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2006.5.3(その2)
森田実の言わねばならぬ[74]
戦争を煽るのはやめなさい!! 君たちはなぜそんなに戦争をしたいのか?
呆れてものが言えないほどヒドイ誇大妄想論文(櫻井よしこ「中国が日本に軍事侵攻する日」週刊新潮5月4・11日ゴールデンウィーク特大号)
「人間がもう少し気狂いでなかったならば、戦争から生まれる悲劇を免れたはずである」(ジード)
「あらゆる恐怖の中で、最も恐るべき恐怖は、狂気にとりつかれた人間である」(シラー)
「この世の中で一番むずかしいことは自分自身を知ることである」(ターレス)
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櫻井よしこ女史がテレビ・マスコミタレントとして一世を風靡していることは仄聞しているが、ただ戦争や争いが好きなだけのハネ上がり程度にしか思っていなかったので、私はあまり注目してこなかった。
久しぶりに近くのコンビニで週刊新潮を買いページをめくると、[特別レポート「中国が日本に【軍事侵攻】する日」櫻井よしこ]の見出しが目に入った。読んでみると、ひどい。1行目から間違いばかりが書いてある。
「戦争は、力が均衡しているときに起き易く、力が大きく離れているときには起きにくい」――これが1行目の文章である。何も知らない人は「そんなものか?」と思うかもしれないが、少しでも歴史を知っているものなら、すぐに「おかしい」と気づくはずである。櫻井女史は戦争の歴史を何も知らないのではないか。数からだけ見ると、戦争は力の差があるときのほうがはるかに起きやすいのである。編集者にも言いたい。あまりに無知な人をマスコミの寵児にでっち上げるようなタチの悪いことはやめなさい。
櫻井女史のこの一文は「烏を鷺という」がごときものである。
次の一文もまったく間違っている。
「中国の国家戦略が、一貫して軍事力を基本に組み立てられている」(からだ)。
毛沢東時代には軍事中心の行き方をとったが、しかしケ小平時代になると、経済が中心になった。以後20数年にわたり中国は経済中心の行き方をとっている。櫻井女史の考えは、まったくおかしいのである。
櫻井女史は、ご自身の支離滅裂な立論を証明したいためであろう、いくつかの極論を集めて、自身の極論を無理やり合理化しようとしているが、見え透いた子ども騙しに過ぎない。軍事評論家の極論というより空理空論を並び立てた上で、櫻井女史はこれ以上ないほどの誇大妄想的立論をする――「日本は、台湾を見捨てて安全を選び、結果中国の属国になるのか」。
櫻井女史は、中国は必ず軍事行動を起こして台湾を攻撃するから、そのとき日本は台湾を守るために中国軍と戦え、とでも言いたいのであろうか。バカもいい加減にしなさい。
すべてが極論すぎる。冷静さがまったくない。中国が、軍事力で日本を攻めてくることがあたかも避け難いことのように考えているようである。その上で、言葉を曖昧に使いながら中国との戦争を煽っているのである。
日本はどの国とも戦争をしない――これが日本の国是である。
日本は台湾の手先になって中国と戦争するような愚かなことをしてはならないのだ。それより、そうならないよう平和外交に精を出すべきなのだ。
櫻井女史は戦争というものがどんなに恐ろしいものであるか、まったく無知なのであろう。それよりも、日本が米国の属国となってしまっている現実について櫻井女史は何も語っていない。米国の戦略のもと、台湾政権の手先となって中国と戦争するような愚かなことをしてはならない。
戦争をすることほど大きな罪悪はない。フランクリン(18世紀のアメリカの政治家)が言ったように「良い戦争、悪い平和などあったためしがない」のである。もう一度、警告する。週刊新潮編集部にも警告する。戦争を煽るのはやめなさい。
その前に、アジアの平和を確立するために、日本は努力すべきである。日本がなすべきは平和外交である。そして戦争の危険性があれば直ちに除去するために、平和を強めるために努力すべきである。
最近、こんな情報が耳に入った――「日本と中国とを対立させ、衝突させ、紛争さらには戦争させようとする“ある組織”が日本国内で暗躍している。すでにいくつかの新聞社と出版社の中に“仲間”をつくった。学者やジャーナリストの中にも“仲間”をつくった。日本国民がナイーブだから狙われるのだ…」。
平和の敵に対して、われわれは油断しないようにしなければならない。
以上 http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C02624.HTML から転載。
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