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(回答先: 共謀罪、今日の可決は見送り 投稿者 かずや 日時 2006 年 4 月 28 日 11:41:24)
'06/4/28
あまりにも唐突で強引。そんな疑念を強く抱かせる法案審議が、衆院法務委員会で始まっている。「共謀罪」の新設を柱とした組織犯罪処罰法改正案。犯罪行為がなくても事前の謀議だけで罪に問われるのが特徴だ。与党側はきょうの委員会での採決を提案。早期成立を目指している。
政府案では、対象は四年以上の懲役・禁固に当たる罪。公選法や職業安定法違反なども含め六百以上に上る。犯罪にまつわるブラックジョークさえ言うのがはばかられるような息詰まる社会を招きかねない。民主、社民両党は政府案には問題が多いとして審議を拒否。二十五日から変則的な論戦が始まった。
極めて遺憾な事態というほかない。思想統制につながった戦前・戦中の「治安維持法」とも対比される法案だけに、慎重のうえにも慎重でなければならない。民主党が独自の修正案の提出を求めているだけに、なおさらだ。
法務省などによると、この法律はテロ対策や麻薬の密輸などの国際犯罪の防止が目的。国際組織犯罪防止条約を批准するための法整備の一環でもある。中でも「共謀罪」の導入は、テロ摘発へ有力な法的よりどころになるとされる。改正案は過去に二度廃案になり、三度目の提案となった昨秋の特別国会でも継続審議になっていた。こうした経緯を振り返れば、政府・与党側が法整備を急ぐ理由も理解できないわけではない。
だが、半面で適用範囲があいまいで無関係な市民生活まで侵害しかねない、などとして反対の声は根強い。加えて、法案の出された時期にも疑問が残る。提案説明は二十一日。竹島(韓国名・独島(トクト))周辺海域の日本の海洋調査計画をめぐり、日韓の主張が対立。国民やマスコミの耳目は一触即発の事態に注がれていた。偶然の一致としても、その後の日程に照らす限り、誠実な対応とは言い難いのではないか。
政府案に対し、民主党案は共謀罪の対象を厳格化。(1)組織的犯罪集団が関与する場合に適用を限る(2)凶器を入手するなど「予備行為」を成立の要件にする―などと規定している。「五年超の犯罪」とすることで適用分野も半減できるという。
与野党の法案の隔たりを見ても、「共謀罪」の論議が尽くされたとはとても言えまい。日本弁護士連合会は、法案そのものに反対している。拙速は厳に慎みたい。
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200604280026.html
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