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http://www.tokyo-np.co.jp/00/sei/20060501/mng_____sei_____001.shtml
世界的技術も“門前払い”
中小企業阻む省庁の高額入札
三鷹光器を視察され手術用顕微鏡をご覧になる天皇陛下=28日、東京都三鷹市で(朝倉豊撮影)
国などが高い技術を持つと認定した中小企業が入札制度に阻まれて、世界的な評価を得た製品を国に売れない問題が起きていることが30日、分かった。政府は中小企業の育成に力を入れているが、入札制度は大企業を重視し中小企業には参加の機会すら与えていなかった。経済産業省は実態調査に着手し、まとまりしだい政府全体の入札制度の見直しを働きかける方針だ。
国や国の独立行政法人が物品を購入する場合、通常は競争入札を実施する。入札に参加したい企業は、年間平均販売高や営業年数、自己資本額などをもとにA−Dまでにランクづけされる参加資格を得なければならない。このランクは物品の額に対応しており、例えばAランクの企業は予定価格が三千万円以上、Bランクは千五百万円以上三千万円未満などとなっている。
例外的に特別な技術をもつ企業を優遇する省庁もあるが、中小企業にとって入札に加わるには、参加資格というのは大きな壁になっているのが実態だ。経済産業省では、こうした不合理な事態が起きていることから、中小企業の高額入札の実態について急きょ調査を開始、改善策の検討も行うことにした。
中小企業が入札で不必要な不利益を受ける問題は、小渕政権時に指摘されたことがある。だが、小渕恵三首相が急逝したことでうやむやにされていた。
■米シェア7割…国立病院に売れず
実際に入札制度が障害となっているのは「三鷹光器」(東京都三鷹市、中村勝重社長)。同社が作る天体望遠鏡やスペースシャトル・コロンビアに搭載された光学機器は、世界的に高い評価を獲得。同社が開発した脳神経外科手術用顕微鏡スタンド(価格は三千万円以下)は、優れた操作性などから脳外科手術の成功率を格段に高め、米国では約70%の市場占有率を誇る。
二十八日には天皇陛下が同社を視察され、高い技術に関心を持たれた。四月には、高度なもの作り技術を持つ中小企業の一社として、経済産業省が選出。東京都の「ベンチャー技術大賞」優秀賞や東京商工会議所の「勇気ある経営大賞」優秀賞も昨年に受賞した。
だが、一九六六年創業で売上高が十八億七千万円(二〇〇五年三月期)の同社は、顕微鏡スタンドの入札に参加できるランクを得られず、国立病院に売ることはできない。医師などが「この機器が必要」と書類を出す手段もあるが、「医師側は裏金の授受などあらぬ疑いをかけられるのを避ける」(同社)ため、結局は行われないという。
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