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□貧乏人が命がけで金持ちに奉仕する社会になる [ゲンダイ]
http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=26171
【斎藤貴男「二極化・格差社会の真相」】
2006年5月8日掲載
貧乏人が命がけで金持ちに奉仕する社会になる
日米両政府の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議会(2プラス2)が、在日米軍再編について最終的に合意した。新聞の大見出しやテレビニュースのヘッドラインは沖縄・普天間基地の返還や海兵隊の移転話ばかりを強調して、予備知識がないと、まるでよいことずくめのように思わされてしまう。
だまされてはならない。問題は、彼ら言うところの「日米同盟の新たな段階」の中身である。
普天間の機能は同じ沖縄の辺野古で拡充されていく。神奈川県のキャンプ座間にはワシントン州フォートルイスの米陸軍第1軍団司令部が移転してくる。地球の総面積のほぼ半分、アジア・太平洋地域から中東、湾岸地域に及ぶ“不安定の弧”の全域をカバーしてきた米国の軍事戦略の中枢で、ここには陸上自衛隊が新設する対テロ・ゲリラ戦部隊「中央即応集団」の司令部も置かれる。
また米第5空軍司令部のある横田飛行場(東京都)には「共同統合作戦センター」(運用調整所)を設け、府中の航空自衛隊総隊司令部と関連部隊を移設して事実上の合体。すでに海上自衛隊の基地と近接している米海軍横須賀基地には、原子力空母「ジョージ・ワシントン」が配備されることが決まった。本土のマスコミは隠蔽(いんぺい)しているが、やがて沖縄本島と台湾との中間地点に浮かぶ宮古諸島への自衛隊駐屯計画も本格的に動き出す。
何のことはない。“新たな段階”とは、日本列島を丸ごとアメリカの戦争の戦略拠点に提供すること以外の何物でもないのだ。前回も指摘した徴兵制の構想は、早ければ数年のうちに浮上しよう。あるいは格差社会がより拡大されて、戦争で手柄を立てるしか生きていくすべがない階層が量産されるのが先か。貧乏人が命がけで金持ちに奉仕する米国式社会構造の完成こそ、実は構造改革のもうひとつの狙いなのだ。
私は、月刊「現代」の最新号で、海上自衛隊が2003年11月に展開した実動演習計画を他メディアに先駆けてリポートした。北朝鮮と中国を仮想敵国にして、海上自衛隊が米海軍と一体化。専守防衛の理念の逸脱どころか、先制攻撃さえも辞さない彼らの姿勢を明らかにしたつもりだ。
岩波新書で「ルポ改憲潮流」も書き上げた。自己宣伝などしたくもないが、血に飢えた米国の一部を目指す日本政府の同伴者と化しつつあるマスコミに頼るだけではわからない現実がある。とにかくそれを知ってもらいたい一心。サヨクの反日と嗤(わら)わば嗤え。戦争だけはやってはならない。断じて。
▼斎藤貴男(さいとう・たかお) 1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「機会不平等」「『非国民』のすすめ」「安心のファシズム」など著書多数。
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