を書いているいまもそうだ。
泣きながら書いている。
彼らは神州日本の正義でもなく、靖国に祀られる神様でもない。
英霊として称えられることが、彼らの本望だったなどとは決して思えないのだ。
ましてや、彼らに特攻を命じた理念無き戦争責任者とともに祀られるなんてことは、耐え難い屈辱に他ならないだろう。
戦後の我々が「国を想う純真な気持ち」などと決め付けるのは、あまりに身勝手な考えだと、俺は断罪する。
彼らの一種、恨みにも似た感情は、国から「死ね」と命令された者の、それこそ「純真」な感情であったろう。
そして、性懲りも無く、「終戦記念日」に靖国に参拝する、遺族でもない戦争を知らない「国民」の群れに嘔吐し嫌悪感を覚えるのである。
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