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首相の米議会演説向け「靖国不参拝表明を」 下院委員長
2006年05月13日15時37分
6月末に予定される小泉首相の訪米をめぐり、米下院のハイド外交委員長(82)=共和党=が、日本が模索している米議会での首相演説を実現するには「靖国神社を参拝しないことを自ら進んで表明する必要がある」とする趣旨の書簡を同党のハスタート下院議長に出していたことが12日わかった。8月の終戦記念日前後の首相の靖国神社参拝を強く牽制(けん・せい)する内容だ。
米議会筋によると、書簡は4月下旬に出された。まず、イラクやアフガニスタンで米国を支援した強固な同盟の代表として首相の議会演説は基本的に歓迎する意向を表明。そのうえで、首相が演説の数週間後に靖国神社を参拝することへの懸念を示した。真珠湾攻撃に踏み切った東条英機元首相ら同神社に合祀(ごうし)されているA級戦犯に首相が敬意を示せば、フランクリン・ルーズベルト大統領が攻撃の直後に演説した場である米議会のメンツをつぶすことになるとしている。
さらに、真珠湾攻撃を記憶している世代にとっては、首相の議会演説と靖国参拝が連続することは懸念を感じるにとどまらず、侮辱されたとすら思うだろう、と指摘。「演説後に靖国参拝はしないと議会側が理解し、納得できるような何らかの措置をとってほしい」と求めているという。
日本側は良好な日米関係をアピールする狙いから、首相訪米時に上下両院の合同会議で演説することを模索している。米議会の資料によると、実現すれば日本の首相としては初めて。合同会議での演説は上下両院の同意が必要とされており、上院側では首相演説に懸念を表明する動きは出ていない。書簡に対するハスタート下院議長からの返答はまだないという。
ハイド氏は第2次世界大戦当時、フィリピン海戦などに参戦した経験のあるベテラン議員。昨年秋にも小泉首相の靖国神社参拝をめぐって「(アジアの)対話が阻害されるとしたら残念だ」などと懸念を示す書簡を加藤良三駐米大使に送っている。
http://www.asahi.com/politics/update/0513/006.html
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