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あなた見られています 監視と安全のはざまで
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第4部 パソコン監視
<1> 企業情報流出 増える「監視ソフト」 2005/10/21(金) 朝刊掲載
http://www5.hokkaido-np.co.jp/syakai/eye/04-1.php3
<2> 広がる「目」 2005/10/22(土) 朝刊掲載
http://www5.hokkaido-np.co.jp/syakai/eye/04-2.php3
<3> 見張る気持ち 2005/10/23(日) 朝刊掲載
http://www5.hokkaido-np.co.jp/syakai/eye/04-3.php3
<4> 究極の技術 2005/10/24(月) 朝刊掲載
http://www5.hokkaido-np.co.jp/syakai/eye/04-4.php3
(報道本部の本間誠也と嶋田直純が担当しました)
第3部 共謀罪
<上> 新・治安維持法 2005/07/21(木) 朝刊掲載
http://www5.hokkaido-np.co.jp/syakai/eye/03-1.php3
<中> 外圧 2005/07/22(金) 朝刊掲載
http://www5.hokkaido-np.co.jp/syakai/eye/03-2.php3
<下> 懸念 2005/07/23(土) 朝刊掲載
http://www5.hokkaido-np.co.jp/syakai/eye/03-3.php3
(報道本部の本間誠也と今川勝照が担当が担当しました)
第2部 統制へ
<1> 自警団 2005/06/01(水) 朝刊掲載
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<2> 思想処罰 2005/06/02(木) 朝刊掲載
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<3> 学校で 2005/06/03(金) 朝刊掲載
http://www5.hokkaido-np.co.jp/syakai/eye/02-3.php3
<4> サイバー検閲 2005/06/04(土) 朝刊掲載
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<5> からくり 2005/06/05(日) 朝刊掲載
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(本間誠也、藤田和恵、田中徹、今川勝照、古田佳之が担当しました)
特集
「カメラ社会」どこへ 2005/04/30(土) 朝刊掲載
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街頭や職場、公共施設、店舗、駐車場といった場所で、「監視カメラ」が猛烈な勢いで増えている。だが、安全や犯罪抑止の効果は明確でなく、撮影や録画の管理・運用の明確なルールも、ほとんど存在しない。プライバシー侵害の懸念を置き去りにし、「カメラ社会」はどこへ向かうのか。現状と課題をまとめた。(監視社会取材班)
第1部 カメラ
<1> 増殖する眼 2005/04/20(水) 朝刊掲載
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<2> 技術革新 2005/04/21(木) 朝刊掲載
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<3> 労務管理 2005/04/22(金) 朝刊掲載
http://www5.hokkaido-np.co.jp/syakai/eye/01-3.php3
<4> Nシステム 2005/04/23(土) 朝刊掲載
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<5> 防犯タウン 2005/04/24(日) 朝刊掲載
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(本間誠也、藤田和恵、田中徹、今川勝照が担当しました)
あなた見られてます 監視と安全のはざまで
2005/07/21(木) 朝刊
<上> 新・治安維持法 処罰の対象拡大の恐れ
実際に犯罪を行っていなくても、犯罪について話し合っただけで摘発対象となる共謀罪。「超監視社会を招く」とも批判される法律をなぜ導入しようとするのか。それは、何をもたらすのか。郵政民営化法案をめぐる騒ぎの陰で、ひっそりと国会審議が始まった共謀罪の問題点を考える。
◇
「このような法案の審議に立ち会うとは夢にも思わなかった。共謀罪は現代の治安維持法と断じて間違いない」
共謀罪新設を盛り込んだ関連法案の本格審議が始まった今月十二日の衆院法務委員会。弁護士出身の民主党・辻恵議員(近畿比例区)は質疑の冒頭、憤りを隠そうともせず切り出した。
辻議員が引き合いに出した治安維持法は、社会運動や思想を取り締まり、処罰するために制定された戦前の法律。一九二五年の公布当初は共産党を摘発対象にしたが、三年後、「結社の目的遂行のためにする行為」の規定が加えられ、性格は一変した。
法の適用対象が一挙に広がり、労働組合の活動や文化運動、治安維持法の被告に対する弁護士の弁護活動まで、「共産党の目的のための行為」とみなされ、処罰されるようになった。
故三浦綾子さんが小説「銃口」のモデルとした北海道綴方(つづりかた)教育連盟事件(四○−四一年)では、進歩的な作文教育の推進が「目的遂行罪」に当たるとして、連盟の教師らが逮捕された。
2人で「団体」
内心の自由を侵害する恐れ、そして乱用の余地を残す規定のあいまいさ−の二点から、共謀罪と治安維持法は類似している。共謀罪は、テロ防止対策を定めた国際組織犯罪防止条約の国内法化という位置付けなのに、対象を「国際的な犯罪集団」に限定していない。二人以上の「団体」の共謀であれば処罰対象となってしまう。
政府側は衆院法務委の答弁で「対象は暴力団などによる国際的な組織犯罪。一般の団体への適用はない」と繰り返すが、辻議員の疑念は消えない。「一般に適用しないのなら、団体の要件を厳密に規定するべきだ」と。
組合活動委縮
日弁連や自由法曹団などは、共謀罪によって危惧(きぐ)される事例を想定している。
高層マンションの建設に反対する住民組織が建設資材の搬入阻止を計画したところ、威力業務妨害の共謀容疑で逮捕される−。そんなことも起こりかねない。
自由法曹団事務局の大崎潤一弁護士(東京)はこう言う。「反戦ビラを投函(とうかん)した人間に住居侵入罪を適用したように、すでに法律の恣意(しい)的運用はまかり通っている。法案が成立したら、捜査当局に大きな武器を与えることになる」と。
道労連執行委員を務める吉根清三さん(札幌)には忘れられない記憶がある。タクシー会社の労組委員長だった九三年、支店長を丸一日監禁したとして逮捕されたことだ。
夏季一時金の支給を求める組合に対し、会社は賃金カットを逆提案して団体交渉を拒否。組合が実力行使で団交に持ち込んだ時に、「事件」は起きた。公判で「団交は組合の正当な権利。支店長は二度も途中退室しており監禁ではない」と反論したが、札幌地裁で執行猶予付きの有罪判決が言い渡された。
吉根さんは訴える。「不誠実な会社には『押しかけ団交』も戦術となるのに、共謀罪ができたら団交を決める会議自体が予防的に(事前に)摘発されかねない。話し合いが原則の組合活動を委縮させてしまう」
◇共謀罪◇
現行法では犯罪が実際に行われた場合にのみ共謀者を罪に問えるが、共謀罪は複数の人間による犯罪の「合意」自体を処罰対象とする。適用罪種は重大犯罪に限らず、強要や公選法、消費税法など600以上。合意が摘発対象となるため、内心の自由の侵害が懸念される。
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あなた見られてます 監視と安全のはざまで
2005/07/22(金) 朝刊
<中> 外圧 国内に立法化要求なし
「共謀罪は日本の法体系を根本から覆す法案。政府代表は当初、国際委員会で共謀罪を日本で立法化することに反対していた」
山梨学院大の山口直也教授(刑事訴訟法)は意外な事実を語り始めた。
共謀罪新設は、テロ防止などを目的に国連が二○○○年に採択し、日本の国会が○三年に批准した「国際組織犯罪条約」が根拠となっている。
山口教授は一九九九年、条約起草に向けたウィーンでの国際委員会審議を、数度にわたり傍聴した。
「日本の刑法は、客観的な犯罪行為があってはじめて処罰できるとする『行為主義』が原則です。各国に共謀罪立法化を義務付けている条約草案に、日本政府が異を唱えたのは至極当然でした」
2カ月で一転
ところが、山口教授が二カ月後に委員会を傍聴した際、政府代表は一転、条約草案に賛成する側に立場を変えていた。この間、どんな交渉が行われたのか。
「共謀罪に似た法律を持つ米国や英国などの要求に、結局は抗し切れなかったのでしょう。米国を中心とする外圧によって、日本の刑法は危うい大転換を迫られようとしているわけです」
やはり共謀罪に反対する関東学院大の足立昌勝教授(刑法)は、○二年秋の法制審議会について語った。
「法務省の事務当局者は審議会の席上、『共謀罪に関する国際的な要求はあるが、国内的な立法事実(立法化を求める社会的な要求)はない』と明言しています。言い換えれば、国際条約を批准したから、共謀罪を新設せざるを得なくなったのだと」
「外圧」によって共謀罪を作るなら、政府は実際には使いにくい、有名無実の法案を作ることもできる。ところが、法務省は共謀罪の処罰対象を単なる「団体」とするだけで、適用される罪種も国際組織犯罪とは縁遠い消費税法や水道法違反など六百以上に広げてしまった。
「大半の人は、共謀罪は自分とは無関係だと考えている。しかし、団体に関する規定があいまいで、適用罪種がこれだけ拡大されれば、捜査は主観的に行われ、誰もが簡単に容疑対象になってしまう」。足立教授は共謀罪に無関心な世論に対しても、もどかしさを募らせている。
黒塗りの理由
「委員会をこけにした態度といわざるを得ない!」
共謀罪が衆院法務委で本格審議入りした今月十二日。民主党の松本大輔議員(広島2区)が政府側を追及する語気は激しかった。
松本議員が怒りをあらわにしたのは、国際組織犯罪条約の交渉記録を法務委員会に資料提出するよう求めたところ、記録の重要部分の多くは黒く塗りつぶされていたからだ。
共謀罪は明らかに国際組織犯罪対策のためにつくるものなのに、政府は「摘発対象は国際的な犯罪集団に限定されない」という趣旨のことを繰り返している。そして、その理由について明らかにしているとみられる交渉記録の大半も墨塗りされていた。
日弁連の共謀罪等立法対策グループの海渡(かいど)雄一弁護士(東京)は「墨塗り部分こそが条約の最重要ポイント。これほど多くの墨塗りは不可解だ。政府は国際条約の名を借りて、国内で都合のいい取り締まり手段を確保しようとしているのではないか」と話す。
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あなた見られてます 監視と安全のはざまで
2005/07/23(土) 朝刊
<下> 懸念 盗聴範囲広がるのでは
「実行行為ではなく、犯罪の合意という内心的事実を対象とする共謀罪は、通信傍受法(盗聴法)の拡大につながらないか」
今月十二日の衆院法務委員会。公明党の漆原良夫議員は市民団体などの懸念を代弁するように、こんな質問を政府にぶつけた。
二○○○年に施行された盗聴法は、令状請求を義務付けた上で、対象を《1》組織的な殺人《2》薬物《3》銃器《4》集団密航−などの組織犯罪とし、傍受は電話やメール、ファクスに限定している。
しかし、共謀罪が「話し合いの内容」を摘発対象としているだけに、「現行法を拡大して室内盗聴の導入をもくろんでいる」との危惧(きぐ)が市民団体などに広がっているのは自然だ。
知らぬうち…
政府は漆原議員に「共謀罪新設と捜査手法は別の話。共謀罪の立証は、別の事件の容疑者の供述や関係者証言などで行う」と答弁し、盗聴法の適用範囲や捜査手法の拡大に対する懸念を打ち消したが、それは果たして本当なのか。
実は、共謀罪が国会に上程された○三年以来、政府や自民党は組織犯罪対策として、盗聴法拡大を含む「新たな捜査手法」の導入を検討し続けている。
自民党政務調査会が○四年六月に発表した「世界一安全な国へ−治安強化のための七つの宣言」では、「捜査環境の整備に取り組むことが急務」とし、盗聴法の適用範囲の拡大はもちろん、おとり捜査や泳がせ捜査などの積極活用を提言している。政府の犯罪対策閣僚会議が○三年末に定めた「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」でも、盗聴法拡大とその法整備の必要性を強調した。
○二年二月の国家公安委員会では、裁判官への令状請求なしに盗聴を可能とする「行政傍受」の必要性について議論され、警察庁は「テロ対策として、行政傍受制度を含めた外国の法制度を調査している」と回答している。
一九九四年、東京地裁に出廷した一人の男性の証言に注目が集まった。東京の補聴器メーカー元技術者の丸竹洋三さん(71)。「警察にワイヤレス盗聴器の開発を依頼され、納入した」と明かしたのだ。
東京都日野市の閑静な住宅街を訪ねると、丸竹さんは穏やかな口調で語り始めた。
「入社直後の五七年、盗聴器の開発を依頼され、六○年代初頭まで約二百五十台納入しました。警察は『麻薬密輸事件などの犯人取り調べに使う』とうそをつき続けていました」
八六年、共産党幹部宅を神奈川県警が盗聴していたことが発覚し、同党は国などに対し賠償請求訴訟を起こした。その裁判の過程の九三年、共産党弁護団は丸竹さんを訪問し、各地の共産党施設で見つかった盗聴器や設計図を丸竹さんに見せた。それはまさに、丸竹さんが開発したものと同じだった。自分が警察の違法盗聴に協力していたことに気づかされた。
捜査楽になる
丸竹さんが警察に向ける言葉は厳しい。「法律がなくても盗聴するくらいだから、(共謀罪のような)法律が一度できれば、組織が使いやすいよう法律を変えてしまう」
共謀罪が国会で審議入りした六月下旬。警察庁幹部は北海道新聞の取材にこう言った。
「米国や英国には共謀罪があるから捜査が楽なんだ。法案が通ればわれわれは大助かりだ」
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【共謀罪】北海道新聞 卓上四季(5月12日)
2006年5月12日朝刊
北海道新聞 卓上四季 共謀罪(5月12日)
ある町に産業廃棄物処理工場の建設計画が持ち上がった。環境破壊が心配だ、と集会所に集まった周辺住民
▼「駅前でビラをまいて反対運動への参加を呼びかけてみよう」「まずはそれだね」「デモや座り込みで建設現場に入ってくるトラックを止めるのはどうだろう」「そこまでしなくちゃだめかな」「建設阻止のためには、そのくらいしないと」
▼どんな市民運動でもこの程度の話は出るだろう。特に珍しいことではない。ところがこれ、共謀罪が適用される恐れのあるケースの一つなのである。札幌弁護士会の弁護士らが市民集会で演じたドラマのひとこまだ
▼共謀罪というと何か恐ろしいたくらみを連想する。普通に暮らしている一般人には関係ないこと、とつい思いがちだが、右の例のように意外に身近なことにもあてはまってしまうかもしれない。そこがこの法律の持つ危険な側面だ
▼国際的なテロ組織やマフィアによる犯罪の未然防止には確かによく効く薬なのだろう。犯罪の実行を話し合うだけで、しかし、罪となるから副作用は甚大だ。運用次第で人権を脅かすという懸念が出るのは当然である
▼衆院での審議はヤマ場を迎え、採決が近いといわれている。ちょっと待ってほしい。この種の法律はいったん制定されるとどんどん独り歩きしていくものだ。将来に禍根を残さぬように議論を尽くすのが国会の責任ではないか。
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