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19日の質疑傍聴、そして不穏な響きが  【PEACE ON DAYS】
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投稿者 愚民党 日時 2006 年 5 月 22 日 01:04:32: ogcGl0q1DMbpk
 

(回答先: 共謀の力が止めた狂暴採決!  【BLOG版「ヘンリー・オーツの独り言」】 投稿者 愚民党 日時 2006 年 5 月 22 日 00:57:38)

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19日の質疑傍聴、そして不穏な響きが

19日朝、むっくりと起きていつも傍聴券をお願いしている議員事務所に電話をかける。今日の法務委員会は、13時からだそうだ。
昨日は最悪だった。前々日に気もちに衝動が襲ったので、昨日は寝込んでいなければいけないような体調だったけれど、PEACE ONの本来業務も溜まっているしで、なんとかもちこたえたはいいが、1日ほとんど泣いてばかりで、代表にもずいぶんと迷惑をかけた。
だけど、わたしはお喋りできなかったけれど、代表とバグダード支部長との電話で、イラクの支部長も「なんて法ができようとしているんだ。止めなあかんぞ、カオリ!」と云っていたらしい。ありがとう、あなたの言葉はわたしのパワーになるねんよ。

前日18日に、与党が強行に採決するなら、民主党は現在おこなっている衆参両院のすべての審議をストップする、とした。これはたいへんなことだ。19日になって、衆院議長の河野洋平さんが与党に慎重になるよう促したのが功を奏したのか、委員会の始まる前にはもう、今日の強行採決はなしということになっていた。

それでも現場は不穏な空気が漂っている。日に日に増す傍聴人も、警備員さんの不手際などですぐに文句が出たりするなど、怒りのエネルギーが充満してピリピリとしているのが、つたわってくる。わたし達は20分の傍聴の後、TV室で20分を過ごし、5分ほど廊下で待たされて、また20分の傍聴、というのを繰りかえした。法務委員会の傍聴席をたった16人までと決めているのは、委員長の石原伸晃さんだという話もある。
怒りのただなかにいて、自分の体力が消耗するのが分かる。できることなら穏やかでいたい。ウオータークーラーでお水を飲んで、こころを安静にしようとつとめる。

冒頭、与党側提案者の早川忠孝さんが再修正案の趣旨説明をおこなわれた。
これにたいし、民主党の細川律夫さんは、「2回の廃案と2回の修正のあった法案なんてあきらかにおかしい、撤回すべきだ」と突っぱねられる。たとえば、「犯罪の実行に必要な準備その他の行為」という文言の、「その他の行為」が不明だと。公明党の漆原良夫さんは、「共謀の範囲を超えた、共謀とは別の行為」とおっしゃる。けれど、殺人のためにホテルを予約することやその予約金のために銀行からお金をおろすことは、「その他の行為」にあたるとされる。そんな日常的な行為で罪だなんて、どんなことでも成立してしまい、歯止めがない。これまでの案とまったく変わらないじゃないか、と細川さんは指摘なさる。
また、共謀罪は逮捕はできても現実的には処罰すなわち起訴はできない、とのこれまでの与党側答弁を確認される。漆原さんは、共謀だけで逮捕というのは、理論的・法的には可能だけども現実的にはありえないとおっしゃる。「準備その他の行為」段階での現行犯逮捕が可能というなら、ホテルの予約でも共謀があったと確認あれば犯行が終わった時点で現行犯逮捕OK。そ、そんなかんたんなものなの? とわたしはあたまがこんがらがる。処罰できないなら、逮捕しなけりゃいいんじゃないの? 法務省刑事局長の大林宏さんは、「最終的には裁判官の判断」と言われるが、こんなできそこないで曖昧な法が運用されれば、投げ渡された裁判官もふつうならたまったもんじゃないわよね。

つづいて、社民党の保坂展人さんはまず、騒然となった例の暗黙の了解である「まばたき」発言について言及され、ぐたぐた言う法相の杉浦正健さんや大林さんになんとか撤回させた。当たり前だ。まばたきとかうなずきとか、そんな感覚的な物言いで議論に応じないでいただきたい。

民主党の平岡秀夫さんの質疑では、5月18日付け東京新聞の「こちら特捜部」欄での特集を採りあげられた。これは、凶悪犯罪捜査一筋の刑事と公安警察OBという、まさに警察や法を知り尽くした人物の説得力絶大のインタヴューで、PEACE ON事務所でも切り抜きしておくほど興味深い記事になっている。刑事さんは、しっかりした犯罪組織ほど警察より組織が怖くて密告なんかできない、こんなのは机上の空論に過ぎないと、言い切っている。年中、盗聴することも考えられると。また、今でも負担過剰な警察の現場では、重大事件の捜査に支障が出てくるとも言う。警察庁刑事局組織犯罪対策部長の米田壯さんは、盗聴については否定せず、暴力団などのターゲットは今でも継続的に見ているからきちんと対応できると、言われた。キャリアのおっしゃることって、信頼度が低い。おそらく、大きな影響が出るだろう。警察はノルマ社会だから検挙数を伸ばしたいだけという論にも、まさか警察庁は肯定しないが、うんうんうなずける。けっきょくは一般市民に手が伸びるのだ。
また平岡さんは、中止犯についても言及された。ふつうの犯罪では「やーめた」となれば刑が減免されるけれど、共謀罪の場合は実際の犯行を中止しても共謀罪で捕まってしまう。これはあきらかに、常識に反する。ほんとうに犯罪を減らしたいのなら、共謀罪においても減免するべきである。これはわたしも最もしんぱいしていることの1つだ。良心がはたらいて中止しても捕まるなんて、こころの自由を説いた憲法に違反していると思う。わたし達は、思いとどまるということを知っているはずだと、信じている。わたしが共謀罪自体に反対する理由も、そもそもはそこにある。
以前も質疑されていた各国での実態についての調査結果を求められると、外務大臣政務官の山中あき子さんは「米英は適切に運用されている」と、まあ立場上そうとしか言えないようなことをおっしゃるのだが、外務省はそもそもの条約から交渉してきたのだからと追求すると、なんと「言語も違うので、ご理解いただきたい」と言われるんであった。当然ながら、いっせいにヤジが飛ぶ。ご冗談も休み休みに願いたい。
そして、修正案で5年以上の刑期としたことについて、将来もそうと約束できるかとの問いには、「現在は」としか答えられない山中さん。本音を隠せないようだ。
最後に、平岡さんが話されたカナダ人との会話が、穿っていてわたしの気に入った。かれは知り合いのカナダ人に「カナダで共謀罪が施行されているけれど」ともちかけると、「日本は警察権力の乱用があるが、カナダの警察は信頼されているからしんぱいない。日本でやったら、とんでもないことになる」と言われたそう。これには委員会も沸いた。ははは、笑うしかないね。

終了後に、座り込み集会ですこしスピーチさせていただいた。
わたしは国会前というのに失礼を承知で、「野党共闘といいながら、民主党がいつ裏切るかと不安でたまらないけれど、今日の委員会を聞いている限り大丈夫だと思う。民主党は、与党がのめないような修正案を出して、ぼろぼろの与党案にツッコミを入れまくって、審議を延ばそうとしているように見える」という風なことを発言させていただいた。きっと、息の長い闘いになる。こちらがへこたれるか、あちらがへこたれるか、そのどちらかだと思っている。

ところが、来週にも与党は民主党の修正案を丸のみにして通過させようとしている、という見方も出てきている。これを聞いた時には、息が詰まりそうになった。来週もまた山場、いつまで経っても山ばっかりだ。

おっとその前に、明日(もう今日やね)のイベント「イラクに咲く花」もお忘れなきよう。わたしはアラブ服とヒジャーブを身にまとい、イラク・チャイをお給仕させていただきます!

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