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□共謀罪採決 待ったかけた小泉首相 [ゲンダイ]
http://news.www.infoseek.co.jp/gendainet/story.html?q=25gendainet02026411&cat=30
共謀罪採決 待ったかけた小泉首相 (ゲンダイネット)
小泉首相の「鶴の一声」で、悪法の共謀罪の強行採決にストップがかかった――先週末の朝日新聞などがデカデカと報じた。これだけ読むと、「首相はなかなかやるな」となるが、そんなリッパな事情ではなかった。
19日(金曜)の朝刊は各紙とも「共謀罪法案きょう採決」と報じた。ところが、その朝、官邸から自民党幹部に指示が伝えられ、午後からの衆院法務委員会では強行採決が見送られた。これで共謀罪の今国会での成立は困難になったという。
「目配せしただけでアウト」の共謀罪については野党ばかりか言論界からも反対が強い。小泉首相はそうした世論に配慮したと好意的に受け止められているが、ウラを知ると笑ってしまう。
「小泉首相は共謀罪などどうでもいい。困るのは野党が反対する中で与党が強行採決したら、審議ストップが確実で、国会は大幅延長に追い込まれる。その大幅延長を嫌っているのです。というのも国会が6月18日に閉会した後で、首相は訪米を予定している。最後の訪米ですが、大きな懸案がないことから、食事会や観光を今から非常に楽しみにしています。もし国会が延長されると、スケジュールが短縮されるし、羽を伸ばすわけにいかず、楽しみも半減です。で、仕事抜きでアメリカ旅行を楽しみたいから、強行採決と国会延長にストップをかけたのです」(政界事情通)
6月下旬の訪米で、小泉首相の最大の楽しみはエルビス・プレスリーの生誕の家を訪れること。ブッシュ大統領のお膳立てだが、これが共謀罪成立に勝ったのである。これじゃ、単なるミーハー首相だ。
「もうひとつ、総裁選への計算もあります。国会が大幅延長されると、閣内の安倍官房長官や麻生外相、谷垣財務相は出馬宣言しづらく、反小泉網が出来てしまう。安倍氏に早く立候補宣言させるためにも、国会は閉めちゃおうということ。でも、司令塔不在の国会で右往左往させられている現場からは、首相の気ままぶりにブーブーですよ」(自民党関係者)
小泉政治とは、この程度のものなのだ。
【2006年5月22日掲載記事】
[ 2006年5月25日10時0分 ]
▽関連記事
□共謀罪法案、成立は困難 議長仲裁、背後に首相の指示 [朝日新聞]
http://www.asahi.com/politics/update/0520/001.html
共謀罪法案、成立は困難 議長仲裁、背後に首相の指示
2006年05月20日08時29分
自民、公明の与党は19日、「共謀罪」創設を含む組織的犯罪処罰法改正案の衆院法務委員会での採決を先送りした。国会が空転し、審議停滞を懸念する小泉首相の意向を受けた自民党側が河野洋平衆院議長と調整。議長の要請を受け入れる形をとったものだが、大幅な会期延長がない限り、同法案の今国会中の成立は困難な情勢となった。
与党と民主党は再び修正協議に入る構えだが、共謀罪が適用される対象犯罪などで隔たりは大きく、政府・与党側では「もはや歩み寄る余地はない」という見方が大勢。首相は会期延長には依然、否定的だ。議長を巻き込んだ収拾策をとったことで与党は採決を強行しにくくなり、会期内成立の見通しは立たなくなった。
◇
「国対委員長は現場から突き上げられて苦労している。励ましてほしい」。小泉首相は19日夕、首相官邸で自民党の武部勤幹事長にこう語りかけ、国会運営の指揮をとる細田博之国対委員長を思いやってみせた。
だが、「共謀罪」を盛り込んだ法案を19日に採決するという細田氏の強い決意をその日の朝になって覆したのは、当の首相の「鶴の一声」(党幹部)だった。
19日午前10時半。国会内で細田氏は、公明党の東順治国対委員長らと会っていた。「きょうの採決はしない」。関係者によると、細田氏はこう切り出した。採決に反対する民主党を相手にともに戦ってきた公明党には寝耳に水だった。
細田氏はこの後、自民党の矢野哲朗参院国対委員長、青木幹雄参院議員会長と相次いで会い、この方針を説明。その際、河野洋平衆院議長に調整を委ねる考えを示した。
細田氏と東氏はこの後、河野氏と会談し、民主党の渡部恒三国対委員長との仲裁を求めた。国会空転の際に議長が事態収拾に乗り出すことはしばしばある。だが、委員会の採決前の段階で議長が動くのは、極めて異例の事態だ。
議長とすれば、仲裁を求められれば「話し合いを続けて」と言うしかない――。河野氏の周辺は「議長は乗り気ではなかった」と明かす。
一方、午後1時開会の法務委員会では、こうした動きが十分に伝わらぬまま質疑が続けられていた。採決に移る気配がないので与党理事の一人は国対に電話をかけ、「どうなっちゃってるの?」。返事は「粛々と質疑して下さい」だった。
午後3時過ぎ、そのまま委員会が終了すると、法案を提出した杉浦法相は「何が起こったのか分からない」と首をかしげた。
自民党幹部の一人は、首相の意向と民主党の強硬姿勢に板挟みになった細田氏らについて「困り果てた揚げ句、議長にお願いしたということだ」と指摘し、「漂流国会だ」とつぶやいた。
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