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●平岡秀夫メールマガジン
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05年10月21日
法務委員会質疑(条約刑法関係)(暫定案)
民主党 平岡秀夫
1、 総論
(1) 条約の交渉経緯
・ アダホック委員会第7回会合、第9回会合及び第10回会合に関する公電を開示せよ。(外務副大臣)
・ 法務大臣は、これらの公電を見たのか(7,12津川質問)。
・ 公電を確認するため、秘密会(国会法52条2項)の開催を要求する。(委員長)(2) 条約の承認、締結等状況
・ 本法案関係条約について、先進諸国における議会承認及び批准の現状と見通し。(外務副大臣)
・ 本法案関係条約の締結に当たり、先進諸国は、どのような国内法制化を行っているのか。(外務副大臣)
(3) 条約の留保
・ 本法案関係条約について、「条約法に関するウィーン条約」第19条に基づく留保を付することは可能か。(外務副大臣)
・ 本法案関係条約の規定に基づく留保及び「条約法に関するウィーン条約」第19条の規定に基づく留保の手続きを問う。(外務副大臣)
・ 我が国が「条約法に関するウィーン条約」第19条の規定に基づく留保を付した場合、どのようなことが発生するのか。(外務副大臣)
(4) 法案の一括化(サイバー犯罪条約)
・ そもそも、TOC条約とサイバー条約は性質の違う条約であり、ひとまとめにして法案として提出するのは乱暴ではないか。(法務大臣)
・ サイバー犯罪条約を批准しているのは,アルバニア,クロアチア,エストニア、ハンガリー、リトアニアなど少数であり,主要国において批准した国は存在していないのではないか。(外務副大臣)
2、 共謀罪
(1) 立法事実の有無
・ 法制審議会で、法務省は、「共謀罪について国内的には立法事実は無い」旨の説明をしているようだが、それは事実か。どのような根拠に基づいてそう認めたのか。(7,12辻質問 )(法務大臣)
(2) 国内法の基本原則との関係
・ TOC条約34条1項では、「自国の国内法の基本原則に従って、必要な措置をとる」とあるが、どういう意味か。同条2項との関係について、条約交渉ではどのような議論があったのか。また、その拘束力いかん。(外務副大臣)
・ 我が国の「国内法の基本原則」は「法益侵害の意思だけでは処罰しない」というものである。その基本原則に従い、共謀罪、陰謀罪は我が国では例外的に設けられているに過ぎない。この基本原則に従った立法化をすべきではないか。(法務大臣)
(3) 組織犯罪集団
・ TOC条約5条の国内法化に当たって、共謀罪について「組織的犯罪集団」の関与を必要とした国はあるのか(チリ、ノルウェー)。また、それらの国では、「組織的犯罪集団」をどのように特定しているのか。(外務副大臣)
・ 法案では、明文上「団体」が組織的犯罪集団に限定されていないが、明文で限定すべきではないか(条約では「金銭的、物理的利益を得るために…組織的な犯罪集団」、法案では「団体」)。「重大な犯罪」の幅広さと重ねると、団体とそれに関係するものとを広範に監視する「監視社会」を作ることになるのではないか。(法務大臣)
・ 組織犯罪処罰法6条の2で罪に問われるのは、「団体」に所属する者に限られるのか、「団体」の外にいる者も対象になるのか(法務大臣)。TOC条約5条で罪に問われるのは、組織的犯罪集団に所属する者に限られるのか(外務副大臣)。
・ TOC条約2条の「組織的な犯罪集団」は、「金銭的利益その他の物質的利益を得るため」のものに限定されているが、宗教的目的や政治的目的の集団は、含まれないのか。(7,12松野質問)(外務副大臣)
・ 組織犯罪処罰法6条の2の「団体」には宗教的目的や政治的目的の為に作られた団体も含まれているのではないか。(法務大臣)
・ 政府としては、我が国の国内に、越境的な組織犯罪を行っている又は行う可能性が高い団体として把握している団体はどのくらいあると見ているのか。(法務大臣)
・ (与党質問でも明らかなように、)ある団体が、組織的犯罪集団であるか否かは極めて不明確である。この条約の趣旨が、越境的な組織犯罪を防止することにあることに鑑みれば、我が国の刑法原則では極めて例外的な共謀罪の対象となる団体については、「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」に基づいて指定される「指定暴力団等」のように、予め国家公安委員会で指定する仕組みをとるべきではないか。(法務大臣)
・
(4) 顕示行為
・ TOC条約5条で、「犯罪行為の未遂又は既遂に係る犯罪とは別個の犯罪とする」ことを義務付けているが、予備罪及び準備罪は、この規定における「別個の犯罪」と解して良いか。(法務大臣、外務副大臣)
・ TOC条約5条で「その合意の参加者の一人による当該行為の内容を推進するための行為」には、予備や準備は入るのか。(外務副大臣)
・ TOC条約に基づき我が国で国内法制化を行うときには、「準備罪又は予備罪とそれらの共謀共同正犯又は教唆犯」という法体系でも良いのではないか。(法務大臣)
・ TOC条約5条で、立法化に当たって、「合意」に「準備行為(顕示行為)」を伴うことを認めているが、そうした国はあるのか(オーストラリア、ラトビア、サウジアラビア、ノルウェー)。(外務副大臣)
(5) 行為の越境性
・ TOC条約34条2項の「越境的な性質とは関係なく定める」と規定することについては、我が国政府は、どのような判断に基づいて合意したのか。(外務副大臣)
・ 「越境的な性質とは関係なく定める」という規定の受諾を留保することは、TOC条約の趣旨・目的に照らし、どのような不都合が生じるのか。(外務副大臣)
・ 条約交渉会合において、我が国は、犯罪の越境性に関して、「国際組織犯罪を防止し、その捜査及び訴追に関する国際協力を確保するには、一律に厳格な要件を定めることは適当ではない。」と主張したと聞くが、どういう趣旨か。(外務副大臣、法務大臣)
(6) 「重大な犯罪」
・ TOC条約で「重大な犯罪」とされる我が国の犯罪のうち、「越境性」の可能性のあるものと無いものを区分せよ(7,12辻質問)。(法務大臣)
・ 条約交渉会合においてリスト方式を主張した国があったようだが、どのような犯罪がリストに含むべき犯罪として主張されたのか。(外務副大臣)
・ アドホック委員会第10回会合において、リスト方式を主張する国の共同提案が出されたようだが、どのような提案だったのか。(外務副大臣)
・ 上記提案に対して、我が国は、どのような問題があると認識し、どのような対応をしたのか。(外務副大臣、法務大臣)
・ 「重大な犯罪」をリスト方式とするか否かについて、条約交渉では、どのような議論があり、どのような判断に基づいて、現行条文を受け入れることにしたのか。(外務副大臣)
・ 「重大な犯罪」を国内法化するに当たっては、内容を吟味した上で選別すべきではないか。法案の提案理由にそぐわない「重大な犯罪」が多いのではないか。(法務大臣)
・ 我が国の国内法において、共謀罪の対象を「長期4年以上の自由刑」に当たる犯罪の共謀とする合理的理由は何か(7,12津川質問)。(法務大臣)
・ TOC条約締結の必要性を指摘する理由として国際的な捜査共助を挙げる人がいるが、「長期4年以上の自由刑」という基準で特定された「重大な犯罪」であれば、各国の「重大な犯罪」はマチマチであって、国際的な捜査共助はできないのではないか。(法務大臣)
・ 「重大な犯罪」について、国内法化に当たって、「長期4年以上の自由刑」を「長期5年以上の自由刑」に限定した国があると聞くが、事実か。その国(ウクライナ)は、条約締結に当たって、どのような手続きをとっているのか。(外務副大臣)
・ 我が国では共謀罪が「国内法の基本原則」に従ったものと言い難い状況にあることから、我が国も、同様な手続きで、「重大な犯罪」をより限定して国内法化すべきではないか。(法務大臣)
・ ウクライナの例では「重大さの大きくない犯罪(2年を超えない自由刑)」「中程度の犯罪(5年を超えない自由刑)」「重大な犯罪(10年を超えない)」「特に重大な犯罪(10年以上)」という区分があって、共謀罪の対象となるのは後ろの二つ。日本については、長期4年以上5年以下の自由刑が課される犯罪にはどのようなものがあるのか。(法務大臣)
・ 日本の刑法の体系では長期5年超が重大犯罪との境目といってよいのではないか。(法務大臣)
(7) 捜査
・ 619個もの多数の犯罪に自首減免を認めることは、密告社会を生み出すことにならないか。(法務大臣)
・ 社会への影響を考えた場合、自首減免が認められるのは、その共謀が実行に移された場合には、被害が広範・重大で、かつ、事後の回復措置をとることが困難なものに限定されるべきではないか。(法務大臣)
・ 自白の強要、誘導的な取調べを防ぐとともに、捜査の信頼性を確保する為にも、捜査・取調べの可視化を行うべきではないか。(法務大臣)
(8) 「共謀」
・ 「共謀」、「陰謀」、「相談(TOC条約5条1(b))は、それぞれどう違うのか。このうち、「相談」については、立法化する必要はないのか(7,12松野質問)。(法務大臣、外務副大臣)
・ 「共謀」とは、どのような犯罪行為について、どこまで具体的な「合意」があることが要件となるのか。その要件は、どこで明確になっているのか。(法務大臣)
・ 「合意」は、TOC条約5条2項で「客観的な事実の状況により推認することができる」としているが、どういうことを規定しているのか(外務副大臣)。我が国法体系との関係は、どうなっているのか(法務大臣)。
3、 証人等買収罪
(1) 現行法との関係
・ 法案の「証人等買収罪」は、現行法にもある「偽証罪」、「証拠隠滅罪」の教唆犯とどのような関係にあるのか。(法務大臣)
(2) 証人等買収罪の問題点
・ 証人との打ち合わせのために、弁護士が、証人の交通費日当、打ち合わせの際の飲食費用を支払うことは、「証人等買収罪」に該当するのか。(法務大臣)
・ 「証人等買収罪」の創設は、検察側がその意に沿わない証言をする証人に対し圧力を加える虞が生じるのではないか。(法務大臣)
・ TOC条約23条の立法化に当たっても、「越境的な性質」及び「組織的犯罪集団の関与」という要件を付すべきではないか。(法務大臣)
4、 サイバー犯罪
(1) コンピュータ・ウィルス作成罪
・ 処罰範囲が広すぎるのではないか。電子ワクチンなどの製造行為も処罰の対象とするのか。(法務大臣)
(2) 保全要請
・ プロバイダ業者の実態をどのように把握しているのか。通信履歴の保全をするために、業者の負担がどの程度あると認識しているのか。(法務大臣)
・ 保全要請ができる場合を、「電磁的記録の消去又は改変の虞がある場合」に限定すべきではないか。(法務大臣)
・ 保全要請期間として、なぜ90日が必要なのか。その根拠を示せ。(法務大臣)
・ 保全要請期間を「30日以内に」短縮すべきではないか。(法務大臣)
・ 当局による本権限の乱用を防止するためにも、保全要請は書面で行わせるべきではいか。(法務大臣)
・ 当局による本権限の乱用を防止するためにも、実施状況を国会報告すべきではないか。(法務大臣)
(3) 差し押さえ
・ 差押さえ対象が広すぎないか。コンピュータがLAN網で接続されている場合など、令状での特定が無意味になってしまわないか。(法務大臣)
・ 差押さえ対象を明文で限定すべきではないか。(法務大臣)
(4) 猥褻物頒布罪
・ 刑法第175条1項後段「電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も同様」と改正することにより、行為の客体(電磁的記録)を拡張するとともに,現行法の「頒布(無償の譲渡行為もしくは販売以外の方法とされてきた)」と「販売(有償)」を一括して「頒布」としてまとめている。また、わいせつな記録等の電気通信の送信行為(実際は相手のコンピュータ上で複製されるだけで所有権の移転を伴わない)も「頒布」に含めようとしているなど、従来の「頒布」概念を改変している。構成要件の規定の仕方としては問題ではないか。(法務大臣)
警察庁分
捜査
・ 「共謀罪」を捜査する手法として、どのような方法が考えられるのか。盗聴、おとり捜査なども考えられるのか。(法務大臣、警察庁)
・ 国際的組織犯罪について国際的捜査共助の必要性が指摘されているが、国際的組織犯罪についての捜査共助は、どの程度行われているのか。(法務大臣、警察庁)
・ この条約の締結により、国際的組織犯罪についての国際的捜査共助の範囲は、どの程度拡大されるのか。また、その件数はどの程度が見込まれるのか。(法務大臣、警察庁)
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05年10月28日
法務委員会質疑(条約刑法関係)(暫定案)
民主党 平岡秀夫
1、 共謀罪
(1) 国内法の基本原則との関係
・ 組織的犯罪処罰法では、一定の組織的犯罪について、限定的にその未遂や予備も処罰することとしている。未遂や予備に至らない共謀を、より広範に犯罪の対象とすることは、刑事法の体系として矛盾しているのではないか。(法務大臣)
・ 我が国の「国内法の基本原則」は「法益侵害の結果が発生したものについて処罰する」というものであり、その基本原則に従い、共謀罪、陰謀罪は我が国では例外的に設けられているに過ぎない。TOC条約34条1項に基づき、我が国の「国内法の基本原則」に従った立法化をすべきではないか。(法務大臣)
(2) 組織犯罪集団
・ TOC条約5条の国内法化に当たって、共謀罪について「組織的犯罪集団」の関与を必要とした国はあるのか(チリ、ノルウェー)。また、それらの国では、「組織的犯罪集団」をどのように特定しているのか。(外務副大臣)
・ 法案では、明文上「団体」が組織的犯罪集団に限定されていないが、法務大臣が本法案で対象としたい「組織的犯罪集団」を定義するとどのようになるのか(TOC条約2条では「3人以上の者から成る組織された集団であって、一定の期間存在し、かつ、金銭的利益その他の物理的利益を直接又は間接に得るために重大な犯罪を行うことを目的として一体として行動するもの」)。(法務大臣)
・ 組織犯罪処罰法6条の2で罪に問われるのは、「団体」に所属する者に限られるのか、「団体」の外にいる者は、どのような場合に処罰の対象になるのか(法務大臣)。TOC条約5条で罪に問われるのは、組織的犯罪集団に所属する者に限られるのか(外務副大臣)。
・ TOC条約2条の「組織的な犯罪集団」は、「金銭的利益その他の物質的利益を得るため」のものに限定されているが、宗教的目的や政治的目的の集団は、含まれないのか。(7,12松野質問)(外務副大臣)。織犯罪処罰法6条の2の「団体」には宗教的目的や政治的目的の為に作られた団体も含まれているのではないか(法務大臣)。
・ 今回の共謀罪における組織性の要件は、現行の組織的犯罪処罰法における加重処罰する場合の組織性の要件と同じである。政府としては、これまでにこの要件を満たした事例として把握している団体はどのくらいあるのか。また、そのうち、越境的な組織犯罪を行っている、又は行う可能性が高い団体はどれくらいあると見ているのか(法務大臣)
・ (与党質問でも明らかなように、)ある団体が、組織的犯罪集団であるか否かは極めて不明確である。この条約の趣旨が、越境的な組織犯罪を防止することにあることに鑑みれば、我が国の刑法原則では極めて例外的な共謀罪の対象となる団体については、「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」に基づいて指定される「指定暴力団等」のように予め国家公安委員会で指定する仕組みをとるべきではないか。(法務大臣)
(3) 顕示行為
・ TOC条約5条に基づき、立法化に当たって、「合意」に「準備行為(顕示行為)」を伴うこととした国として、オーストラリア、ロシア、フィンランド、ラトビア、サウジアラビア等を挙げたが、これらの国は、「準備行為(顕示行為)」をどのように規定しているのか。(外務副大臣)
・ (10,21の質問でも指摘したが、)TOC条約に基づき我が国で国内法制化を行うときには、「準備罪又は予備罪とそれらの共謀共同正犯又は教唆犯」という法体系でも良いのではないか。(法務大臣)
(4) 行為の越境性
・ TOC条約34条2項の「越境的な性質とは関係なく定める」と規定することについては、我が国政府は、どのような判断に基づいて合意したのか。(外務副大臣)
・ 条約交渉会合において、我が国は、犯罪の越境性に関して、「国際組織犯罪を防止し、その捜査及び訴追に関する国際協力を確保するには、一律に厳格な要件を定めることは適当ではない。」と主張したと聞くが、どういう趣旨か。(外務副大臣、法務大臣)
・ 「越境的な性質とは関係なく定める」という規定の受諾を留保することは、TOC条約の趣旨・目的に照らし、どのような不都合が生じるのか。(外務副大臣)
(5) 「重大な犯罪」
・ (10,21の質問でも指摘したが、)「TOC条約で「重大な犯罪」とされる我が国の犯罪のうち、「越境性」の可能性のあるものと無いものを区分せよ」との同僚議員の質問(7,12辻)に対する回答いかん。(法務大臣)
・ 「重大な犯罪」を国内法化するに当たっては、内容を吟味した上で選別すべきではないか。法案の提案理由にそぐわない「重大な犯罪」が多いのではないか。(法務大臣)
・ 我が国の国内法において、共謀罪の対象を「長期4年以上の自由刑」に当たる犯罪の共謀とする合理的理由は何か(7,12津川質問)。(法務大臣)
・ TOC条約締結の必要性を指摘する理由として国際的な捜査共助を挙げる人がいるが、「長期4年以上の自由刑」という基準で特定された「重大な犯罪」であれば、各国の「重大な犯罪」はマチマチであって、国際的な捜査共助はできないのではないか。(法務大臣)
・ 我が国では、共謀罪が「国内法の基本原則」に従ったものと言い難い状況にあることから、我が国も、ウクライナと同様な手続きで、「重大な犯罪」をより限定して国内法化すべきではないか。(法務大臣)
・ ウクライナの例では「重大さの大きくない犯罪(2年を超えない自由刑)」「中程度の犯罪(5年を超えない自由刑)」「重大な犯罪(10年を超えない)」「特に重大な犯罪(10年以上)」という区分があって、共謀罪の対象となるのは後ろの二つ。日本の刑法の体系でも、長期5年超が重大犯罪との境目といってよいのではないか。(法務大臣)
(6) 捜査
・ (10,21の質問でも指摘したが、)共謀罪の自首減免は、社会への影響を考えた場合、認めるべきではない。仮に、自首減免を認めるとしても、それが認められるのは、その共謀が実行に移された場合には、被害が広範・重大で、かつ、事後の回復措置をとることが困難なものに限定されるべきではないか。(法務大臣)
・ 「共謀罪」を捜査する手法として、どのような方法が考えられるのか。昨年9月に発足した「国際組織犯罪等・国際テロ対策本部」(本部長:細田官房長官)でも、色々検討しているようだが、司法取引、盗聴、おとり捜査なども考えられるのか。(法務大臣、警察庁)
・ 国際的組織犯罪について国際的捜査共助の必要性が指摘されているが、国際的組織犯罪についての捜査共助は、どの程度行われているのか。(法務大臣、警察庁)
・ ある国では参加罪を定め、ある国では共謀罪を定めている場合には、国際的な捜査共助は、可能なのか。どのように行うことになるのか。(法務大臣)
・ この条約の締結により、国際的組織犯罪についての国際的捜査共助の範囲は、どの程度拡大されるのか。また、その件数はどの程度が見込まれるのか。(法務大臣、警察庁)
(7) 「共謀」
・ 「合意」は、TOC条約5条2項で「客観的な事実の状況により推認することができる」としているが、どういうことを規定しているのか(外務副大臣)。我が国法体系との関係は、どうなっているのか(法務大臣)。
2、 証人等買収罪
(1) 証人等買収罪の問題点
・ 証人との打ち合わせのために、弁護士が、証人の交通費日当、打ち合わせの際の飲食費用を支払うことは、「証人等買収罪」に該当するのか。(法務大臣)
・ 「証人等買収罪」の創設は、検察側がその意に沿わない証言をする証人に対し圧力を加える虞が生じるのではないか。(法務大臣)
・ TOC条約23条の立法化に当たっても、「越境的な性質」及び「組織的犯罪集団の関与」という要件を付すべきではないか。(法務大臣)
3、 サイバー犯罪
(1) コンピュータ・ウィルス作成罪
・ サイバー犯罪条約を批准しているのは,アルバニア,クロアチア,エストニア、ハンガリー、リトアニアなど少数であり,主要国において批准した国は存在していないのではないか。なぜ、主要国では批准にいたっていないのか。(外務副大臣)
・ 処罰範囲が広すぎるのではないか。電子ワクチンなどの製造行為も処罰の対象とするのか。(法務大臣)
(2) 保全要請
・ プロバイダ業者の実態をどのように把握しているのか。通信履歴の保全をするために、業者の負担がどの程度あると認識しているのか。(法務大臣)
・ 保全要請ができる場合を、「電磁的記録の消去又は改変の虞がある場合」に限定すべきではないか。(法務大臣)
・ 保全要請期間として、なぜ90日が必要なのか。その根拠を示せ。(法務大臣)
・ 保全要請期間を「30日以内に」短縮すべきではないか。(法務大臣)
・ 当局による本権限の乱用を防止するためにも、保全要請は書面で行わせるべきではいか。(法務大臣)
・ 当局による本権限の乱用を防止するためにも、実施状況を国会報告すべきではないか。(法務大臣)
(3) 差し押さえ
・ 差押さえ対象が広すぎないか。コンピュータがLAN網で接続されている場合など、令状での特定が無意味になってしまわないか。(法務大臣)
・ 差押さえ対象を明文で限定すべきではないか。(法務大臣)
(4) 猥褻物頒布罪
・ 刑法第175条1項後段「電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も同様」と改正することにより、行為の客体(電磁的記録)を拡張するとともに,現行法の「頒布(無償の譲渡行為もしくは販売以外の方法とされてきた)」と「販売(有償)」を一括して「頒布」としてまとめている。また、わいせつな記録等の電気通信の送信行為(実際は相手のコンピュータ上で複製されるだけで所有権の移転を伴わない)も「頒布」に含めようとしているなど、従来の「頒布」概念を改変している。構成要件の規定の仕方としては問題ではないか。(法務大臣)
[組織的犯罪処罰法の条文の構造]
第6条の2 「次の各号に掲げる行為で、団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるもの」の遂行を共謀した者は、当該各号に定める刑に処する。
第2条 この法律において「団体」とは、共同の目的を有する多人数の継続的結合体であって、その目的又は意思を実現する行為の全部又は一部が組織(指揮命令に基づき、あらかじめ定められた任務の分担に従って構成員が一体として行動する人の結合体という。以下同じ。)により反復して行われるものをいう。
第3条 団体の活動(団体の意思決定に基づく行為であって、その効果又はこれによる利益が当該団体に帰属するものをいう。以下同じ。)
http://www.geocities.jp/g06163/102705.html
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06年4月28日
法務委員会質疑(条約刑法関係)(暫定案)
民主党 平岡秀夫
1、 総論(新大臣・新委員長に再確認)
(1) 条約の交渉経緯
@ アダホック委員会第7回会合、第9回会合及び第10回会合に関する公電を開示せよ。(外務副大臣)
A 法務大臣は、これらの公電を見たのか(7,12津川質問)。
B 公電を確認するため、秘密会(国会法52条2項)の開催を要求する。(委員長)
(2) 条約の承認、締結等状況
@ 本法案関係条約について、先進諸国における議会承認及び批准の現状と見通し。(外務副大臣)
A 本法案関係条約の締結に当たり、先進諸国は、どのような国内法制化を行っているのか。(外務副大臣)
(3) 法案の一括化(サイバー犯罪条約)
@ そもそも、TOC条約とサイバー条約は性質の違う条約であり、ひとまとめにして法案として提出するのは乱暴ではないか。(法務大臣)
A サイバー犯罪条約を批准しているのは,アルバニア,クロアチア,エストニア、ハンガリー、リトアニアなど少数であり,主要国において批准した国は存在していないのではないか。(外務副大臣)
2、 共謀罪
(1) 立法事実の有無
法制審議会で、法務省は、「共謀罪について国内的には立法事実は無い」旨の説明をしているようだが、それは事実か。どのような根拠に基づいてそう認めたのか。(7,12辻質問 )(法務大臣)
(2) 国内法の基本原則との関係
@ そもそも、TOC条約の作成の背景、趣旨は、何か。
A 組織的犯罪処罰法では、一定の組織的犯罪について、限定的にその未遂や予備も処罰することとしている。未遂や予備が処罰対象になってもいない犯罪を、共謀の段階で共謀罪として処罰するのは、刑事法の体系として矛盾しているのではないか。(法務大臣)
B 我が国の「国内法の基本原則」は「法益侵害の結果が発生したものについて処罰する」というものであり、その基本原則に従い、共謀罪、陰謀罪は我が国では例外的に設けられているに過ぎない。TOC条約34条1項に基づき、我が国の「国内法の基本原則」に従った立法化をすべきではないか。(法務大臣)
(3) 組織犯罪集団
@ TOC条約5条の国内法化に当たって、共謀罪について「組織的犯罪集団」の関与を必要とした国はあるのか(チリ、ノルウェー)。また、それらの国では、「組織的犯罪集団」をどのように特定しているのか。(外務副大臣)
A TOC条約2条の「組織的な犯罪集団」は、「金銭的利益その他の物質的利益を得るため」のものに限定されているが、宗教的目的や政治的目的の集団は、含まれないのか。(7,12松野質問)(外務副大臣)。組織的犯罪処罰法6条の2の「団体」には宗教的目的や政治的目的の為に作られた団体も含まれているのではないか(法務大臣)。
B 法案では、明文上「団体」が組織的犯罪集団に限定されていないが、本法案で対象となる「組織的犯罪集団」を定義するとどうなるのか。質問趣意書の答弁書では、「このような団体」が対象になるかに全く答えていない。(法務大臣)
C 官庁における組織ぐるみの裏金作りの共謀が、共謀罪に該当するのか。法文案に則しての説明を求める。昨年10月28日の答弁と質問趣意書の答弁書とで、答弁の食い違いがあるのではないか。(法務大臣)
D (与党質問でも明らかなように、)ある団体が、組織的犯罪集団であるか否かは極めて不明確である。オウム真理教の例を参考に、共謀罪の適用に可否を説明せよ。(法務大臣、与党提案者)
(4) 顕示行為
@ TOC条約5条で「その合意の参加者の一人による当該合意の内容を推進するための行為」には、予備や準備は入るのか。(外務副大臣)
A 国内法制化するに当たっては、「顕示行為」と言われているものについて、我が国刑事法制で馴染みのある「予備」や「準備」で規定すべきではないか。(法務大臣)
B TOC条約5条に基づき、立法化に当たって、「合意」に「準備行為(顕示行為)」を伴うこととした国として、オーストラリア、フィンランド、ラトビア、サウジアラビア等を挙げたが、これらの国は、「準備行為(顕示行為)」をどのように規定しているのか。(昨年10月28日の質問の宿題)(外務副大臣)
(5) 行為の越境性
@ TOC条約34条2項の「越境的な性質とは関係なく定める」と規定することについては、我が国政府は、どのような判断に基づいて合意したのか。(外務副大臣)
A 「越境的な性質とは関係なく定める」という規定の受諾を留保することは、TOC条約の趣旨・目的に照らし、どのような不都合が生じるのか。(外務副大臣)
(6) 「重大な犯罪」
@ 「重大な犯罪」を国内法化するに当たっては、内容を吟味した上で選別すべきではないか。法案の提案理由にそぐわない「重大な犯罪」が多いのではないか。(法務大臣)
A TOC条約締結の必要性を指摘する理由として国際的な捜査共助を挙げる人がいるが、「長期4年以上の自由刑」という基準で特定された「重大な犯罪」であれば、各国の「重大な犯罪」はマチマチであって、国際的な捜査共助はできないのではないか。(法務大臣)
B ウクライナの例では「重大さの大きくない犯罪(2年を超えない自由刑)」「中程度の犯罪(5年を超えない自由刑)」「重大な犯罪(10年を超えない)」「特に重大な犯罪(10年以上)」という区分があって、共謀罪の対象となるのは後ろの二つ。昨年10月28日の答弁で、「ウクライナ政府に照会しているが、まだ回答を得ていない。」としているが、その回答は得られたのか。(外務副大臣)
C 我が国では共謀罪が「国内法の基本原則」に従ったものと言い難い状況にあることから、我が国も、ウクライナと同様な手続きで、「重大な犯罪」をより限定して国内法化すべきではないか。(法務大臣)
D 日本の刑法の体系では長期5年超が重大犯罪との境目といってよいのではないか。(法務大臣)
(7) 捜査
@ 615個もの多数の犯罪に自首減免(条約26条2項参照)を認めることは、密告社会を生み出すことにならないか。(法務大臣)
A 現在自首減免規定が設けられているものは、どんな犯罪についてか。その考え方は何か。(法務大臣)
B 共謀罪の自首減免は、社会への影響を考えた場合、認めるべきではない。仮に、自首減免を認めるとしても、それが認められるのは、その共謀が実行に移された場合には、被害が広範・重大で、かつ、事後の回復措置をとることが困難なものに限定されるべきではないか。(法務大臣)
C 「共謀罪」を捜査する手法として、どのような方法が考えられるのか。今後、司法取引、盗聴、おとり捜査なども検討されるのか。(法務大臣)
D ある国では参加罪を定め、ある国では共謀罪を定めている場合には、国際的な捜査共助は、可能なのか。どのように行うことになるのか。(法務大臣)
E 自白の強要、誘導的な取調べを防ぐとともに、捜査の信頼性を確保する為にも、捜査・取調べの可視化を行うべきではないか。(法務大臣)
(8) 「共謀」
@ 「共謀」とは、どのような犯罪行為について、どこまで具体的な「合意」があることが要件となるのか。その要件は、どこで明確になっているのか。(法務大臣)
A 「合意」は、TOC条約5条2項で「客観的な事実の状況により推認することができる」としているが、どういうことを規定しているのか(外務副大臣)。我が国法体系との関係は、どうなっているのか(法務大臣)。
3、 証人等買収罪
(1) 現行法との関係
法案の「証人等買収罪」は、現行法にもある「偽証罪」、「証拠隠滅罪」の教唆犯とどのような関係にあるのか。(法務大臣)
(2) 証人等買収罪の問題点
@ 証人との打ち合わせのために、弁護士が、証人の交通費日当、打ち合わせの際の飲食費用を支払うことは、「証人等買収罪」に該当するのか。(法務大臣)
A 「証人等買収罪」の創設は、検察側がその意に沿わない証言をする証人に対し圧力を加える虞が生じるのではないか。(法務大臣)
B TOC条約23条の立法化に当たっても、「越境的な性質」及び「組織的犯罪集団の関与」という要件を付すべきではないか。(法務大臣、与党提案者)
4、 与党修正案関係
(1) 組織的犯罪集団
@与党修正案では「団体の活動(その共同の目的・・・)」と規定されているが、「その」は何を意味するのか。「団体の」という意味か、それとも「活動の」という意味か。(与党提案者)
A組織的犯罪処罰法2条の定義規定にある「団体」の要件の一つである「共同の目的」とは、どのようなものを指すのか。国語辞典では、「目的」とは、「事を成し遂げようとする目あて」とあるし、商法では、会社の「目的」は、「会社の営もうとする事業」を意味している。どちらのようなものを指しているのか。(法務大臣)
B与党修正案で共謀罪の適用可能性がある団体としている「その共同の目的が重大な犯罪等を実行することにある団体」とは、どんな団体なのか。@重大な犯罪等を実行することだけを「共同の目的」とする団体、Aいくつかある「共同の目的」の中に重大な犯罪等を実行することが含まれている団体、B「共同の目的」(例えば、団員の生活維持)の下に、正当な業務と違法な業務とを行っている団体は、それぞれ該当するのか。(与党提案者)
C上記の質問に関連して、次の例はどうなるか。(与党提案者)
ア その多くの業務が正当である会社がリフォーム詐欺を行うことを決めた。又は、リフォーム詐欺を行う会社を設立し、その業務計画を策定した。
イ 選挙戦終盤に、選対本部が苦戦のため、電話掛けのアルバイトを使うことを決めた。又は、選挙戦は主として電話掛けのアルバイトで行う戦略で選対本部を立ち上げて、その実施計画を立てた。
ウ マンション建設反対住民が工事用資材の搬入に座り込みで対抗する団体を結成し、その実行を決定した。又は、住民団体がマンション建設反対の座り込みの実行を決定した。
エ 宗教団体が勢力拡大、批判分子粛清のため、犯罪行為を行ったり(例、オウム真理教)、財政基盤強化のため脱税を行うことを決めた。
D 与党修正案では、「目的」と「活動又は行為」との区別があいまいではないか。何らかの「目的」があって、それを実現又は維持するために重大な犯罪が行われるという関係にあるのではないか。(与党提案者)
E 25日の委員会審議で、与党提案者や政府から、「『共同の目的』とは、その団体の構成員の継続的な結合関係を基礎づけている根本的な目的である」と答弁されている。他方で、法2条では、団体の定義規定の中で「共同の目的を有する多数人の継続的結合体」と規定しており、その規定振りは答弁と整合性が取れていないのではないか。(与党提案者)
F 以上のことからは、「共同の目的が重大な犯罪等を実行することにある団体」という規定の仕方には無理があるのではないか。(与党提案者)
G 組織的犯罪処罰法3条の「団体の活動」には、修正案と同様の制限がなくても良いのか。規定振りの違いから解釈すると、正当な目的で活動する会社が、あるときリフォーム詐欺をすることを決定して実行したときは、同条が適用されると解されてしまうのではないか。(法務大臣、与党提案者)
(2) 顕示行為
@ 修正案の「犯罪の実行に資する行為」と、条約の「合意の内容を推進するための行為」とは、どう違うのか。どちらが広い概念か。(与党提案者)
A 「犯罪の実行に資する行為」の範囲は、どこまで含まれるのか。範囲が広くなり過ぎて、捜査が自白偏重となる危険性が高いのではないか。(与党提案者)
B 外国において共謀罪を処罰する要件として、「合意の内容を推進する為の行為」を付していない場合に、我が国に対して捜査援助の要請があった場合は、どう対応することになるのか。(法務大臣、与党提案者)
(3) 証人等買収罪
@ 法案7条の2第1項及び第2項を別々に設ける趣旨を問う。(法務大臣)
A 与党修正案の法案7条の2第2項に規定する「団体の活動」に、法案6条の2における与党修正案と同様の制限が無いのはなぜか。(与党提案者)
5、 サイバー犯罪
(1) コンピュータ・ウィルス作成罪
処罰範囲が広すぎるのではないか。電子ワクチンなどの製造行為も処罰の対象とするのか。(法務大臣)
(2) 保全要請
@ プロバイダ業者の実態をどのように把握しているのか。通信履歴の保全をするために、業者の負担がどの程度あると認識しているのか。(法務大臣)
A 保全要請ができる場合を、「電磁的記録の消去又は改変の虞がある場合」に限定すべきではないか。(法務大臣)
B 保全要請期間として、なぜ90日が必要なのか。その根拠を示せ。(法務大臣)
C 保全要請期間を「30日以内に」短縮すべきではないか。(法務大臣)
D 当局による本権限の乱用を防止するためにも、保全要請は書面で行わせるべきではないか。(法務大臣)
E 当局による本権限の乱用を防止するためにも、実施状況を国会報告すべきではないか。(法務大臣)
(3) 差し押さえ
@ 差押さえ対象が広すぎないか。コンピュータがLAN網で接続されている場合など、令状での特定が無意味になってしまわないか。(法務大臣)
A 差押さえ対象を明文で限定すべきではないか。(法務大臣)
(4) 猥褻物頒布罪
刑法第175条1項後段「電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も同様」と改正することにより、行為の客体(電磁的記録)を拡張するとともに,現行法の「頒布(無償の譲渡行為もしくは販売以外の方法とされてきた)」と「販売(有償)」を一括して「頒布」としてまとめている。また、わいせつな記録等の電気通信の送信行為(実際は相手のコンピュータ上で複製されるだけで所有権の移転を伴わない)も「頒布」に含めようとしているなど、従来の「頒布」概念を改変している。構成要件の規定の仕方としては問題ではないか。(法務大臣)
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06年5月12日
法務委員会質疑(条約刑法関係)(暫定案)
民主党 平岡秀夫
(1) 組織犯罪集団
@ 官庁における組織ぐるみの裏金作りの共謀が、共謀罪に該当するのか。法文案に則しての説明を求める。昨年10月28日の答弁と質問趣意書の答弁書とで、答弁の食い違いがあり、4,28の政府答弁は納得がいかない。(法務大臣、与党提案者)
A 4月28日の法務大臣への質問で、「官庁が共謀罪の対象となるか」となるかという問に対して、個別具体的な事実関係の下で、ただいま申し上げたものに該当するか否かによって決まることになるものと考えられます」と答弁。そして与党修正案によっても同様に答えている。つまり、修正案によっても団体が限定しきれていないのではないか。(法務大臣、与党提案者)
B (与党質問でも明らかなように、)ある団体が、組織的犯罪集団であるか否かは極めて不明確である。オウム真理教の例(ある宗教の教義を広め、信者を教化育成することを主たる目的として設立された宗教団体が、その目的を達成するために多くの重大な犯罪を行うことになってしまった、という事例)を参考に、共謀罪の適用の可否を説明せよ。(法務大臣、与党提案者)
C 与党修正案で共謀罪の適用可能性がある団体としている「その共同の目的が重大な犯罪等を実行することにある団体」とは、どんな団体なのか。4,28の審議で、@重大な犯罪等を実行することだけを「共同の目的」とする団体、Aいくつかある「共同の目的」の中に重大な犯罪等を実行することが含まれている団体、B「共同の目的」(例えば、団員の生活維持)の下に、正当な業務と違法な業務とを行っている団体は、それぞれ該当するのかを質問したが、「共同の目的」の意義が明確でない。(与党提案者)
D 上記の質問に関連して、与党修正案では次の例はどうなるか。また、政府の理解は同じなのか。(与党提案者、法務大臣)
ア その多くの業務が正当である会社がリフォーム詐欺を行うことを決めた。又は、リフォーム詐欺を行う会社を設立し、その業務計画を策定した。
イ 選挙戦終盤に、選対本部が苦戦のため、電話掛けのアルバイトを使うことを決めた。又は、選挙戦は主として電話掛けのアルバイトで行う戦略で選対本部を立ち上げて、その実施計画を立てた。
ウ マンション建設反対住民が工事用資材の搬入に座り込みで対抗する団体を結成し、その実行を決定した。又は、住民団体がマンション建設反対の座り込みの実行を決定した。
エ 宗教団体が勢力拡大、批判分子粛清のため、犯罪行為を行ったり(例、オウム真理教)、財政基盤強化のため脱税を行うことを決めた。
E 25日の委員会審議で、与党提案者や政府から、「『共同の目的』とは、その団体の構成員の継続的な結合関係を基礎づけている根本的な目的である」と答弁されている。他方で、法2条では、団体の定義規定の中で「共同の目的を有する多数人の継続的結合体」と規定しているが、その場合の「共同の」は、「多数人の『共同の』目的」という意味で使われている。与党修正部分で「団体の『共同の』目的」という意味で使うのは、同じ法律の中で、その規定振りの整合性が取れなくさせてしまうのではないか。(与党提案者)
F 「共同の目的が重大な犯罪等を実行することにある団体」の「重大な犯罪」の中に、共謀罪自体が入っているのはおかしいのではないか。(法務大臣、与党提案者)
(2) 顕示行為
@ TOC条約5条に基づき、立法化に当たって、「合意」に「準備行為(顕示行為)」を伴うこととした国として、オーストラリア、フィンランド、ラトビア、サウジアラビア等を挙げたが、これらの国は、「準備行為(顕示行為)」をどのように規定しているのか。(昨年10月28日の質問の宿題)(外務政務官)
A (5,10枝野質問に関連)修正案の「犯罪の実行に資する行為」と、条約の「合意の内容を推進するための行為」とは、どう違うのか。どちらが広い概念か。(与党提案者)
B 「犯罪の実行に資する行為」の範囲は、どこまで含まれるのか。与党提案者から3要件が示されているが、それでも範囲が広くなり過ぎて、捜査が自白偏重となる危険性が高いのではないか。(与党提案者)
C 「犯罪の実行に資する行為」では、どれが「犯罪の実行に資する行為」なのか判別が難しい。一般の国民に過度の萎縮効果をもたらすことも十分考えられる。民主党案の「予備」とするべきではないか。(与党提案者)
D 外国において共謀罪を処罰する要件として、「合意の内容を推進する為の行為」を付していない場合に、我が国に対して捜査援助の要請があった場合は、どう対応することになるのか。(法務大臣、与党提案者)
(3) 行為の越境性
@ TOC条約34条2項の「越境的な性質とは関係なく定める」と規定することについては、我が国政府は、どのような判断に基づいて合意したのか。(外務政務官)
A 条約34条2の文理的意味は、(約3条の解釈との整合性を考えれば、「共謀罪自体(共謀罪の対象となる重大な犯罪ではない)が国際性(越境性)を有しているものとして創設されてはならない」というものではないか。(外務政務官)
B 4,28に伊藤外務大臣政務官は「国際性の要件を付さないことは、本条約の中核をなす規定ある」旨の答弁をしているが、条約交渉経緯に照らしても、そうは言えないのではないか。(外務副大臣)
C 条約34条2項に関して、解釈ノートにおいても、「国内法制化の際に、越境性を要素とする必要は無い」と言っているのではないか。(外務政務官)
(4) 「重大な犯罪」
@ 28日の審議で「重大な犯罪を5年以上又は5年超とすることは・・本条約の趣旨、目的に反するものでございます」と伊藤大臣政務官が答えているが、条約交渉経緯に照らしても、そうは言えないのではないか。(外務政務官)
アドホック委員会 第2回会合
我が国は、リスト方式ついて、どの犯罪類型をリスト化するかについて意見の収斂が非常に困難であるとの予測に基づき、いくつかの問題点を指摘するという方針で臨んだ。
アドホック委員会 第7回会合&9回会合
リスト方式を主張する国と、これに反対する国があり、議論は収束しなかった。
アドホック委員会 第10回会合
リスト方式を主張する国の共同提案提出。しかし、特にテロ行為をリストに含めるか否かなどの点で問題点が示され、リスト方式はとらないこととされ、かかる結論が公式会合の場で議長により説明され、最終的に了解された。
A 「5年超」とすると、本条約の目的、趣旨とどのように両立しなくなるのか。本条約の目的である「国際的な組織犯罪の防止しこれと戦うための協力を促進する」ことにどれだけ反することになるのか。(外務政務官)
(5) 捜査
@ 現在自首減免規定が設けられているものは、どんな犯罪についてか。その考え方は何か。(法務大臣)
A ある国では参加罪を定め、ある国では共謀罪を定めている場合には、国際的な捜査共助は、可能なのか。どのように行うことになるのか。(法務大臣)
B 共謀罪の取調べにおいては、自白の強要、誘導的な取調べが危惧される。捜査の信頼性を確保する為にも、捜査・取調べの可視化を行うべきではないか。(法務大臣)
C 検事取調べの可視化が試行されるとのことであるが、どのように試行し、どのように本格実施することになるのか。(法務大臣)
D 警察での取調べ、捜査の可視化についてはどのような取組を考えているのか。(警察庁)
E 共謀容疑でとりあえず逮捕し、その後の捜査で「資する行為」を探すという捜査手法が使われるのではないか。(法務大臣)
F 4月28日の細川委員の質問に対する与党提案者の答弁「共謀で犯罪が成立する。逮捕することは法的に可能。しかし実行に資する行為がなければ事実上起訴できない」と、同日の稲田委員に対する与党提案者の答弁、「処罰条件ということで、実行に資する行為というのを明定することにいたしました。ということは、この処罰条件を満たさないものについては、そもそも有罪をとることはできない、要するに、処罰の対象にならないということになります。結果的には、起訴をしても当然無罪にならなければならない。そういったものについて、犯罪の捜査をする、いわゆる強制捜査をするということは、これはあってはならないことだと私どもは考えております」とは不整合ではないか。(法務大臣、与党提案者)
(6)中止犯
@ ある重大な犯罪の実行を共謀したが、その実行を自己の意思で中止したという場合、政府の答弁では、刑法43条では重大な犯罪については刑の減免が行われるのに、共謀罪では処罰されることになる。しかし、このことはいかにも不整合な取扱いであり、法令上、所要の調整が必要ではないか。(法務大臣)
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06年5月16日
法務委員会質疑(条約刑法関係)(暫定案)
民主党 平岡秀夫
(1) 組織犯罪集団
@ 官庁における組織ぐるみの裏金作りの共謀が、共謀罪に該当するのか。法文案に則しての説明を求める。昨年10月28日の答弁と質問趣意書の答弁書とで、答弁の食い違いがあり、4,28の政府答弁は納得がいかない。(法務大臣、与党提案者)
A 4月28日の法務大臣への質問で、「官庁が共謀罪の対象となるか」となるかという問に対して、「個別具体的な事実関係の下で、ただいま申し上げたものに該当するか否かによって決まることになるものと考えられます」と答弁。そして与党修正案提出者も同様に答えている。つまり、修正案によっても団体が限定しきれていないのではないか。(法務大臣、与党提案者)
B (与党質問でも明らかなように、)ある団体が、組織的犯罪集団であるか否かは極めて不明確である。オウム真理教の例(ある宗教の教義を広め、信者を教化育成することを主たる目的として設立された宗教団体が、その目的を達成するために多くの重大な犯罪を行うことになってしまった、という事例)を参考に、共謀罪の適用の可否を説明せよ。(法務大臣、与党提案者)
C 与党修正案で共謀罪の適用可能性がある団体としている「その共同の目的が重大な犯罪等を実行することにある団体」とは、どんな団体なのか。4,28の審議で、@重大な犯罪等を実行することだけを「共同の目的」とする団体、Aいくつかある「共同の目的」の中に重大な犯罪等を実行することが含まれている団体、B「共同の目的」(例えば、団員の生活維持)の下に、正当な業務と違法な業務とを行っている団体は、それぞれ該当するのかを質問したが、「共同の目的」の意義が明確でない。(与党提案者)
D 上記の質問に関連して、与党修正案では次の例はどうなるか。また、政府の理解は同じなのか。(与党提案者、法務大臣)
ア その多くの業務が正当である会社がリフォーム詐欺を行うことを決めた。又は、リフォーム詐欺を行う会社を設立し、その業務計画を策定した。
イ 選挙戦終盤に、選対本部が苦戦のため、電話掛けのアルバイトを使うことを決めた。又は、選挙戦は主として電話掛けのアルバイトで行う戦略で選対本部を立ち上げて、その実施計画を立てた。
ウ マンション建設反対住民が工事用資材の搬入に座り込みで対抗する団体を結成し、その実行を決定した。又は、住民団体がマンション建設反対の座り込みの実行を決定した。
エ 宗教団体が勢力拡大、批判分子粛清のため、犯罪行為を行ったり(例、オウム真理教)、財政基盤強化のため脱税を行うことを決めた。
E 25日の委員会審議で、与党提案者や政府から、「『共同の目的』とは、その団体の構成員の継続的な結合関係を基礎づけている根本的な目的である」と答弁されている。他方で、法2条では、団体の定義規定の中で「共同の目的を有する多数人の継続的結合体」と規定しているが、その場合の「共同の」は、「多数人にとっての『共同の』目的」という意味で使われている。与党修正部分で「団体の『共同の』目的」という意味で使うのは、同じ法律の中で、その規定振りの整合性(誰にとって?)が取れなくさせてしまうのではないか。(与党提案者)
F 「共同の目的が重大な犯罪等を実行することにある団体」の「重大な犯罪等」の中に、共謀罪自体が入っているのはおかしいのではないか。(法務大臣、与党提案者)
(2) 「重大な犯罪」等
@ 先進諸国において、「長期4年以上の自由刑」はどれくらいあるのか。(外務省)
A 仏の参加罪の対象となる「凶徒の結社」の要件は「重罪」と5年以上の「軽罪」となっている。TOC条約との関係はどうなっているのか。(外務省)
(3) 行為の越境性
@ 条約34条2の文理的意味は、条約3条の解釈との整合性を考えれば、「共謀罪自体(共謀罪の対象となる重大な犯罪ではない)が国際性(越境性)を有しているものとして創設されてはならない」というものではないか。(外務政務官)
A 4,28に伊藤外務大臣政務官は「国際性の要件を付さないことは、本条約の中核をなす規定である」旨の答弁をしているが、条約交渉経緯(フランス提案の内容、元々の条約案に入っていない等)に照らしても、そうは言えないのではないか。(外務省)
B 我が国はこれまでの条約締結に当たって、「条約の趣旨・目的に両立しないものではない」との理由で、条約の留保を行ったことがあるか。あるとすれば、どういう理由で、「条約の趣旨・目的に両立しないものではない」と判断したのか(外務省)
(4) 顕示行為
@ TOC条約5条に基づき、立法化に当たって、「合意」に「準備行為(顕示行為)」を伴うこととした国として、オーストラリア、フィンランド、ラトビア、サウジアラビア等を挙げたが、これらの国は、「準備行為(顕示行為)」をどのように規定しているのか。(昨年10月28日の質問の宿題)(外務省)
A (5,10枝野質問に関連)修正案の「犯罪の実行に資する行為」と、条約の「合意の内容を推進するための行為」とは、どう違うのか。どちらが広い概念か。(与党提案者)
B 「犯罪の実行に資する行為」の範囲は、どこまで含まれるのか。与党提案者から3要件が示されているが、それでも範囲が広くなり過ぎて、「犯罪の実行に資する行為」では、どれが「犯罪の実行に資する行為」なのか判別が難しい。立証が難しく、捜査が自白偏重となる危険性が高いのではないか。(与党提案者)
C 外国において共謀罪を処罰する要件として、「合意の内容を推進する為の行為」を付していない場合に、我が国に対して捜査援助の要請があった場合は、どう対応することになるのか。「予備」でも問題ないはず(法務大臣、与党提案者)
D 「予備」では何故ダメなのか。(与党提案者)
(5) 捜査
@ 現在自首減免規定が設けられているものは、どんな犯罪についてか。その考え方は何か。(法務大臣)
A ある国では参加罪を定め、ある国では共謀罪を定めている場合には、国際的な捜査共助は、可能なのか。どのように行うことになるのか。(法務大臣)
B 共謀容疑でとりあえず逮捕し、その後の捜査で「資する行為」を探すという捜査手法が使われるのではないか。(法務大臣)
C 4月28日の細川委員の質問に対する与党提案者の答弁「共謀で犯罪が成立する。逮捕することは法的に可能。しかし実行に資する行為がなければ事実上起訴できない」と、同日の稲田委員に対する与党提案者の答弁、「処罰条件ということで、実行に資する行為というのを明定することにいたしました。ということは、この処罰条件を満たさないものについては、そもそも有罪をとることはできない、要するに、処罰の対象にならないということになります。結果的には、起訴をしても当然無罪にならなければならない。そういったものについて、犯罪の捜査をする、いわゆる強制捜査をするということは、これはあってはならないことだと私どもは考えております」とは不整合ではないか。(法務大臣、与党提案者)
(6)中止犯
@ ある重大な犯罪の実行を共謀したが、その実行を自己の意思で中止したという場合、刑法43条では実行に着手した後であっても(重大な犯罪について)刑の必要的減免が行われるのに、政府の答弁では、共謀罪は処罰されることになる。しかし、このことはいかにも不整合な取扱いであり、法令上、所要の調整が必要ではないか。(法務大臣)
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06年5月16日
法務委員会質疑(条約刑法関係)(追加)
民主党 平岡秀夫
@ TOC条約34条2で規定している「国際的な性質」は、何について言っていると解されるのか。(外務大臣政務官)
A TOC条約34条2で「組織的な犯罪集団の関与」は、何について言っていると解されるのか。(外務大臣政務官)
B TOC条約第5条1(a)(@)で「組織的な犯罪集団が関与するもの」と規定しているが、その「組織的な犯罪集団が関与するもの」は何であると解されるのか。(外務大臣政務官)
C TOC条約第5条1(a)(@)で「合意の内容を推進するための行為を伴うもの」と規定しているが、その「合意の内容を推進するための行為」を伴っているものは何であると解されるのか。(外務大臣政務官)
D TOC条約で「長期4年以上の自由刑」及び「国際的な性質に関係なく定める」の各規定を留保することは、「TOC条約の趣旨、目的に両立しないもの」であるからできないと考えるか、それとも留保することが適当でないから留保すべきではないと考えるのか、どちらの見解を持っているのか。政治家としての見解を聞く。(法務副大臣、法務大臣)
http://www.geocities.jp/g06163/051606.html
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06年5月19日
法務委員会質疑(条約刑法関係)(暫定案)
民主党 平岡秀夫
(1) 組織犯罪集団
@ 与党再修正案の「組織的な犯罪集団」の定義は、TOC条約の規定に反しているのではないか(与党提案者、外務副大臣)。法律が成立したら、政府は、国際的にはどのような手続きをとることになるのか(外務副大臣)。
A 官庁における組織ぐるみの裏金作りの共謀が、共謀罪に該当するのか。法文案に則しての説明を求める。昨年10月28日の答弁と質問趣意書の答弁書とで、答弁の食い違いがあり、4,28の政府答弁は納得がいかない。大臣は、「南野大臣の答弁を詳細に承知しておりませんけれども」と言っていたが、南野大臣の答弁を確認したうえでの答弁を求める。(法務大臣、与党提案者)
B 4月28日の法務大臣への質問で、「官庁が共謀罪の対象となるか」となるかという問に対して、「個別具体的な事実関係の下で、ただいま申し上げたものに該当するか否かによって決まることになるものと考えられます」と答弁。そして、与党修正案提出者は、「官庁というものが、重大な犯罪を行うことを継続的な結合関係の基礎となっている目的を持っている団体というふうには解されない」としている。法務大臣としても、与党修正案によって団体が限定されたと考えているか。(法務大臣、与党提案者)
C (与党質問でも明らかなように、)ある団体が、組織的犯罪集団であるか否かは極めて不明確である。オウム真理教の例(ある宗教の教義を広め、信者を教化育成することを主たる目的として設立された宗教団体が、その目的を達成するために多くの重大な犯罪を行うことになってしまった、という事例)を参考に、共謀罪の適用の可否を説明せよ。(法務大臣、与党提案者)
D 与党再修正案で共謀罪の適用可能性がある団体として「その結合関係の基礎としての共同の目的が重大な犯罪等を実行することにある団体」としているが、その規定は、「共同の目的」の中に「結合関係の基礎」となっているものとそうでないものとがあることを前提としているのか、それとも、「共同の目的」というのは「そもそも結合関係の基礎となっているものしかない」ことを前提としているのか。(与党提案者)
E 法2条では、団体の定義規定の中で「共同の目的を有する多数人の継続的結合体」と規定しているが、その場合の「共同の目的」を有しているのは誰か。(法務大臣)
F 与党修正案の第6条の2で規定する「共同の目的」を有しているのは、誰か。(与党提案者)
G 「共同の目的」について、与党提案者は、5,12に「多数人が共同して有しており、かつ、継続的結合体として有しているもの」と答弁しているが、本来、「共同の目的を有する多数人」が結合して、「一定の目的を有する団体」となるのではないか。(与党提案者)
H 4,25の委員会審議で、与党提案者や政府から、「『共同の目的』とは、その団体の構成員の継続的な結合関係を基礎づけている根本的な目的である」と答弁されているが、与党再修正案における「共同の目的」の意義は何か。(与党提案者)
I 「その共同の目的が重大な犯罪等を実行することにある団体」がどんな団体なのかについて、4,28の審議で、@重大な犯罪等を実行することだけを「(共同の)目的」とする団体、Aいくつかある「(共同の)目的」の中に重大な犯罪等を実行することが含まれている団体、Bその「(共同の)目的」(例えば、団員の生活維持)の下に、正当な業務と違法な業務とを行っている団体は、それぞれ該当するのかを質問したが、「目的」と「行為又は活動」との関係が依然として明確でない。再確認したい。(与党提案者)
J 上記の質問に関連して、与党(再)修正案では次の例はどうなるか。また、政府の理解は同じなのか。(与党提案者、法務大臣)
ア その会社の「目的」が「住宅建設」であり、その多くの業務が正当である会社が、リフォーム詐欺を行うことを決めた。又は、その会社の「目的」を「住宅建設」としてリフォーム詐欺を行う会社を設立し、その業務計画を策定した。
イ 選挙戦終盤に、選対本部が、苦戦のため電話掛けのアルバイトを使う(多数人買収)ことを決めた。又は、選挙戦は主として電話掛けのアルバイトで行う戦略で選対本部を立ち上げて、その実施計画を立てた。
ウ 住民団体若しくは環境保護のNPO法人が、環境を壊すマンションの建設反対のため工事用資材の搬入を阻止するため座り込みの実行を決定した。又は、マンションの建設に反対の住民や環境保護活動家が、工事用資材の搬入に座り込みで対抗するための団体若しくはNPO法人を設立し、その実行を決定した。
エ 宗教団体が勢力拡大、批判分子粛清のため、「これから『重大な犯罪』を行ったり、財政基盤強化のため脱税を行っていく」ことを決めた。又は、「重大な犯罪」等を行ったことのある宗教団体(例、オウム真理教)が、さらに「重大な犯罪」等を行うことを計画した。
(2) 行為の越境性(必要があれば、再度質問)
@ 条約34条2の文理的意味は、条約3条の解釈との整合性を考えれば、「共謀罪自体(共謀罪の対象となる重大な犯罪ではない)が国際性(越境性)を有しているものとして創設されてはならない」というものではないか。(外務副大臣)
A 4,28に伊藤外務大臣政務官は「国際性の要件を付さないことは、本条約の中核をなす規定である」旨の答弁をしているが、条約交渉経緯(フランス提案の内容、元々の条約案に入っていない等)に照らしても、そうは言えないのではないか。(外務副大臣)
B 5,16の審議で確認したとおり、我が国はこれまでの条約締結に当たって、「条約の趣旨・目的に両立しないものではない」との理由で、条約の留保を行ったことが何度となくある。「長期4年以上の自由刑」も、「国際性の要件を付さないこと」も、それと異なる国内法制化をすることは、「条約の趣旨・目的に両立しないものではない」のではないか。(外務副大臣)
(3) 顕示行為
@ (5,10枝野質問に関連)修正案の「犯罪の実行に必要な準備その他の行為」と、条約の「合意の内容を推進するための行為」とは、どう違うのか。どちらが広い概念か。(与党提案者)
A 「犯罪の実行に必要な準備その他の行為」の範囲は、どこまで含まれるのか。与党提案者から、「犯罪の実行に資する行為」についての3要件が示されているが、その要件に変更はあるのか。「犯罪の実行に資する行為」は範囲が広くなり過ぎて、何が該当するのか判別が難しい。(与党提案者、法務大臣)
B 「犯罪の実行に必要な準備その他の行為」であることの立証が難しく、捜査が自白偏重となる危険性が高いのではないか。(与党提案者、法務大臣)
C 共謀罪容疑でとりあえず逮捕し、その後の捜査で「犯罪の実行に必要な準備その他の行為」を探すという捜査手法が使われるのではないか。(法務大臣)
D 外国において共謀罪を処罰する要件として、「合意の内容を推進する為の行為」を付していない場合に、我が国に対して捜査援助の要請があった場合は、どう対応することになるのか。「予備」でも問題ないはず(法務大臣、与党提案者)
E 5,16、与党提案者は、「犯罪の実現にとって客観的に相当程度の危険性を備えた行為であることが必要であるとすることは、共謀それ自体を犯罪として処罰対象とすることを義務付ける条約の趣旨に反する虞がある」と答弁しているが、予備罪における予備行為に該当するほど客観的に相当程度の危険性を備えたものでも、その多くは、「重大な犯罪」の予備罪として犯罪化されていない。そうしたものについても、共謀したことをもって共謀罪として犯罪化するのであるから、「予備行為」を伴うものを処罰対象とすることで良いのではないか。(与党提案者)
(4) 諸外国の取扱い
@ 先進諸国において、「長期4年以上の自由刑」はどれくらいあるのか。(外務副大臣)
A TOC条約5条に基づき、立法化に当たって、「合意」に「準備行為(顕示行為)」を伴うこととした国として、オーストラリア、ラトビア、サウジアラビア等を挙げたが、これらの国は、「準備行為(顕示行為)」をどのように規定しているのか。(昨年10月28日、5月16日)(外務副大臣)
B 「共謀罪は、コモンローの法体系の国で一般的に設けられている犯罪」(政府答弁)で、我が国の刑法の基本原則にそぐわないもの。そのコモンローの法体系である米国、英国、カナダでは、年間どのくらい共謀罪で起訴され、有罪とされているのか。(外務副大臣)
C コモンローの法体系の国では「共謀罪」が抑制的に適用されているのではないか。(外務副大臣)
(5) 捜査
@ 与党再修正案では、「長期5年以上の自由刑」以上の犯罪についてだけ必要的自首減免を認めるとしているが、そのようにした理由は何か。また、政府案と比べてどれだけの違いがあるのか。(与党提案者)
A 現在、必要的自首減免規定が設けられているものは、どんな犯罪についてか。その考え方は何か。(法務大臣)
B 5.10参議院決算委員会で大臣は「自主減免というのはどの罪にもある」と答弁しているが、どういう趣旨か。(法務大臣)
C 刑法42条(「刑を軽減することができる」)は、共謀罪にも適用があるのか。(法務大臣)
D ある国では参加罪を定め、ある国では共謀罪を定めている場合には、国際的な捜査共助は、可能なのか。どのように行うことになるのか。(法務大臣)
E 4月28日の細川委員の質問に対する与党提案者の答弁「共謀で犯罪が成立する。逮捕することは法的に可能。しかし実行に資する行為がなければ事実上起訴できない」と、同日の稲田委員に対する与党提案者の答弁「処罰条件ということで、実行に資する行為というのを明定することにいたしました。ということは、この処罰条件を満たさないものについては、そもそも有罪をとることはできない、要するに、処罰の対象にならないということになります。結果的には、起訴をしても当然無罪にならなければならない。そういったものについて、犯罪の捜査をする、いわゆる強制捜査をするということは、これはあってはならないことだと私どもは考えております」とは不整合ではないか。(法務大臣、与党提案者)
F 捜査現場から共謀罪必要性、捜査の手法について以下のような意見がでているが、これについての見解を求める。(警察庁、法務大臣)
ア 「共謀罪 刑事が反対する理由」凶悪犯罪捜査一筋の刑事(東京新聞5.18)
・ 「暴力団やらテロ集団一味の中から、警察に密告するヤツが出てくると思うか。しっかりした犯罪組織ほど、それはあり得ないんじゃないのか」「ヤクザとテロリストはな、警察より組織が怖いのよ。坊やの意見は、おりこうさんのキャリヤ官僚と同じ机上の空論ってやつよ」
・ 記者「年がら年中、盗聴をやるってことにいきつくんじゃないですか」「ふん、そこは分からんけどね」
・ 「共謀罪が始まったらきっと重大事件の捜査に支障が出てくるね」「組織の一員と名乗るヤツが密告してきたら、警察は一応、捜査しなきゃならなくなる。・・・こんなヤツが次々にでてきたら、どうなんの?本当に大事な事件の方は人手不足になっちまう」イ 「ノルマ・・・市民に矛先」公安警察OB(東京新聞5.18)
・ 「共謀罪は五年、十年かけて拡大解釈されていき、きっと治安維持法みたいになりますね」「警察はノルマ社会だから、事件数の統計を伸ばして統計を取りやすくしたいんです」
・ 「それに公安は、対象の組織にもぐりこんだり、人間関係をつくって情報収集する手法をやってますから、犯罪組織のメンバーの密告を促すような共謀罪法案があらためて必要とは思えません」
ウ ジャーナリスト大谷昭弘氏
・ 「共謀罪ができても犯罪組織からのタレこみなどあるはずがなく、市民団体にスパイを潜り込ませてつぶすために使われるだけだろう」
(6)中止犯
@ ある「重大な犯罪」の実行に着手した後に自己の意思で中止したという場合、刑法43条では、刑の必要的減免が行われる。他方、政府の答弁では、共謀罪が成立すれば、その後にその共謀罪に係る「重大な犯罪」を実行することを自分たちの意思で中止しても、処罰されることになる。しかし、このことはいかにも不整合な取扱いであり、法令上、その共謀罪に係る「重大な犯罪」を実行することを自分たちの意思で中止した場合には刑の必要的減免を行うための所要の規定が必要ではないか。(法務大臣)
http://www.geocities.jp/g06163/051906.html
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