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□「小泉劇場」が終演した最大の理由 [ゲンダイ]
http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=26146
【金子勝の天下の逆襲】
2006年5月2日掲載
「小泉劇場」が終演した最大の理由
得意の手法を封じられ…
自民党が民主党に衆院千葉7区補選で敗れたことで、「小泉劇場は終わった」という見方が急速に広がっている。では、「小泉劇場」に陰りが見えてきた最大の理由は何なのか。
これまで小泉首相が有権者の支持を集め、選挙で勝利してきた理由はハッキリしている。自民党内野党として“抵抗勢力”と戦う構図を巧みに演出してきたことだ。この手法によって、野党はこの5年間ずっとカヤの外に置かれてきた。主役も敵役も、すべて自民党だったのである。これでは有権者の視線に野党は入らない。
しかし、昨夏の郵政選挙で抵抗勢力を全員、追放してしまったために、小泉首相=自民党という構図になり、もう自民党内「野党」のフリはできなくなってしまった。
そこで小泉・安倍コンビは、中国と韓国を敵役に仕立て上げ、ナショナリズムをあおることで乗り切ろうとしてきた。外交問題なら、再び野党をカヤの外に置けるというわけだ。それに、常に戦っているポーズを取るには、それしか選択肢がなかったのだろう。
ところが、民主党の前原誠司前代表が偽メール問題でコケて、小沢一郎が新代表に就任したことで状況が一変してしまった。小沢新代表は、前原前代表と違って対決姿勢を明確にした。こうなると、必然的に自民VS.民主という構図になり、「小泉構造改革」の是非を真正面から問う構図になる。これは小泉首相が一番、恐れていたことだ。実際、千葉補選で敗北している。
小泉改革の“成果”が冷静に問われ始めると、小泉首相は退陣する9月までジリ貧になる可能性がある。しかも、これから秋にかけて、首相にとって恐ろしいシナリオが待っている。原油の高騰である。
04年、05年の原油価格の動向を見ると、いずれも6、7月〜秋にかけて急上昇する展開を示している。だから、G7でも話題になったし、中国は戦略的に備蓄を進めている。ブッシュ大統領は相変わらず、当面のことしか考えていないので、石油の備蓄を開放して、ガソリン価格を下げようと必死だ。
1バレル=70ドル台まで上昇した原油は、最悪の場合、9月頃には1バレル=80ドル台まで高騰しかねない。そうなると物価も金利も上がり、米国の住宅バブルははじけ、中国の景気も後退する恐れがある。当然、日本の景気も影響を受ける。小泉首相は、ホンネでは9月を待たずに、一日も早く辞めたいのではないか。
【金子勝】
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