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1日の本会議「法案の構成そのものが、国民投票法とは改憲を行うための法律であるということを如実に物語って」いる(辻本清美)
http://www.asyura2.com/0601/senkyo22/msg/755.html
投稿者 heart 日時 2006 年 6 月 03 日 14:24:04: QS3iy8SiOaheU
 

http://www.kiyomi.gr.jp/blog/2006/06/02-994.htmlより転載。

6月1日本会議質問
代表質問

6月1日
社会民主党・市民連合
辻元清美

社会民主党・市民連合の辻元清美です。
 
国民投票法案を論ずるにあたり、まず指摘しなければならないのは、なぜ、今急いでこのような重要法案を提出したのかです。
最も重要な憲法に関する法案であるだけに、その制定の是非は、あらかじめ選挙で主権者に問うくらいの姿勢が必要です。

各種の世論調査でも、国民投票法の制定は慎重にすべきとの意見が60%以上です。それを会期末になって、突然、法案を出したということは、「急ぐべきではない」というこの主権者の声を置き去りにするものです。

社民党は、現行憲法を活かした政治を実現することこそが重要である、と考えています。
したがって、いま、憲法改正のための国民投票法が必要であるとは考えていません。

私は、国会の外のこの『今急いで決める必要はない』との多数の人々を代表している、という立場で質問をいたします。

まず、はじめに、果たして、今のような国会の状況で、憲法に関する重要事項を論ずることができるのか、と申しあげたい。
憲法とは、国民の権利を侵さぬように、「国家機関の権力行使を制約する原則」を定めたものです。これが近代憲法についての、世界的な常識です。

しかし、昨今の国会では、すべての基本になるこの認識すら無視された論議が、横行しているではありませんか。

この共通認識が築かれない限り、憲法についてのあらゆる議論には入れません。
そこで、まず、憲法とは、どのような法規範であるのか、誰が誰に対して、何のために発するものなのか、という憲法についての基本認識を、両案提出者に求めます。

また、現行憲法の改正は、憲法96条の規定に従ってなされるものですが、憲法改正には限界があり、全面改正、あるいは新憲法制定は認められていない、というのが通説です。
そこで、両案の提出者に、憲法改正の限界についての見解を求めます。

改正の限界については、現行憲法の基本原理である、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義すなわち戦争放棄、という柱は変えてはならないもの、と考えますが、両案提出者の答弁を求めます。

昨年、自民党は「新憲法草案」を発表しました。この草案については、「国民が遵守しなければならない責務を国家が規定している」などの点において、近代憲法の原理や現行憲法の改正の限界という憲法の基本を逸脱している、という指摘が専門家からも出されています。

自民党の「新憲法草案」についてのこのような指摘を、民主党の法案提出者はどのように考えますか。率直な意見を求めます。

このように、政権与党の中ですら、憲法について国際常識と異なる認識が通用している今のような政治状況を放置したまま、国民投票法案について議論することは、本末転倒と言わざるを得ません。


「国民投票法案は国民投票の手続を定める単なる手続き法である」、と説明されています。果たして本当にそうでしょうか。
大問題があります。
それは、どちらの国民投票法案の中にも、国会法の一部改正が組み込まれていることです。

国民投票法は、主権者たる国民が、「憲法改正案の是非を選ぶ方法」を定めるものです。その中に、国会法による「国会内での改憲案の発議手続など」を入れ込んでいます。両者は性格が全く異なります。一部に関連する事項を含む場合でも、一つの法案にまとめるべきものではありません。

このように「国民に問う手続き」と「国会内の運営や手続き」という全く次元の違うものを一つの法案で処理しようとしている。どのような理由で、そのようなことが許されるのでしょうか、両案提出者の答弁を求めます。

さらに、両法案は、「国民投票法案」という表題からは、想像すらできないような内容を規定しています。
国会に「憲法審査会」なるものを新しく設置するとしている点です。

この「憲法審査会」の機能はどのようなものであり、どのようなことを審査するのか、まず、両案提出者の答弁を求めます。

この「憲法審査会」は、憲法改正原案を審査するだけではなく、自ら憲法改正原案をつくり、提出することもできる、となっているではないですか。

それも、閉会中も常にいつでも審査が可能で、手続きなしで次の国会に継続できる。これに加えて、国民投票法の本体は公布の日から2年後に施行(しこう)されるのに対し、この憲法審査会は、公布後、最初に召集される国会から設置されることになっています。

もし、この法案が今国会で成立したら、次の国会から直ちに、憲法改正原案の審査が開始でき、閉会中もその審査を継続し、憲法改正原案をつくることまでできる、ということになるのです。

「改憲」の中身を具体的に審査し、決定するような機関を国会の中につくるかどうかは、それだけで、時間をかけた国民的議論が必要な、政治の最重大課題です。

国民投票の手続を決める法案に、そのような重要な機関の設置まで盛り込むことが妥当と考える理由は、どこをさがしても、見当たりません。両案提出者の見解を求めます。

これでは、直ちに、憲法改正に着手するための「改憲準備法案」ではないですか。

「国民投票法は単なる手続きで、改憲の議論とは切り離して制定する」と言いながら、いみじくも、この法案の構成そのものが、国民投票法とは、改憲を行うための法律であるということを、如実に物語っています。


「国民投票法が整備されなかったのは立法府の怠慢だ」と叫ぶ人がいます。
私は、立法府の『怠慢』ではなく、立法府の『意思』であり、熟慮した『政治的選択』であったと申し上げたい。
自民党など保守の人たちも含めて、歴代の内閣もまた「改憲手続き法」を作らないことに、意味を見出してきた。そんな歴史的背景があった、と考えるべきです。

悲惨な戦争の体験から、現行憲法の基本理念に基づき、特に憲法9条に代表される平和路線を貫いた国づくりをする、という「立法府の選択」の結果、国民投票法が作られてこなかった。世論もこの立法府の姿勢を、長年支持してきたので、作られてこなかったのです。

この基本的な日本の生き方を、変更していくことにつながっていく、と考えるからこそ、今なお、「慎重に取り扱って欲しい」という声が多数を占めているのではないでしょうか。

60年間、作られてこなかった意味の重みを噛み締めることなく、「単なる手続き法」と言いながら、「改憲」に自動的になだれ込むような装置を備えた法案を、急いで作ろうとする今の立法府の姿勢は、日本の将来を危うくするものです。
両法案の撤回を求め、私の質問を終わります。

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