マスメディアは何故「田舎芝居」を報道しないのか？（木走日記）天木ファン

マスメディアは何故「田舎芝居」を報道しないのか？（木走日記）
http://www.asyura2.com/0601/senkyo21/msg/608.html
投稿者天木ファン日時 2006 年 5 月 04 日 23:52:51: 2nLReFHhGZ7P6

◇2006-05-03 マスメディアは何故「田舎芝居」を報道しないのか？

■[メディア]マスメディアは何故「田舎芝居」を報道しないのか？～負担額「３兆円」は実は日本政府自身の試算だ！ 16:12
　以下のエントリーの追記です。

■負担３兆円は試算済みでも「不快感」表明する日本政府の「田舎芝居」

http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20060427

■米軍グアム移転日本分担５９％に異議あり

http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20060424

　今までの日米合意の流れを時系列でまとめてみました。

●４月２３日米海兵隊グアム移転費日本負担５９％で日米合意

　先月２３日に日米政府は、在日米軍再編で焦点になっていた在沖縄海兵隊のグアム移転費について最終合意します。。

　額賀防衛庁長官は２３日午後（日本時間２４日午前）、米国防総省でラムズフェルド国防長官と会談し、米海兵隊グアム移転費について、日本が総額１０２億７０００万ドル（約１兆１９００億円）のうち５９％にあたる６０億９０００万ドル（約７０００億円）を負担することで合意しました。

　また額賀防衛庁長官は、日本負担分の７０００億円について「日本が財政支出の対象としているのは、隊舎、庁舎、学校など軍事訓練と直接関係のない施設に限られ、訓練場や滑走路、娯楽施設は含まれていない」と説明、あくまでも「グアム移転は日本の要請に基づくもの」（ローレス国防副次官）であり、「沖縄県民と日本全体の負担を軽減していくため、応分の負担をしなければならない」（額賀防衛庁長官）と補足しています。

　額賀防衛庁長官は盛んに日本の負担率が６割を切り５９％であることを強調し、翌日の日本のメディア報道も５９％を強調する記事が並ぶのであるが、この日本負担率５９％という数字自体が極めて怪しいものであります。

　米国が主張する移転総額費用１０２億７０００万ドル（約１兆１９００億円）ですが、これまでにも数字自体が二転三転し、かつ今日に至るまでその積算根拠は日米両政府いずれからもまったく公表されていないのであります。

　これでは最初に日本負担額７０００億円が決定しており、総額で６割を越えないよう後から約１兆１９００億円という数字が捻出されたと疑われても仕方ないでしょう。

●４月２５日米国防副次官日本側負担総額は３兆円と表明

　続いて先月２５日には、米国ローレス米国防副次官が国防総省で記者会見し、在日米軍再編全体にかかる日本側の負担について、少なくとも約２６０億ドル（約２兆９８００億円）にのぼるとの見通しを明らかにしました。

　ローレス米国防副次官は「控えめな試算」と前置きした上で「在日米軍再編全体にかかる日本側の負担について、少なくとも約２６０億ドル（約２兆９８００億円）にのぼるとの見通し」を示したのです。

　一方「米側の負担についてはグアム移転費の約４０億ドル（約４６００億円）にとどまると明言」し、おそらく米国議会などの理解を得るため、日本側の負担が中心になることを強調するのが目的と見られます。

　この会見でも数字の積算根拠や詳細な内訳は一切不明であり明らかにはされていません。

　一方この米国防副次官の「控えめな試算」公表に、日本政府は敏感に反応します。

　会見から一夜あけた２７日午前、安倍晋三官房長官は記者会見で米側の一方的金額提示にローレス発言は「途方もない数字」と不快感を示します。

　安倍氏は、「金額だけが一人歩きしている。我々の認識としては額が少し大きい」とし、「金額は（日米で）合意したものではないし、新たに要求を受けたものでもない。思いやり予算も入っているかもしれないし、防衛庁の予算に織り込み済みのものもあるかもしれない」と疑問も呈しました。

　ローレス米国防副次官の日本負担３兆円発言の内容は、実は日本政府もすでに十分に把握していた数字であり、実はその数字に不快感を示したのではなく、「本当の数字」をアメリカ政府が自国の国民に対する説明のため断りもなく勝手に発表してしまったのが、負担総額を日本国民にあえて表明してこなかった日本政府にとり、とっても「不快」だっただけなのでありましょう。

　とんだ「田舎芝居」であります。

　一方的な発表に「不快感」を示すのは理解できるが、「３兆円」という金額にまで「途方もない数字」だとする言及はいただけないのです。

　なぜならば、すでにこの「３兆円」の支出は、２ヶ月前に日本政府自ら試算した数字とぴったり符合するモノであり、２ヶ月前の試算段階からすでに、「一般会計の防衛予算」から１０年で分割して計上することまでが具体的に検討されていたからです。

●３月１２日の段階ですでに日本政府自らが試算していた日本側経費３兆円

　３月１２日の日本経済新聞記事では、すでに「在日米軍再編にかかる日本側経費について総額3兆円を超すとの政府試算」すでに報じられているのであります。

３月１２日　日本経済新聞

米軍再編、日本負担3兆円見込む・横田空域、米「一部返還」

http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20060312AT3S1100P11032006.html

　在日米軍再編にかかる日本側経費について総額3兆円を超すとの政府試算が11日、明らかになった。米沖縄海兵隊のグアム移転経費のほか、普天間基地のキャンプ・シュワブ沿岸への移設に伴う代替地の建設などが中心となる。一般会計の防衛予算から10カ年程度にわたって計上する方向で検討している。

　日米は米ハワイで7日から11日まで在日米軍再編に関する外務・防衛審議官級協議を開催。このなかで日本側は試算を説明した。

　すでに３月上旬には、日本政府は「在日米軍再編にかかる日本側経費について総額3兆円を超すとの政府試算」を得ていたのです。

　もちろん、これは「米沖縄海兵隊のグアム移転経費のほか、普天間基地のキャンプ・シュワブ沿岸への移設に伴う代替地の建設などが中心となる」部分だけであり、安倍官房長官が言う「思いやり予算も入っているかもしれない」などはあり得ないわけで、官房長官がこの２ヶ月前の政府試算をご存知ないはずもないのであります。

　要するに、今回、米国政府が公開した試算「３兆円」は、なんのことはない、２ヶ月前に日本政府自らが試算し米政府に説明していた金額なわけです。

　自分たちが試算した数字のどこが「途方もない数字」で「不快」なのでしょう。

　どうせ３兆円支出することを、予算計上まで含めて具体的に２ヶ月前から検討していたならば、姑息に芝居じみた「不快感」表明などするのは、国民を馬鹿にしているようでいただけないのです。

　これは最初から筋書きのわかっている「田舎芝居」なのであります。

●５月１日在日米軍再編に最終合意～マスメディアは何故「田舎芝居」を報道しないのか？

　今月１日午前（日本時間同日夜）、日米両政府は、外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会（２プラス２）を米国務省で開き、在日米軍再編に最終合意しました。

　普天間移設に伴う海兵隊司令部のグアム移転では、日本が経費の６割にあたる約７０００億円（融資を含む）を負担することが改めて明記されたが、日本負担総額３兆円という数字は、なぜか再び声明からは消えているのであります。

　もちろん７０００億円の積算根拠はまったく説明されてはいないままであります。

　最終合意を受けて日本の主要紙は２日から３日にかけて一斉に社説で取り上げています。

【朝日新聞】

米軍再編、最終合意　軍事が突出する危うさ

http://www.asahi.com/paper/editorial.html