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[暴政]「愛国心」の説教よりも先ず「国民愛」を宣ったらどうだ、小泉首相?
日本経済新聞(5/17)の一面トップ記事によると、自民党(歳出改革プロジェクトチーム:座長、中川秀直政調会長)は歳出・歳入一体改革の歳出削減に関連して、「老人介護保険」利用者の負担割合を現行の1割から2割に引き上げる検討に入ったそうです。これは、自己負担を引き上げることで国民の“安易な老人介護施設の利用を抑制して国費負担を軽減することが目的だとされています。また、「雇用保険」についても失業者への給付費の一定割合を補填している国費負担の廃止の検討に入ったそうです。老人介護保険にかかる費用は2006年度で約1兆9千億円で、社会保障関係費の10%に満たない金額ですが、中長期的な伸びの見込みから一層の切り込みが必要と判断したそうです。この日経記事の試算によると、例えば特別養護老人ホームの相部屋(4人部屋)に入居している「要介護4」のお年寄りの毎月の負担は、なんと「25,900円→51,800円」と倍増することになります。
しかも昨年10月からは、施設入居者の部屋代等の負担増(最低でも5万円程度の負担増)が実施された(施設の事情に応じて部屋代が自由に決められるようになったため加算額に幅がある/参照、下記URL(★)の記事)ばかりなので、このお年寄りのケースでは実質的に月額で約10万円以上の負担になると推計されます。実に、現行の3.9倍以上の負担です。昨年10月からの部屋代負担増だけでも、支払いの困難なお年寄りが施設からの退去を迫られているのが実情であるので、もし、この自民党プロジェクトチームの計画どおり負担割合を現行の1割から2割に引き上げられると、恐らく過半以上のお年寄りが、事実上、「介護施設利用料+部屋代」の負担に耐えられず施設入居を諦めざるを得なくなります。筆者自身も、いずれは、このように過酷な取り扱いを受ける“お年寄り”の仲間に入ることになるかと思うとゾッとしてきます。その上、やがて日本の「雇用保険制度」も“有名無実”となることでしょう。 このような政府・与党の「暴政」をご支持されている過半の国民の皆様方は、これでご満足なのでしょうか?
★[暴政]日本政治の冷酷な現実・・・制限されつつある「生存権」
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050616
一方、小泉首相は“愛国心を教えるのが学校の先生のシゴトだ”というような主旨のことを宣ったようです。首相のこの発言に関して、“相変わらず分かり易い小泉首相の発言だ”と一部のテレビ・コメンテータが発言していたのには呆れかえるばかりです。日本国民は、どこまで“暴政とメディアの談合”に舐め尽されたらリアリティに気づくのでしょうか? 「共謀罪」も、今日の「医療制度改革法案」に引き続き、この週末には強行採決が行われる雲行きとなっています。青山学院大の新倉修教授(刑法)も「テロ対策の優等生になるため、条約が求める以上の過剰反応をしている。国民の利益を守るべき国家が、国際社会にいい顔をしようと国民生活を犠牲にするのは、まさに本末転倒というべきでしょう」と厳しく批判されています(東京新聞・核心(2006.05.17)、http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20060517/mng_____kakushin000.shtmlより転載)。
安定多数とメディアの支持率調査に慢心したのか、火事場泥棒のようにに“凶暴化”するばかりの政府・与党の「ドサクサ紛れ強行政策」が暴走するばかりです。これぞ“小泉流歌舞伎型(オペラ型?)・見栄え政治”(“見栄え政治”については、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20060516を参照)の実像です。今となっては後の祭りですが、5年前に、我われは小泉首相から「国民愛の宣言」と「国家的無駄遣いのカット断行に首を賭けるという言質」をシッカリ取っておくべきだったのです。結局、いい加減な“寄生虫のような世襲政治家”に“してやられるばかり”となったではありませんか!!
(参考URL)http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20060516
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