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法務委員会 共謀罪 5月9日   【国会 委員会 答弁内容】
http://www.asyura2.com/0601/senkyo21/msg/759.html
投稿者 愚民党 日時 2006 年 5 月 10 日 00:47:29: ogcGl0q1DMbpk
 

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2006年05月09日
法務委員会 共謀罪 5月9日


http://blog.livedoor.jp/judicial/archives/50192611.html
今回は参考人質疑

石原伸晃 (法務委員長)

参考人はそれぞれ10分程度で。
質疑は以後、順次行う。


藤本哲也 (中央大学法学部教授) 参考人

専門は刑事政策。
政府案に基本的に賛成。
与党修正案は、
・長期4年以上
・一定の外部的行為を処罰条件
・運用の留意事項を加える
 としており、いずれも条約の範囲内
民主修正案は、
・長期5年を超える
・性質上国際的犯罪
・予備行為
・運用の留意事項
 としており、留意事項の以外条約で許されない
よって、与党案に賛成。民主案に反対。
110を超える国が締結、国会でも三年前に承認を考えると、
世界各国が共通枠組みを作る中、
先進国の中でもひときわ日本は遅れており、国際的威信に関わる。
条約は、一定の犯罪を行うことの合意を犯罪対象としている。
条約は、長期4年以上の犯罪としている。
条約は、国際的な性質とは関係なく、としている。
条約は、国際的スタンダードとなっている。
現在の刑事法のあり方とは相容れないとも考えられるが、
共謀段階から処罰することが世界標準、これにあわせていくべき
疑念の多くは健全な運用により解消されるため、
対象犯罪を絞り込みすぎるべきでない。
これから起こりうるべきさまざまな犯罪を取り込んでおくことが大切。
運用について留意事項を定める両修正案は妥当である。
団体の限定について、組織的な犯罪集団の要件を加える与党修正案は妥当、
民主案は条約違反である。
民主案は人身売買、集団密航等、組織的犯罪集団によって行われる犯罪を
対象からはずしており、不当である。
民主案は長期五年超としており、また国際性の要件を求めているが、
いずれも条約違反。
与党案の実行に資する行為は条約と相容れる。
他方、民主案の予備行為は予備行為自体を処罰対象としており、
共謀それ自体を処罰行為とすることを求める条約に違反。
早急に、与党修正案の内容で法整備が熟成されるべき。


高橋均 (日本労働組合総連合会副事務局長) 参考人

労使交渉、ストライキ、労使紛争の経験を踏まえ、
労働組合の現場から共謀罪に危惧する2点を指摘したい。
1.労働組合の活動が犯罪とされる危険性について
労働運動はいろんな動機からなる。
真摯な対応をする経営者もたくさんいるが、
逆上したりして労働組合を敵視し、
正常な労使関係を作ろうとしない経営者も時々いる。
団体交渉に応じないで逃げ回る経営者もいる。
なにを言っても馬耳東風の経営者もいる。
そんな経営者に怒り、会社の不当性を訴えたビラを配る人も出てくる。
正常な労使関係を作る過程で難儀することも多い。
威力業務妨害だ、信用既存だ、営業妨害だと大騒ぎする経営者も出てくる。
与党案では、一般の労働組合は共謀罪に当たらないとしているが、
一般とは、誰が判断するのか。
そのような場合に、捜査当局の恣意的な判断によって、
威力業務妨害の共謀罪として取りしまわれるのではないかと心配。
2.自首減免制度について
社会生活上では告げ口、密告といわれるもので、
わが国では軽蔑する響きを持つもの。
経営者は時折、不当労働行為、例えば労働組合からの脱退強要などをする
「君の将来にプラスにならない」など利益をえさに脱退を進める。
人間は弱いもので、保身、利益のために、
労働組合内部での情報を会社に告げ口するものも出てくる。
告げ口、密告を軽蔑する性質は、日本の誇るべき文化。
自首減免規定は重大犯罪にのみ絞るべき。


櫻井よしこ (ジャーナリスト) 参考人

さまざまなことを取材してきた立場から一般論として述べたい。
オウム真理教、北朝鮮の拉致事件を思い浮かべる。
なぜこれらを防げなかったのか。
共謀罪があれば防げたとも思えるし、共謀罪は必要とも思える。
しかし、条約の枠を超えて定めようとはされていないか。
もしくは拡大解釈されて、内面の問題まで踏み込んでいくのではないか。
個人情報保護法案は1年経った今、どのように運用されているか
法律を作るとき、誰も現在のような行き過ぎの事例が噴出することは考えなかった。
人権擁護法案も思い出してほしい。
誰かが差別を受けたら人権擁護委員を経て人権委員会に通報され、
当該本人が調べられ、人権委員会が差別を認定する。
これは人間の心の問題にふみこんで、これは差別だ、というもの。
しかし、心の問題を法律で決めるのはむずかしい。
今回の共謀罪も同様の問題を含んでいる。
しっかり準備し、歯止めをかける必要。
与党修正案の「資する行為」や民主党案の「予備行為」を評価したい。
しかし、これで議論を終わらせるわけには行かない。
例えば、総務省は住基ネットはごく限られた事務に使うといっていた。
今、全ての政府事務に使われており、知らないうちに広がっている。
日本国民を守るという意味で、共謀罪の趣旨は評価できるが、
これからどんな風に拡大されるかわからないので、しっかり歯止めをかけるべき。
民主党案のもっと限定しましょうという感じに好感を覚える。


早川忠孝 (自由民主党) 質問者

政府原案について藤本参考人はどこに問題があると考えるか?

 藤本哲也
 政府原案に問題はない。
 ただ、国民一般に納得できる形ではないのではないか、という問題提起がある。
 今の刑法のシステムそのものが。
 「個人が一人が一罪で故意で既遂である」ということが前提の、
 1907年という100年前に作られたシステムで、
 現在の組織的犯罪に対応しようというのがそもそも無理。
 国際的な条約が共謀罪を作るよう求めていることは、
 専門家から見れば納得できるが、一般には理解されにくいと考えられる。
 その点を「犯罪に資する行為」で補っている与党修正案が、より妥当といえる。
 政府原案がおかしいとは思っていない

人権擁護法案の問題について、人権侵害の定義のあいまいさや、
行政機関である人権委員会が人権侵害について
判定することの問題点があると思われる。
司法機関でないのに、ひとつの事件に対する判断が
他の判断にも使われる危険性もある。
そのような点を考えた上で、与党修正案は組織犯罪集団が行う組織犯罪について
共謀罪を定めており、単なる共謀罪ではない、としているが、
言語に関して厳しい感覚をお持ちの櫻井参考人は、
共謀罪をどのように定義すべきと思うか?

 櫻井よしこ
 民主案は、共謀の予備行為まで要件に入れているが、
 与党案は資する行為というもっと漠とした要件である。
 資する行為ではあいまいであり、民主案の方が好感が持てる。
 日本で今まで施行されている法律が、
 意図されていたより広範に解釈され適用されていることを考えると、
 共謀罪についても、同じように広がったときに、
 言論の自由、表現の自由までも圧迫する危険がある。
 きちんとした歯止めをかけることに力を注いでほしい。

与党修正案では、構成員の継続的結合の基礎となる目的が
重大な犯罪を実行することにある集団、という定義をしており、
結果的には組織的犯罪集団の犯罪を取り締まろうとしている。
櫻井参考人は国際的組織犯罪防止条約そのものについて反対しているのか?
テロ対策についてどのように考えているのか?

 櫻井よしこ
 条約には賛成だが、テロが日本で起きる蓋然性は低い。
 他の国とは条件が違うので、日本国の特質を踏まえ、条約を国内法化すべき

条約との抵触関係を考えると、与党修正案は条約通り長期4年以上を要件とし、
国際性の要件をはずし、「資する行為」を要件とし、
条約の範囲内で、一般の解釈による不安をなるべく少なくする方向でまとめている。
この点について櫻井参考人はどのようにお考えか?

 櫻井よしこ
 与党修正案は評価している
 ただし、日本国の感情の体質や、これまでの法律の施行の現状を見ると、
 民主党の処罰範囲を限定しようとする努力も評価したい。
 法律を作れば文言が一人歩きしてしまうという国柄を考えると、
 なるべく限定するのが筋である。
 国際法上、条約と与党修正案の整合性は評価したい。

高橋参考人にお伺いしたいが、
・労働組合の目的は何か?
・労働組合に犯罪を実行する組織が恒常的にあるのか?
・労働組合が重大犯罪を実行するということは考えられるのか?

 高橋均
 労働組合は犯罪を起こそうと思っていないが、
 いろんな口実でこれまで逮捕され、あるいは起訴されてきている。
 慎重にご審議いただきたい

高橋参考人にお伺いしたいが、
国際組織犯罪防止条約の締結そのものに反対しているのか?
条約が国会で承認されつつあるとき、反対運動をしたのか?

 高橋均
 安心・安全な生活を確保するため、
 組織的犯罪集団を取り締まる法律は必要だと思う。

政府原案に対する与党・民主の修正案が提出されている。
高橋参考人は民主修正案に賛意を表明しておられる。
現在全国の自治団体等からさまざまな文章が寄せられているが、
たまたま、同一に近い内容での表現になっている。
例えば、「ストライキの話し合いだけで処罰されます、国民の内心の自由、
 良心の自由を侵害します、憲法に違反します、だから廃案を求めます」と、
そういう風な文章になっている。
これは高橋参考人が所属されている連合でまとめたものか?

 高橋均
 どういう内容か全く承知していない

たとえば保健医療福祉労働協議会から
「共謀罪は法律違反に関する行為を話し合おうとしただけで
 その準備とみなされ処罰される」
という表現がなされている。
参考人は共謀罪、条約刑法の条文に当たって、
この法律案の問題点を検討されているか?

 高橋均
 各労働組合で判断している。
 重大犯罪について厳格に限定してほしい。
 ストライキ等は当たらないと、厳格に示してほしい。

藤本参考人に伺うが、与党修正案は、構成要件を明確にし、適用範囲を限定し、
濫用されないように留意事項を法文上明記している。
民主党修正案は条約との抵触関係で無理が多い。
与党修正案をさらに良くする余地があるとすれば、どのような点が上げられるか?

 藤本哲也
 国内法を基準し、条約そのものを修正しようとする民主案は考え方が逆。
 与党案に問題があるとすれば、犯罪に資する行為が分かりにくいと
 思われることだが、これ以上の文言はなかなかないのではないか。


津村啓介 (民主党・無所属クラブ) 質問者

藤本参考人は、世界レベルの標準化を強調されたが、
各国の法体系の違いを条約は配慮している。
日本独自の法体系に沿ったものを作らなければならない。
共謀罪が具体的にどのレベルまで設けられるべきか、
犯罪の対象はどの程度であるべきか、世界的な標準は確立してないと思われるが、
どう考えているのか?

 藤本哲也
 条約は各国の法体系の違いを認めており、
 国内法と整合性を持たせつつ法整備をしていくべきだが、
 現行刑法が組織犯罪に対応できるように造られているとは考えにくい。
 119カ国が締結しているこの条約の共謀罪を作ることは、
 世界標準にあわせることであり、
 国会で承認されているのこの条約の国内法化をすることは国会の責務である。
 どこまでの修正が可能であるかの問題であるが、
 条約の核となっている長期4年以上の要件、
 国際性をはずす要件、は修正できない。
 そのような条約に内在する制限があるため、
 その点を考えると、与党修正案のほうが、
 世界標準にしたがっているといえる。

民主修正案のほうがより明確な歯止めになると自負をしているが、
予備行為をいれたら共謀罪と呼べないのか?

 藤本哲也
 民主案では、共謀予備罪となる。
 与党案が「犯罪に資する行為」をいれたのは、処罰条件としてであり、
 予備行為をいれると、共謀の段階を超え、
 条約の本来の趣旨である共謀罪ではなくなる。

なぜ与党案はOKなのか?

 藤本哲也
 「犯罪に資する行為は」現在の刑法にはないものだが、
 共謀罪そのものを処罰するものであり、条約にあう。
 民主案は予備行為を処罰するものであり、共謀を処罰するものではない。

他の国が条約を批准しているから、
日本も早く共謀罪を設けないと威信が保てない、というのはおかしい。

 藤本哲也
 すでに国会で承認されているのに条約が締結ができない状態であり、
 G8のなかで締結していないのは日本だけである。

国際的信用は表現の自由や言論の自由など他の価値がある中、
一面的な観点でなく、多方面で判断すべき。
戦後の混乱期は過激な活動もあったが、日本の労働運動は健全に発展している。
しかし、こうした共謀罪が定められると、健全な労働運動に水を浴びせかねない。
共謀罪が創設されることによる労働運動に対する影響は
どういうものが考えられるか?

 高橋均
 組合に入っている人は現在18.7%
 非正規雇用の人々が労働組合加入を待っているが、
 そういう人々の加入の際に、心の中でマイナスの作用をしかねない。

現に存在する労働組合活動の中で、共謀罪が与える影響は?

 高橋均
 真摯な対応をされている正当な労使環境では問題ないが、
 きわめて無理解な経営者の場合は問題が出てきかねない。

共謀罪は今後、さまざまな拡大を見せかねないし、
現にある正当な労働活動を萎縮させかねない。
住基ネットのように、最初は小さく生まれた制度が次第に拡大される可能性がある。
言葉が命である言論界、ジャーナリズム、マスコミにおいて、
言葉だけで犯罪が成立する共謀罪についてどう考えているのか?

 櫻井よしこ
 与党修正案は、共謀だけで犯罪が成立し、共謀だけで逮捕できるとしている。
 民主党の予備行為のほうが担保がある。
 言論の自由は憲法では保障されているが、
 実際の生活では各種法律で制限されている。
 共謀罪は基本的に必要だが、法律が一人歩きして
 言論・表現を制約するおそれが十分ある。


伊藤渉 (公明党) 質問者

共謀という言葉が不安を煽っているのではないか。
共謀という言葉は、条約上、1または2以上のものと合意すること、としている。
共謀という文言にすることをどう思うか。

 藤本哲也
 Conspiracy を共謀と訳すのは問題ない。
 現行刑法の陰謀でもいいが、裏でこそこそというイメージがあるので、
 共謀が分かりやすい。

 高橋均
 日本語の常識としては、共謀でいいとおもう。

 櫻井よしこ
 共謀でいいと思うが、多少おどろおどろしい。

条約を読めば長期4年以上と定めるのが正当と思われるが、
民主案は長期5年超としている。これについて、どう思うか?

 高橋均
 条約は4年以上だが、5年超でも問題ないように思える。

 櫻井よしこ
 共謀罪がなければ、このような犯罪を取り締まれないのか。
 オウム事件や拉致事件は、共謀罪を作れば防げるのか。
 あれらを防げなかった反省が必要。
 横田めぐみさん事件の一ヶ月前に久米さんの事件で、
 石川県警は犯人の一人を捕まえ、その犯人は、
 誰でもいいから日本人を北朝鮮に送れと命令されたことを自白している。
 なぜ日本政府は、拉致をとめられなかったか。
 オウム事件の場合、多くの情報が警察に寄せられていた。
 なぜ、松本サリン事件、地下鉄サリン事件を防げなかったのか。
 法律だけを論じていてはだめだ。
 民主案を支持しているが、条約上整合性がつかないといわれれば
 そうかもしれない。
 でも、それ以前に、どうすればこのような犯罪から
 国民を守れるのかを考えてほしい。

条約への留保の議論がなされているが、
ウィーン条約19条は条約の趣旨に沿わない留保はできないとされている。
5年を超えるという留保はつけられないのではないか?

 藤本哲也
 条約の趣旨目的の範囲内で留保はできる場合もあるが、
 条約は大事なものの順で書かれており、
 2条の長期4年以上という文言は条約の核であり、できない。

 高橋均
 藤本参考人とは別の法律家の見解もあり、5年超で行くべきだと思う。

犯罪に資する行為について。
与党修正ではovered act的な資する行為を入れ、
一方、民主案は処罰条件に予備を入れているが、予備を入れると、
共謀を取り締まろうという、そもそもの条約の趣旨と反するのではないか?

 高橋均
 頭がこんがらがってよく分からないが、
 とんでもない犯罪だ、ということがあればそういうことだと思いますが、
 私はさきほどから、具体的な事例を申し上げて、それまでも処罰されるんですか?
 それは問題があるんじゃないでしょうか?
 ということを申し上げているわけでございます。
 (意味が分からない)

 櫻井よしこ
 もう一人法律の専門家の参考人を呼んで議論した方がいい。
 言論の自由を阻害させないために、心の中に立ち入って
 逮捕・強制捜査をするようにさせないために、
 民主党の予備を入れたほうがいい。

共謀したという事実を認定することは困難だと思われるので、
共謀のみで逮捕するのことには非常になりにくくなっていると思うが、いかがか?

 藤本哲也
 共謀行為がある段階、共謀を超えた資する行為の段階、があるが、
 法解釈論からみると、共謀行為のみで犯罪が成立する。
 そして、処罰するかどうかのところで、資する行為を入れている。
 全ての成立した犯罪を処罰するわけではなく、
 「共謀を行うと一般に犯罪に当たる」ということを警告することで、
 組織的犯罪を牽制しているのだ。
 共謀すれば計画性が高度であって、犯罪の実行が確実であって、
 起こる結果が重大であって、国民に大きな被害を与えるから、
 組織的犯罪を共謀をするだけで犯罪にし、国際的に協力して対処しよう、
 というのが条約の趣旨であるから、
 その条約に沿った法律を作るべきである。
 それと、作られた法律の下、国内で取り締まるというのは別のこと。


保坂展人 (社会民主党・市民連合) 質問者

与党案では、実行に資する行為3条件として、
・共謀が成立した後であること
・共謀の段階を超えた共謀行為とは別のものであること
・共謀にかかる犯罪の実行に役立つ行為であること
としているが、共謀による逮捕後に、資する行為を探すこともありえる。
また、犯罪に必要な道具を揃えた後に共謀した場合、
捜査機関は「道具を揃えた」という共謀以前の行為も、
資する行為にしてしまうのではないか?

 藤本哲也
 捜査機関の認定は運用の問題。

共謀が成立した後に行われる行為が資する行為であるなら、
共謀以前の準備行為はどうなるのか?
また、中止ができない、という問題もある。
共謀後、共謀の取り消しができないことについてどう思うか?

 櫻井よしこ
 拡大解釈の問題を考えると、運用しだいで
 恐ろしい言論統制・思想統制になりうる。
 外形的に確認できる基準を設けるべきで、
 住基ネット、人権擁護法の反省を踏まえるべき。

労働組合や一般の会社に幅広く適用されるのではないか?
という疑念から与党修正案が出されたが、
団体の中の一部の先鋭的な集団が犯罪集団とみなされる恐れも残っている。

 高橋均
 一般的な労働組合は組織的犯罪集団ではないとされているが、
 一般とは何か?誰が判断するのか?それが問題だ。
 労働組合は組織的犯罪集団ではないと言い切ってほしい。

共謀というのは居酒屋での話みたいな簡単なものではなく、
具体的現実的な相談である等言われている。
ところで、共謀共同正犯の暗黙の共謀を認めた最高裁の判例によれば、
暴力団組長の乗っていた車には拳銃がなかったが、
前後の車から拳銃が発見されたため、
言葉などは必要でなく、当然組長の立場である本人にも共謀が成立するとしている。
このような判例によって共謀罪も考える、とのことであるので、
指導者が、「時は来た。今だ!」と言った場合にも成立することになるだろうし、
目配せでも成立することになりかねない。
そういった暗黙の共謀にまで範囲を広げるのは、広すぎるのではないか。

 藤本哲也
 共謀共同正犯理論は、暴力団のように、
 後ろで指揮をしている人物がいるにもかかわらず、
 実際に処罰できるのは実行した犯人のみとするのでは、
 暴力団を壊滅できないから作られたもの。
 それは、一応共謀という事実があれば、
 一人は眠っていて、一人は現場にいて、
 一人は見張りをしていて、一人が実行しても、
 全員を全部処罰しましょうという、刑法の原理。
 今問題になっている共謀罪は国際法の中で考えられていることであり、
 少なくとも内心を処罰するのではなくて、
 二人以上が特定の犯罪を犯すことを共謀して、
 具体的な危険性がでてくる現実的な合意というもの、
 そのものに対して国際的に対応していこう、
 そうしないと、起こってからでは甚大な被害が出てしまって遅い、
 だから、みんなで協力して、国際的な犯罪だけはきちっと抑えよう、
 というのが趣旨。
 ゆえに、国内法での共謀共同正犯理論が、同じ共謀という文言は使っているが、
 国内法と同じように利用されるということはないだろうと思う。

法務省は、共謀共同正犯との共謀と、
条約上もとめられている共謀が同一のものだと答弁している。
判例の枠で考えれば、委員長が押し黙って場の雰囲気を作っていた、
ということも共謀に当たりうる。
「もうやるしかないな。」という顔をした、ということだって、
成立条件に加えられてしまう。
そのあたりについてどう思うか?

 高橋均
 大変危険なことだと思う。
 「いまやるしかない」と発言したこともある。
 中の役員が告げ口するということもある。
 大変危惧している。

個人情報保護法は、むしろ、官庁が匿名性主張する道具に使われている。
国会では謙抑的・抑制的に法律の趣旨を語っていても、運用で変えられてしまう。
その点をどう思うか。

 櫻井よしこ
 国民レベルでは、共謀罪はほとんどの人に理解されていない。
 法的解釈にしても、専門家の間で理解が分かれるであろう。
 国際条約との関連性でなにが可能でなにが不可能か精査しなければならない。

overerd actと実行に資する行為は同じものか?

 藤本哲也
 全部の州法は知らないが、カリフォルニア州の場合、
 「何らかの行為」とされているので、
 それと比べると与党案の「犯罪に資する行為」は限定的。

石原伸晃
次回は明日。本日は散会。


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