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Conspiracy Law(英国の共謀罪)【today's_news_from_uk+】
http://www.asyura2.com/0601/senkyo22/msg/242.html
投稿者 gataro 日時 2006 年 5 月 19 日 19:54:15: KbIx4LOvH6Ccw
 

http://ch.kitaguni.tv/u/917/i_dont_think_i_am_a_pacifist/words_at_war/0000355709.html から転載。

Conspiracy Law(英国の共謀罪)

イギリスの共謀罪について、ちょっとだけ調べてみた。優秀な官僚にすらわからないことについて、私に何ができるのかわからんけど。

「監視社会を拒否する会」さん記事(http://www009.upp.so-net.ne.jp/kansi-no/index.htm)、「共謀罪と監視社会」を問う市民集会報告 (06-01-27)―http://www009.upp.so-net.ne.jp/kansi-no/opinion/documents/opinion_2006_002.htm―より:


村井敏邦さん(龍谷大学教授)
 行為と結果があれば処罰するというのが刑法の原則です。しかし、行為も結果もないのに、何人かで合意した事実さえあれば処罰しようというのが共謀罪です。もともとは、十九世紀はじめにイギリスで労働組合が賃上げ要求集会を開くことを「取引の自由侵害」として処罰するために用いられた概念であり、これがアメリカに渡って労組弾圧のために猛威を振るった。雇用主や政治的な反対派を押さえつけようとしている人たちには大変有効な犯罪名になる。これが共謀罪のもともとの成り立ちであり、現在の使われ方です。

村井教授は元日本刑法学会理事長で、2006年4月30日の「情報流通促進計画」さんの記事(http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/73857c74701db5cdbb08b0dfe94c3d27)では、与党の修正案について、村井教授が「修正案では適用範囲を制限することはできない」「逆に適用範囲が広がる」と指摘なさっていることが報告されている。

ともあれ、「もともとは、十九世紀はじめにイギリスで……用いられた概念であり」の部分を、もうちょっと調べてみたい。

「さかのぼりすぎ」というツッコミはなしの方向で。

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まず検索ワードは"conspiracy law" labour(Britな綴りはこういうときに絞り込めるから便利♪)、これでGoogleで1件目にけっこうドンぴしゃのが来た。(「19世紀はじめ」ではないが、まず見つかったものから見ていくことにする。)『ヴィクトリア朝中期の英国における政府(行政)と労働と法律:1870年代の労働組合についての法制度』という書籍のレビューだ。

GOVERNMENTS, LABOUR, AND THE LAW IN MID-VICTORIAN BRITAIN: THE TRADE UNION LEGISLATION OF THE 1870s, by Mark Curthoys. Oxford: Oxford University Press, 2004.
http://www.bsos.umd.edu/gvpt/lpbr/subpages/reviews/curthoys105.htm

引用:


Prior to 1875, union activity was further constrained by the revival of the common law of conspiracy. Curthoys observes that while jurists "were unsure precisely at what point a combination became a conspiracy ... there was no doubt that there were instances where an act, if not criminal when done by a single person, became indictable 'when effected by several with a joint design'" (p.19). The vagueness of conspiracy law afforded broad scope to judicial and prosecutorial innovation and made the common law a very useful tool to employers in confrontations with unions. Both liberal jurists and organized labor regarded the common law of conspiracy as a potentially expansive threat to the freedom of association and urged its statutory limitation. In response to these concerns the Liberal government intended that the 1871 Criminal Law Amendment Act (CLAA) would protect strikers from common law prosecutions provided their activity was non-violent. Yet much continued to hinge on how judges interpreted the statute.

【概要】※お願い:不正確かもしれないので、もし引用するなら原文を引用してください。

1875年に先立って、共謀についてのコモン・ローが復活されて労働組合運動はさらに制約がきつくなった。裁判官は「combination(団結)がconspiracy(共謀)になるのはどこからなのかについて確信しておらず」、一方で「ある行為が、1人が行なった場合には刑法に触れないとしても、『同一の計画を持った複数に影響されて』起訴されるべきものとなる点があることは間違いない」と考えていた、と本書の著者は述べる。共謀罪の曖昧さによって新たな適用が可能となり、このコモン・ローは雇用主にとって労組と対峙するにおいて、極めて有用な道具となった。自由主義的法曹も労組も、共謀についてのコモン・ローのことを、結社の自由に対する脅威、それも拡大する脅威になりうると考え、法的に限界を定めるよう強く求めた。これに答えて自由党政府は、1871年の刑法改正で、非暴力の活動であることを条件として、ストライキを行なう者をコモン・ローでの訴追から守るようにした。それでも多くが判事の法解釈によるという状況は変わらなかった。

はぁー。。。お茶入れよ。頭がくらくらする。

つまり、元々はコモン・ロー(慣習法)であった共謀罪を、労組の活動の犯罪化(criminalizing)を目的として法に取り入れた、ということか? 初めの方の引用で村井教授が「用いられた概念」としているのは、元がコモン・ローということだろうか。

(conspiracyって確かガイ・フォークス(1570-1606)―http://en.wikipedia.org/wiki/Guy_Fawkes―が死刑になった理由だよね。)

さらに先に進んでみよう。

この書評記事における、この書物(『ヴィクトリア朝中期の英国における政府と労働と法律』)の解説によると(まどろっこしいなぁ)、共謀(conspiracy)が制定法と組み合わされたのは、1873年のことであった。

London gas stokers(<訳語調べてませんが、蒸気機関に石炭をくべる仕事だと思います)のストライキの指導者たちの裁判で、the Master and Servant Act(<訳語忘れた。直訳すれば「主人と召使法」)のもとで違法行為を犯すことを共謀したとして起訴することを、判事が許可。共謀を、このような形で制定法と組み合わせることで、被告人には1867年の法のもとでの契約違反での懲役の4倍が科された。労働者階級の人々は判事のこの扱いに大いに嫌悪感を抱き、投獄後ほどなくして政府は減刑した。

本の著者は、当時の内務大臣ロバート・ハウが共謀の法律(the law of conspiracy)は2つの点で望ましくないと考えていたということに注目している。ハウはこの方法では、「即決裁判で終わるような微罪であっても、ものものしい法廷での裁判を経てより量刑の重い軽犯罪になりかねない。また、より望ましくないのは、共謀を取り入れることによって、個人が単独で行なった場合にはまったく違法行為でも何でもない行為が、複数の人間が行なえば軽犯罪になりかねないことで、しかもその行為が実際に行なわれなくてもそうなりうるのだ」と述べている。

実際に共謀(conspiracy)を犯罪とする法の制定は2年延期された。その理由は、この法を制定することによって必要とされる法の改定がどこまで及ぶかという点で官僚の間で意見が食い違っていたこと、また、1874年の総選挙で政権与党が変わったことであった。(グラッドストンの自由党から、ディズレイリの保守党に変わった。。。はずです、ごめん、確認サボります。)

保守党新政権は発足直後に労働関連の法律の改定に乗り出す。そして、1875年に、非暴力的な活動については違法としないことにし、the Conspiracy and Protection of Property Act(共謀および財産保護の法律)を制定、労働争議でのコモン・ローの余地を小さくした(? curtail)。その結果、……

……えと、ここで限界が来て、目に映る文字列が意味をなさなくなってきた(何が書いてあるのかわからなくなってきた)ので、唐突ですがここで終わります。「19世紀はじめ」のはあとで探す。

あと、これ(下記)、下書きから引っ張り出しておきます。「英米にはあるのだから」という言説の一例。


  フリップ|共謀罪 アメリカ イギリス
古館氏「共謀罪というのは、アメリカ、イギリスに当然すでにあります。ま、国連でも、日本に共謀罪がないから、国際的な条約の批准のために、こういうものを作ったらどうだというような促しも、かなりあったと聞いています。……
--「BQbbs」さんの4月28日記事、「報ステ06/04/25〜共謀罪〜」(http://seven.air-nifty.com/bqbbs/2006/04/060425_1087.html)より

2006年4月25日の「報道ステーション」で、このような場面があったとのことです。(残念なことに私はこれを見ていない。)

ちなみに私は法律はまったくの素人、はるか昔、大学に入ってすぐに一般教養で「法学」を選択して単位をいただいたくらいである。ゆえにトンデモナイ間違いがあるかもしれない。それはご指摘いただければと思う。

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