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“共謀罪”という法律の周縁
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投稿者 如往 日時 2006 年 5 月 11 日 05:32:20: yYpAQC0AqSUqI
 

(回答先: 若干すれ違っていると思います 投稿者 佐藤巧 日時 2006 年 5 月 10 日 23:08:44)


 佐藤巧さん、こんにちは、はじめまして。
 横レスにて失礼します。
 佐藤さんが望まれている「組織犯罪に対する抑止策の具体的な提言」について満足がゆく回答になるかどうか心配ですが、“共謀罪”の何が問題なのか、私見を述べてみたいと思います。


 >私が知りたいのは、反共謀罪の立場のブログやホームページ、あるいはメディアでも良いのですが、現在審議されようとしている共謀罪とは異なるやり方で、「対象に応じた形の取り締まり」としての組織犯罪に対する抑止策の具体的な提言なのです。

 “共謀罪”に関する問題では第一に、組織犯罪に対する抑止策として “共謀罪”の設営が国内法的もしくは社会的に要請されているかどうかと云った点があり、取り分け現行法の範囲内で組織犯罪に対応できるか否かが十分に論議されていないことが大いに疑問だと感じています。(寧ろ、私は警察官のモラルの向上をはじめとする警察の制度改革こそ優先されるべきだと考えています。)
 第二に、法理論的には“共謀罪”のような予防法の導入にあたっては特に適用範囲を明確にすることや、尚且つ予防法故に官憲による恣意的適用が懸念されますので、それに対して主権者たる国民が抗告する制度を併せて明示しておかねばならないのですが、今回の“共謀罪”ではその点の不備が指摘されていることは最も憂慮すべき点であると考えています。すなわち、実定法と予防法との間にある対立点及び矛盾点の補完・修正を可能にするのは抗告権の併設であろうと思いますし、そうでないならば近い将来の日本には暗に密告が奨励されるような閉塞した社会が現出するのではないかと危惧しています。
 結論的には「組織犯罪に対する抑止策」=予防法は統治側の意思の強権発動に資するものであって、結果の処理を本分とする近代の実定法とは本質的に馴染まないものですから、遺憾ながら国民による「組織犯罪に対する抑止策の具体的な提言」の実現性は非常に乏しいと謂わざるを得ません。つまり、全ては時の政府が「組織犯罪」についてどう捉えどう対処するかに掛かっているのであり、国民からの要請が直接的に反映されたものではあり得ないと云うことです。これは、戦前・戦中の事例を引くまでもない明白な事実ではないでしょうか。

 また、会いましょう。

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