★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK21 > 878.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
2006年05月12日23時56分
http://www.asahi.com/national/update/0512/TKY200605120251.html
広島や長崎で被爆し、がんなどにかかった被爆者が、原爆症と認められないのは不当として、国を相手に不認定処分取り消しと1人当たり300万円の国家賠償を求めた集団訴訟の判決が12日、大阪地裁であった。西川知一郎裁判長は「被爆と疾病との因果関係については、被爆前後の健康状態や症状などを総合的に考慮して判断すべきで、国の審査基準を機械的に適用すべきではない」と指摘。9人の不認定処分を取り消す原告勝訴の判決を言い渡した。賠償請求は棄却した。
(写真省略)
勝訴の判決を聞き弁護士(左)と喜ぶ原告の(左から)甲斐常一さん、木村民子さん、小高美代子さん、佐伯俊昭さん=12日午後、大阪地裁で
判決は現在の国の認定基準の合理性を否定しており、東京、名古屋、広島、長崎など全国13地裁で争われている他の集団訴訟にも影響を与える可能性がある。
勝訴したのは、がんや甲状腺機能低下などを発症している大阪、京都、兵庫の3府県に住む69〜81歳の男女9人。7人は爆心地から1.5〜3.3キロで被爆しており、2人は原爆投下後に被爆地に入った「入市被爆者」だった。
被爆者援護法は原爆症と認定する要件として、原子爆弾の放射線による疾病や傷害により、医療を必要とする状態にあることを定めている。
判決はまず、国の審査基準の基礎となっている放射線の被曝(ひばく)線量の算定評価システム「DS86」と、それを更新した「DS02」について検討。(1)1.3キロ以上離れた場所の放射線量を過小評価している疑いがある(2)2キロ以上先で被爆した「遠距離被爆者」にも脱毛などの放射線による急性症状がみられた――などと指摘。1.3〜1.5キロ以遠の被爆者については機械的な適用に慎重であるべきだとした。
さらに、「DS86」などでは考慮されていない残留放射線や爆発で発生した放射性降下物による被曝、放射性物質を吸い込んだことなどによる内部被曝の危険性も認定。入市被爆者や遠距離被爆者には、これらの影響も考慮して因果関係を判断すべきだと述べた。
そのうえで、現在の審査基準となっている「原因確率」について判断。この数値が10%未満であれば被害の可能性が低いとしている現在の審査手法について「必ずしも妥当とは言い難い」と批判。「原爆症認定は被爆前後の生活や健康状態などを総合的に考慮して判断すべきだ」とした。
原告9人の病気と被爆との因果関係については、爆心地から1.5〜3.3キロで被爆した7人に加え、入市被爆者が飲食、呼吸による内部被曝などで被害を受けた可能性を考慮。脱毛などの症状が出た入市被爆者2人も「放射線に起因した発症とみるのが合理的」と述べ、全員の疾病について原爆の放射線によって引き起こされた可能性があると結論づけた。
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK21掲示板