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□「二つの戦後」問う総裁選/山田孝男 [毎日新聞]
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060529k0000m070110000c.html
発信箱:「二つの戦後」問う総裁選 山田孝男(編集局)
福田康夫氏がワシントンでチェイニー副大統領以下と会って「存在感を示した」という報道は釈然としない。それでなぜ存在感を発揮したことになるのか、行き届いた説明がない。米政府要人にお目通りがかなったので自民党総裁候補(=日本の首相候補)に近づきましたという安直な判定が許せない。
百歩譲ってそれがアメリカ一極支配の現実であるとしても、新聞・テレビは無邪気に存在感うんぬんの紋切り型報道を競うべきではない。日本のメディアとしての自問が欠けている。
とまれ、総裁候補に擬せられている福田氏の存在感の本質は、ポスト小泉の本命・安倍晋三官房長官の対抗馬ということに尽きる。首相の靖国神社参拝を是とする安倍氏は、戦後日本の左傾と惰弱を憂える人々を背景にしている。首相の参拝を非とする福田氏の背後には、90年代以降の日本社会の右傾と不寛容を憂える人々がいる。
米国滞在中、福田氏は国会議員や研究者ら50人以上と会い、日中関係を中心に外交問題で意見交換したという。好むと好まざるとにかかわらず、靖国問題と近隣外交・安全保障が秋の自民党総裁選の争点になると見るゆえんだ。安倍氏は出馬の決意を示唆した。福田氏は態度未定だ。福田出馬なら混戦、不出馬なら「安倍首相」かという政局である。
存在感とは「ただそこにいるだけで、独特の持ち味につい引きつけられる感じ」(新明解国語辞典)をいう。安福対決は第二次大戦後と冷戦後という「二つの戦後」を乗り越え、日本という国の新しい存在感を問う戦いでもある。(編集局)
毎日新聞 2006年5月29日 0時05分
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