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'06/5/8
きょうから終盤国会。国民生活に直接かかわる問題がめじろ押しだ。在日米軍再編と基地移転に伴う巨額な負担、憲法改正問題、教育基本法改正、アジア外交。格差社会の拡大への歯止め策も重要だ。「共謀罪」の審議も今週ヤマ場を迎える。だが一方で自民党では「ポスト小泉」をめぐる動きが慌ただしい。首相退陣まで四カ月もある。政争の激化は国会論議をおろそかにする。肝に銘じてもらいたい。
このところの国会は、与党の思い通り、なし崩し的に物事が決まっているような状態だった。与党の「数の力」と、偽メール問題をめぐる民主党の自滅が活気を奪った。その結果、本年度予算などに見られるように「いつの間にか決まった」状態に陥った。その国会も小沢一郎民主党代表の就任以来、どうにか緊張感を取り戻した。この緊張感をいかに持続させ、実のある審議をするか。そこが問われている。
衆院では自民、公明の与党は議席の三分の二以上を占める。仮に参院が否決しても再び衆院で可決すれば法案は成立するという、とてつもなく大きな数である。与党からすれば、これだけの議席を与えた有権者に応えなければとの思いが強い。それが強引とも思えるやり方に結びついている。少数意見をどう政策に反映させるか。巨大与党に求められるのは、民主主義の出発点に立ち返った政治だろう。
国民が今、大きな戸惑いや疑問を覚えている問題に格差社会の拡大がある。非正規雇用者数、貯蓄ゼロ世帯の割合の増大、大企業と中小企業の一人当たりの年間給与の差など格差の拡大を告げる数字には事欠かない。大都市と地方の差も歴然としている。各種負担増にも頭が痛い。
もっとも首相は「言われるほど格差は生じていない」「競争は悪いことではない」。一国のリーダー、しかも人気度の高い人のこの認識。国民の思いとは大きなずれがある。それをどう埋めるのか。終盤国会の大きな問題である。
いわゆる「四点セット」―ライブドア、耐震強度偽装、官製談合の各事件、米国産牛肉の輸入問題―は小泉政権五年の影の顕在化である。この追及こそ小泉政治の総括であり、同時に「ポスト小泉」問題であり、日本の行く道を考える材料になったはずだった。だが霧消した。厳しく見つめ直したい。
国会論戦する上で大切なのは言葉である。しかし小泉首相になって言葉が軽く、乱暴になった感は否めない。すり替え、肩透かし答弁に加え従来なら進退問題に発展しかねない「失言」も多い。だが一方で首相の言葉は短いセンテンスで力強く分かりやすい、政治を茶の間に直結させた、とも評価される。少々言葉が乱暴で軽くても、分かりやすい方が良いという雰囲気があるからだろう。
しかし本当にそうだろうか。国民は分かったような気にはなるが、実際はよく分かっていないのではなかろうか。分かったような気にさせられているだけではないのか。
最近でもこんな語録がある。自身の靖国神社参拝で行き詰まった日中関係。「たった一つのこと(靖国参拝)で、すべてが駄目になるのはおかしい」と中国批判を繰り返す。だが自身は数ある法案の中のたった一つの郵政民営化法案に反対した議員を自民党の公認から外し、「刺客」まで送り込んだ。また、ことあるごとに「地方重視」を叫びながら、米軍再編にからんで地元が反対すると「地方のエゴ」と切り捨てる…。
なし崩し的に政治が進められていると感じる一つには、首相の言葉と実際のありようとの間にギャップがあるからではないのか。終盤国会ではぜひ言葉を大事に堂々と論争してほしい。首相は得意のすり替え答弁に多くの国民がうんざりしていることにも気づくべきだ。論争を挑む方も、そうした答弁には敢然と反ばくする必要がある。
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200605080031.html
そう思います。
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