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民主修正案丸呑み与党の本質(レイバーネット)
http://www.asyura2.com/0601/senkyo22/msg/704.html
投稿者 天木ファン 日時 2006 年 6 月 02 日 09:38:47: 2nLReFHhGZ7P6
 

小倉です。共謀罪成立の危機です。

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http://alt-movements.org/no_more_capitalism/modules/weblog/details.php?blog_id=59

法を弄ぶ与党=民主修正案丸呑み与党の本質

今日の夕方、NHKの報道で与党が民主党の共謀罪修正案を丸呑みし、明日金曜日の法務委員会で採決に持ち込む方針をかためたという報道を聞いて、まさかと思う半面、やっぱりと思わざるを得なかった。与党にとって、法は単なる権力の道具でしかなく、自ら法によって支配されるつもりなどもうとうないのだ。こういう社会を法治国家とは呼ばない。一般に、法を権力の道具として権力が法を超越するような力をもつ体制を「ファシズム」と呼ぶ。

NHKの報道では、今回の丸呑みの背景を次のように述べている。

引用:
与党側はこれまで、民主党の主張は、国際的な組織犯罪対策で連携するための「国際組織犯罪防止条約」の内容とは相いれないとしてきましたが、サミット・主要国首脳会議の参加国で、この条約を批准する条件が整っていないのは日本だけとなっている中で、サミット前に改正案を成立させ、条約批准に向けた取り組みを進めていることを内外に示すねらいがあるものと見られます。

もし本当にサミットへの手土産としての共謀罪の成立であるとすれば、これは理由にならない。

そもそもこの国に共謀罪の立法事実(法律を制定しなければならないような国内の社会情勢)はない。日本には、組織犯罪対策(あるいはテロ対策)を必要とするような状況はない。共謀罪が成立しないことで、日本国内が組織犯罪やテロの激化を招くということも想像できない。与党が主張しているように、民主案で条約を批准することはかなり難しい。そのことがわかっていても、民主案丸呑みにするのはなぜか。社民党の保坂展人(注)は、「おいしい話には裏がある」として、「いったん無理に口をこじ開けて「丸飲み」をした民主党案(再修正案)を秋の臨時国会で「吐き出す」(再び与党が修正=元に戻す)という噂」があると紹介している。民主案では条約批准できなければ、再修正は早晩免れないだろうことは容易にわかる。こうした与党の思惑を射程に入れた場合、この民主案丸呑みで、実は民主党の方が与党の政略に呑み込まれたというべきだろう。
(注)http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/ab54e4ab64b7f41fcc8763df3019d3d5

法務省はどうする

法務省は、自サイトで民主党案を絶対受け入れらないとして、反論を展開していた。もし、与党が民主案丸呑みの場合、法務省はこれまでの民主党案批判をどのような理由で撤回し、逆に自説を自己批判するのだろうか。もし、理由もなく政府の方針に従い、民主案を受け入れるということになれば、法務省は法の合理性を捨て、政治的な判断によって、法を左右する役所であるということを公然と示すことになる。これは、法の権威を失墜させ、法の正統性を揺るがすことになる。政府原案が間違いであったというのであれば、法務省の責任問題は免れない。法務大臣は辞任、刑事局長の更迭といった処分は当然だろう。

与党=政権が全てを支配する。

同時に、与党の責任も免れないはずだ。立法府は、内閣から独立して法を制定する機関である。共謀罪については、内閣が法案を提出し、与党がこの法案を支持し、その妥当性を主張してきた。政府=与党側はさまざまな批判を受けながら、これに対してなんとか法案の正統性を論じてきた。(私はこの与党側の主張を妥当とは思わない)政府=与党案は多くの批判を浴びてきたが、これまで一度たりとも批判を受け入れたことはない。今回の民主案丸呑みに際して、政府=与党は原案が間違いであったと認めていない。政府=与党は、民主案を丸呑みするのであれば、これまでの政府の主張が間違っていたと自己批判することが必要だろう。もし、こうした批判なしに、合理的な理由なく民主案を丸呑みする態度をとるのであれば、これは、多数派である与党が政府の執行権力の都合にあわせて立法府を引きまわすことに他ならず、事実上の立法府の独立を蔑ろにする態度であるだろう。

なぜ廃案で徹底できなかったのか

民主党が修正案を出した段階から、反対運動のなかでは、与党が民主案を受け入れる危険性を危惧する声があった。民主党が修正案路線をとった段階で、原則をふみはずした。その結果、与党の土俵にひきずりこまれ、与党の策略に呑み込まれた。共謀罪で抑えておくべき大原則は、いっさいの実行行為のない段階での共謀の犯罪化は、人々のコミュニケーションや行動の日常的な監視と予防検束といった警察権力の肥大化を招く一方で、市民的な自由を大幅に侵害するということだ。この点は民主案でもまったく払拭できていない。特に、国勢的な犯罪に限定すればよいという考え方は、市民運動や労働運動、NGOの運動がグローバルな連帯に基づいて展開されているなかで、むしろ百害あって一理なしの修正案である。民主党案をもとにしたばあい、警察などの法執行機関は、移住労働者の団体や国際的な人権団体や環境団体を格好のターゲットとして取り締まることになるだけだ。

この耐えがたい茶番を(民主党案の)共謀罪成立という最悪の結果で終わらせてはならない。民主党案丸呑みの与党の責任を徹底して追求し、与党の本音を吐き出させなければいけない。与党のマヌーバーを許さないしたたかさが民主党にあるのかどうか私には判断できない。現在の共謀罪をめぐる政治情勢を、国会の中の議員たちの政治的な駆け引きに還元するような見方(マスコミが好んでとる態度だが)をしてはならない。共謀罪の問題は、私たちの市民的な自由の権利それ自体の危機の問題である。権利は闘わなければ維持することも獲得することもできないのだ。政治家に委ねる問題ではない。共謀罪廃案の鍵を握るのは私たちなのだ。政治の茶番を許さず、いかに闘うかにかかっている。
(小倉利丸)


http://www.labornetjp.org/news/2006/1149178082730staff01

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