★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK22 > 623.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
◇米軍再編 見切り発車のツケ重く
政府は在日米軍再編に関する基本方針を閣議決定した。しかし、沖縄県など関係自治体の同意はいまだ得られていない。基地問題は地元の理解と協力なしに解決は難しく、見切り発車のツケは重い。
「政府は閣議決定に当たり、各地域と十分対応するということだったが、そうではなかった」
沖縄県の稲嶺恵一知事は閣議決定について、政府に裏切られたと言わんばかりに不満を表明した。やっと解けかかった糸が再び、もつれ始めたようだ。
政府と沖縄県はさる十一日、普天間飛行場の移設について、政府案を基本に調整していくことで合意した。政府は閣議決定で、県の意向に配慮して、具体的な滑走路の建設場所や建設計画の策定時期の明記は見送った。
ただ、政府案を容認していない姿勢などを盛り込むよう求めた県の修正要求には応じず、最後は同意のないまま押し切った。
苦渋の選択で協議のテーブルについた知事にとって、話し合いを打ち切って閣議決定した政府の態度はだまし討ちに映ったのではないか。
政府が決定を急いだ背景には、六月二十九日の日米首脳会談があるとの見方がある。ブッシュ米大統領との有終の美のために、県民感情を逆なでするようなやり方をしたのなら許されない。
だが、もっと沖縄に不信感を抱かせたのは地域振興の扱いだ。
今回の閣議決定の中で、普天間移設に関する一九九九年の閣議決定を廃止した。県側は「九九年の決定には北部振興策などが盛り込まれていた。今後どうなるか担保がない」と、あらためて振興策を明記するよう求めた。しかし、本年度中は振興策を継続するとだけ記された。
政府の言うことを聞くならカネは出すが、抵抗するなら打ち切る−。そんなメッセージと受け取られても仕方がないような表現だ。
県だけでなく沖縄振興を担当する内閣府からも、主導した防衛庁に不満が出たというのもうなずける。
新たな政府方針には、建設計画と安全・環境対策、地域振興に関する関係自治体との協議機関の設置も盛り込まれた。早急に始めるべきだが、今回の地元反発の影響が懸念される。
米軍再編は個別の基地移転や費用負担など実施段階に入る。ただ、沖縄だけでなく、多くの自治体が反発したままだ。閣議決定の中に米軍基地の安定的な使用には「幅広い国民の理解と協力が必要」とある。政府は地元と真摯(しんし)に向き合い、話し合うことを忘れてはならない。
http://www.tokyo-np.co.jp/sha/
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK22掲示板