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(回答先: [教育基本法改正]「民主党も意見集約を急いでは」|読売新聞・社説 投稿者 white 日時 2006 年 4 月 29 日 12:41:05)
□教育基本法 「愛国」をゆがめないか [朝日新聞・社説]
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
教育基本法 「愛国」をゆがめないか
小泉内閣は教育基本法の改正案を国会に提出した。与党は連休明けに特別委員会を衆院に設け、審議を急ぐ方針だ。
今回の改正論議は、00年に首相の私的諮問機関が教育基本法の見直しを提言して始まった。それを受けて、中央教育審議会が「郷土や国を愛する心」などを盛り込むよう答申し、与党が文案づくりの協議を重ねてきた。
論議が始まって6年になる。与党の検討会も3年にわたった。与党の中でさえなかなかまとまらなかったのは、愛国心をどうとらえるかが、それだけ難しい問題だったからだろう。
国を愛する心は人々の自然な気持ちであり、なんら否定すべきものではない。しかし、その愛し方は人によってさまざまだ。法律で定めれば、このように国を愛せ、と画一的に教えることにならないか。私たちは社説で、そうした疑問を投げかけてきた。
こんな疑問を抱いている人は少なくないだろう。すでに教育現場では、どう教えるのか、愛国心を成績として評価することになるのか、といった戸惑いが広がっている。国会で政府はまず疑問や不安にきちんと答えてもらいたい。
教育基本法は、戦前の教育勅語に代わる新しい教育の指針としてつくられた。教育の機会均等、男女共学などの理念を掲げた11条から成り、「教育の憲法」と呼ばれている。
改正法案では、生涯学習、大学、家庭教育などの項目が加わり、条文が18に増えている。だが、与党の協議では、教育の目的に「愛国心」の言葉をどう盛り込むかがもっぱら焦点だった。
愛国心を入れたい自民党と、愛国心が戦前のような国家主義につながることを恐れる公明党がせめぎ合った。その結果、伝統と文化をはぐくんできた我が国と郷土を愛するとの表現になり、「他国を尊重し」という言葉も加えられた。
それでもなお心配が尽きないのは、ひとつには、気に入らない相手を「愛国者ではない」と決めつける嫌な風潮があるからだろう。
イラクで人質になった日本人が自衛隊派遣に反対していたとして、自民党議員が国会で「反日的分子」と非難した。韓国や中国に強硬姿勢をとらなければ「売国」だと言わんばかりの論評も目立つ。「売国」や「反日」というレッテル張りがひどくなっている。
基本法の改正が、こうしたゆがんだ愛国心に拍車をかけないだろうか。
教育は国の将来につながる重要な政策である。その理念をうたう基本法は、憲法に準ずる重い法律だ。
「国を愛する」を教えるとはどういうことなのか。その影響はどうなのか。さらに今の時期に基本法を変える必要はどこにあるのか。
さまざまな分野の人たちの意見に耳を傾け、各地で公聴会を開くなど、ていねいな審議が求められる。野党と論議を尽くすことは言うまでもない。
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