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【箕輪元防衛政務次官による自衛隊イラク派兵差止訴訟】 黄色いハンカチと白いリボン
http://www.asyura2.com/0601/senkyo21/msg/963.html
投稿者 提供人D 日時 2006 年 5 月 15 日 16:04:35: zjIwxfdYJcbls
 

(回答先: 箕輪登さんが死去 イラク派遣訴訟原告(北海道新聞) 投稿者 ドキッ!プロ奴隷だらけの水泳大会 日時 2006 年 5 月 15 日 10:04:14)

●平和憲法のメッセージ
http://www.asaho.com/jpn/index.html
黄色いハンカチと白いリボン 2004年2月9日
4カ月ぶりに訪れた旭川は寒かった。 http://www.asaho.com/jpn/bkno/2003/1201.html 氷点下15度。でも、弁護士や女性団体主催の講演会場は立ち見も出て、熱気が感じられた。「なぜ、自衛隊をイラクに派遣してはならないのか――日本がなすべき真の復興支援とは」と題して講演。テレビの取材クルーも何社か来ていた。地方で講演すると、参加者が非常にバラエティに富んでいるので楽しい。6年間、道民だった私としては、道内での講演は「故郷で話す」という気安さもある。 http://www.asaho.com/jpn/bkno/2001/0702.html 今回は、旭川からイラク派遣本隊が出るのを目前にして、話にも力が入った(講演内容は各紙道内版に掲載)。市内では、隊員の無事帰還を祈る「黄色いハンカチ」運動が始まっていた。米国で始まったもので、戦場から愛しい人が無事帰還するのを待つというパフォーマンスだ。日本での元祖「黄色いハンカチ運動」は、「手を貸して下さい」という「SOSの合図」ということで、障害者を援助する運動のことである。 http://www2.ocn.ne.jp/%7Enanairo/kiiro/kiiro.html 山田洋次監督作品「幸福の黄色いハンカチ」は米国のそれにヒントを得て作られた。今回の旭川の「運動」も映画のイメージに重ねたものだが、「無事を祈る」という自然な感情が、派遣の是非に関する理性的論議を棚上げしてしまうおそれがある。私は講演のなかで、それならば「降伏の白いハンカチ」ではどうか、と語った。「ソ連軍が攻めてきたら白旗を掲げよう」という冷戦時代の「白旗論」ではない。武力行使否定の論理を「白いハンカチ」に込めたのである。質疑のなかで一人の女性が、「白いリボン」を胸につける運動を行っていると発言した。「無事に帰ってきてほしい」という感情と対立することなく、にもかかわらず「派兵には反対」という意思を表明する工夫である。この運動の原点は、中米コスタリカの「平和の白いリボン」にある。 http://www.jca.apc.org/costarica/siryo/hokoku2002/sugimura.html 元コスタリカ大統領の夫人カレン・オルセンさん経由で、2001年頃から日本の市民運動に伝えられた。旭川でもこれが応用されたのだろう。ただ、黄色であれ白色であれ、そういう「もの」によって本人の信条が外に表示されるのを強制される踏み絵として機能するのは望ましくない。いずれにしても、その人の自然な感情や考えに委ねるべきで、折衷的に「クリーム色」にしたらいいという問題でもない。日の丸を振るにせよ、黄色いハンカチを胸に入れるにせよ、そういう小道具が出てくることによって、事柄の本質(自衛隊派遣の是非)が議論されなくなるムード的誘導が問題なのである。
  1月に入って世論は「派遣やむなし」に急速に傾斜しないった。『東京新聞』1月30日付特報欄は、世論の変化の背景には、「黄色いハンカチ」運動の効果もあるとみる。テレビ朝日と日本テレビの世論調査では1月段階で、派遣賛成が過半数を超えた。昨年12月まで世論状況と比べれば賛否はほぼ逆転したわけである。いったん既成事実ができてしまえば、世論というものはそれを容認する方向へと動き、マスコミも既成事実をベースにした報道に転換していく。しかし、自衛隊派遣は、従来の政府の立場からしても、許されない「海外派兵」であることに何ら変わりはない。元CIA特別顧問で大量破壊兵器調査団長を務めたD・ケイ氏が大量破壊兵器の存在を否定する証言をするなど、ブッシュ政権が「イラク戦争」を始めた根拠がほとんど崩れたことからも、自衛隊派遣をめぐる根本問題が問われ続けられなければならない。
  2月1日、旭川駐屯地で、小泉首相も参加して、編成を完結した「第1次イラク復興支援群」(群長・番匠幸一郎一等陸佐)への隊旗授与が行われた。番匠一佐は名寄駐屯地司令と紹介されたが、第3普通科連隊長でもある。レンジャー資格と米陸軍戦略大学留学経験をもつ。この人事の内定情報は、2カ月前、『北海道新聞』2003年12月2日付夕刊がスクープしていた。顔写真と実名を出したため、「テロに狙われたらどうする」と怒った自衛隊側から道新は一時、取材拒否にあったそうだ。この情報に基づき、私は12月段階で普通科連隊長がイラク派遣部隊の指揮官になることの問題性について触れた。 http://www.asaho.com/jpn/bkno/2003/1208.html カンボジアでもゴラン高原、ザイールでも後方支援連隊や施設大隊の長が指揮官となった。今回初めて、普通科連隊(歩兵連隊)という戦闘部隊の長が派遣部隊の指揮官となる。番匠一陸佐の記者会見をテレビで見たが、一線の部隊長としては安定感のある一級の人材であることには間違いない。そのようなレンジャー資格をもつ優秀な部隊長のもとで、より戦闘を意識した態勢が作られたことそれ自体が問題なのである。
  こうした政府の動きに対して、元郵政大臣の箕輪登氏が1月28日、自衛隊のイラク派遣の差し止めを求める訴訟を札幌地方裁判所に起こした。私が旭川に滞在していた1月24日、訴状のコピーを旭川の担当弁護士から空港で手渡され、市内に向かう車内で一読して大変感銘を受けた。箕輪氏は防衛政務次官も務めたいわゆる「国防族」である。いま手元には、1978年、箕輪氏が自民党国防問題研究会代表世話人としてまとめた『有事法令研究』報告書がある。80年代はじめ、私は箕輪氏の書いたものを批判的にコメントしたこともある。その箕輪氏が訴状でこういう。「原告は、政権党の国会議員としてわが国の防衛政策、外交政策に深く関与してきた。『専守防衛』の是非や実態をめぐり、野党と激しい論争も行ってきた。しかし、今回のイラクへの派兵は、かような原告の立場からしても、明らかに憲法第9条、自衛隊法に違反する」と。さらに箕輪氏は、自衛隊のイラク派遣により平和的生存権が侵害されると主張する。理由として、「イラク戦争によって、国際的なテロの土壌が拡大し、日本国内外で活動し生活する日本人がテロの標的にされる可能性が顕著に増大している。従って、原告の生命・身体、自由、幸福追求に対する権利侵害の危険性が具体性を有するに至っている」ことを挙げる。1973年9月の長沼事件札幌地裁判決が平和的生存権を裁判規範として認めたときの論理は、簡単にいえば、ミサイル基地建設により相手国の第一攻撃目標となり、そのことで「一朝有事の際」に原告らの平和的生存権が侵害されるというものだった。今回は、テロの標的になることが平和的生存権侵害とされている。慰謝料請求の部分ではこういう。テロなどにより「原告自らの生命・身体、自由、幸福追求への侵害の危険をもたらすと同時に、他国の人々に対するそれらの侵害に加担させられるのであるから、これにより受ける精神的苦痛は、人間として平和的に生きたいと考えている原告にとって耐え難いものである。原告は、かかる精神的苦痛に対する慰藉の一部として金1万円を請求するものである」と。裁判所に受け入れられる主張となるためには、当該訴訟を起こす原告としての資格(原告適格)のところでハードルを越えなくてはならない。平和的生存権に新しい光をあてるなどの意味はあるが、実際の差し止めの見込みがあるかどうかはなお検討を必要とする。
  防衛政務次官も務めた箕輪氏の上記主張は、元防衛庁教育訓練局長で現在新潟県加茂市長である小池清彦氏のイラク派兵反対主張(『アエラ』2003年7月28日号、『朝日新聞』7月19日付「ひと」欄など)とも響きあう。小池氏は日本国憲法のことを「平和憲法」と呼び、自衛隊員の服務宣誓問題についても言及している。 http://www.asaho.com/jpn/bkno/2003/0721.html 箕輪氏や小池氏のみならず、野中、古賀、加藤といった、三代にわたる自民党幹事長経験者が批判するのも、ひとえに、「自衛のための必要最小限度の実力」としての自衛隊を、イラク特措法のような、時限立法でかつ特措法という手法でどさくさ紛れに海外に出し、かつそこで武力行使を行わせることによって、米国ブッシュ政権との約束を果たそうというのが、小泉政権の無謀な「政治的冒険」だからである。「国際貢献」という美しい言葉に幻惑されて、小泉政権の「自衛隊の政治的利用」を許さないという点では、いま、幅広い一致が成立するのではないか。
  なお、短期間にもかかわらず、この訴訟の弁護団として、北海道内の各弁護士会から109名の弁護士が参加しているという(2月6日現在)。
 
http://www.asaho.com/jpn/img/2004/0209/01.jpg
http://www.asaho.com/jpn/bkno/2004/0209.html

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関連リンク
 
●自衛隊イラク派兵差止北海道訴訟
http://www.hg-law.jp/iraq/
準備書面
平成16年(ワ)第193号
平成17年(ワ)第480号
自衛隊イラク派兵差止等請求訴訟
原告 箕輪登 外32名
被告 国
準備書面 ?
(国家賠償法1条に基づく損害賠償請求権について)
2005年(平成17年)4月11日
札幌地方裁判所民事第1部合議係 御中
原告訴訟代理人
弁護士 佐藤博文
(弁護団事務局長)
外113名
 記
《略》
(3) 原告箕輪登本人が被った精神的苦痛は、福岡地裁の上記判決が述べるような、「利益を主張する者の立場、当該宗教的活動による影響の程度、侵害の態様いかんにより、単なる不快感、嫌悪感等の域を超え、個々人の具体的な利益を侵害された」という内容を十分に満たすものである。
原告箕輪登は、自民党の国会議員として政界で防衛問題を中心とした様々な活動をし、また、防衛政務次官として自衛隊の存続・運営に深く関わっていた人物である。同人の自衛隊に対して持つ信念は、法廷での何度かの意見陳述でも明らかなように、次のようなものであった。
@ 自衛隊は専守防衛を前提として、そのためにだけ限定して初めて憲法上許されると考えられる存在である。
A 専守防衛の意味は、現実に日本の領土が侵略を受ける事態となったときに、その防戦をするということである。
B したがって、自衛隊は日本の外に出ていくことは許されず、まして海外に派遣されるべきものではない。
C 自衛隊の目的は@のとおりであり、それ以外の目的に使われるべきではない。
原告箕輪登は以上の信念に基づいて、政治家として活動を行い、自衛隊の合憲を訴えてきたのである(そしてこの見解は、当時の政府見解そのものでもあった)。
ところが、湾岸戦争以来、被告国(政府)が行ってきたことは、原告箕輪登の自衛隊についての信念から見れば、憲法上許された枠を大きく越えており、原告は、自衛隊は、もはや憲法上存在が許されない専守防衛の理念に反する「軍隊」になりつつあると考えるようになった。
原告箕輪登は、このことを憂慮し、湾岸戦争当時の政府閣僚、親交のある自民党議員に親書を送り、現在の自衛隊を巡る議論は間違った方向に進んでいると警鐘を鳴らしたのである。しかし、これらの親書は黙殺され、自衛隊の海外派遣が強行されて行ったのである。
原告箕輪登は、今回の自衛隊イラク派遣については、国連の反対を無視して米国が単独でしかけたイラク戦争に日本が支持表明をし、しかもその戦後処理のために自衛隊を派遣しようとしたことに、侵略戦争への加担ではないかと強い危惧を抱いた。今回の派遣は、それまでのものとは異なり、全く理由のない米国の侵略行為の加担であり、国は、自衛隊を、「専守防衛」どころか、その存在理念すら放棄した、侵略軍の支援をする「軍隊」として利用しようとしていると考えられたのである。
原告箕輪登は、再び、自衛隊派遣について、その危険性を訴え、憲法に対する重大な違反行為であると警告する親書を、小泉首相他政府閣僚や自民党国会議員に送った。しかし、これらはすべて無視され、政府与党の間では、ほとんど議論もされないまま、自衛隊派遣が強行されたのである。
原告箕輪登は、自分がその必要性を訴え、合憲性を主張し続けてきた自衛隊が、このような侵略戦争加担行為に使われることについて、そこに派遣される個々の自衛隊員とその家族の心情を慮って、耐え難い精神的苦痛を覚えている。
また、原告箕輪登は、防衛政務次官として、自衛隊は「専守防衛」の存在でなければならないとの信念に基づいて行ってきたことが全て無に帰し、戦争を行える「軍隊」を養成する結果となってしまったことを、今目の当たりにしている。このような事態への歯止めの役割を果たし得なかった原告箕輪登の無念さは計り知れない。
さらに、原告箕輪登本人の立場についても、このような事態になったことについて、専守防衛に限定してこそ自衛隊は合憲であるとの原告箕輪登の主張を信頼し、それを支持して自民党や自分自身に一票を投じ、自衛隊の存在を容認してくれた支援者、国民を裏切ることになったという自責の念に苛まれる毎日である。
原告箕輪登が受けているこれらの精神的苦痛は、単なる国民一般が受ける危惧感、不安感、嫌悪感を越えた、自己の政治家としての公的な人生を否定されるに等しい、より具体的で深刻なものである。
したがって、原告箕輪登に対しては、国家賠償法1条の損害賠償が認められなければならない。
《略》
 
http://www.hg-law.jp/iraq/img/preparation9.pdf
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